講義概要・シラバス

講義概要・シラバス

現代神学「現代神学のフロンティア──多様化する潮流」

概 要

 この授業では、現代世界におけるキリスト教の神学的動向について理解し、そこで提示されている課題に対する洞察を深めていくことを目的とします。
 20世紀前半の人類に大きな影響を与えた世界大戦は、神学の世界にも甚大な影響を及ぼしました。戦争と平和、国家(社会)と宗教の関係など、今日のわたしたちがなお考え続けなければならない課題を、A. シュヴァイツァーやD. ボンヘッファーたちの思想を通じて整理したいと考えています。
 それに続けて、20世紀後半、とりわけ、1960年代以降形成されてきた、解放の神学、黒人神学、フェミニスト神学、終末論の新しい解釈、宗教の神学、環境の神学、動物の神学など、近年の神学的潮流を、それぞれが成立してきた時代的・社会的背景と共に紹介していきます。
 いずれの神学思想も現在進行形のものであり、必ずしも完結した体系や定まった評価があるわけではありませんが、それだけに現代神学の躍動感を伝える魅力を備えています。そして、それらはしばしば伝統的な神学の枠組みに対し、批判的な視点を持っています。それらの論点を明らかにするために、伝統的なキリスト教神学をたどっていくことも必要になるでしょう。
 20世紀後半から21世紀前半の現在に至るまで、キリスト教の中心点・成長点は西洋から、アジア、アフリカ、ラテンアメリカなど非西洋世界に大きくシフトしてきています。伝統的な西洋神学のコピーにとどまらず、自らが生きる、それぞれの生活の場の中で神学的思索と実践に取り組む文脈化神学(contextual theology)についても扱います。
 現代神学の扉をたたいて、新しい知の探求の旅に出かけてみませんか。

到達目標

 現代世界におけるキリスト教の神学的動向について理解し、そこで提示されている課題に対する洞察を深めていくことを目的とします。

授業計画

1(10/06) 導入── 現代における神学的課題 ☞ 現代神学01 .pdf


2(10/13) 世界大戦のただ中から(1)── A. シュヴァイツァー ☞ 現代神学02.pdf

3(10/20) 世界大戦のただ中から(2)── ドイツ教会闘争 ☞ 現代神学03.pdf

4(10/27) 世界大戦のただ中から(3)── D. ボンヘッファー ☞ 現代神学04.pdf

5(11/03) 解放の神学 ☞ 現代神学05.pdf

6(11/10) 黒人神学 ☞ 現代神学06.pdf

7(11/17) 特別講義「変動する中国とキリスト教──都市化における共存に向けて」(段 琦、中国社会科学院 世界宗教研究所研究員)

8(11/24) フェミニスト神学 ☞ 現代神学08.pdf

9(12/01) 終末論 ☞ 現代神学09.pdf

10(12/08) 宗教の神学 ☞ 現代神学10.pdf

11(12/15) エコロジーの神学(1) ☞ 現代神学11.pdf

12(12/22) エコロジーの神学(2) ☞ 現代神学12.pdf

13(01/12) 動物の神学 ☞ 現代神学13.pdf

14(01/19) まとめ ☞ 現代神学14.pdf

15(01/26) 総括(評価)

成績評価基準

・平常点(出席) 30%
 10分以上の遅刻は出席としませんのでご注意ください。交通遅延等,不可避の事情があった場合には証明書を出していただければ考慮いたします。
・期末試験 70%
 授業で扱った内容の内,基本的な項目を出題します。