日本宗教「日本文化の中の宗教──古代からグローバル時代に至る宗教のポリティクス」
<Notice>
・京都市内の観光名所の内部をGoogle「ストリートビュー」で見ることのできる「グーグルマップで京都観光ナビ」が新設されました。伏見稲荷大社(伏見区)や清水寺(東山区)など47観光名所を見ることができます。内部まで見ることができるのは画期的ですが、これを見て「行ったつもり」になるのではなく、実際に自分の足で歩くことが大切です。好奇心をかき立てる、きっかけとして使ってみて下さい。
・「京都ひるバス」の運行が新たに開始されました。京都市内の有名寺社を一気に回れる周遊路線バスです。主な周遊場所:西本願寺、二条城、金閣寺、下鴨神社、銀閣寺、清水寺、晴明神社、北野天満宮、大徳寺、平安神宮、知恩院、八坂神社、高台寺、三十三間堂。詳細は「京都ひるバス」オフィシャルページをご覧ください。
・出席票は、10分以上の遅刻者に対しては配布しません。ただし、遅刻した特別な理由(列車の遅延など)がある場合には配慮しますので、申し出てください。
・履修者の印刷の便のため、遅くとも月曜日の午前中には次回の授業の資料(PDF)がアップされているようにします。なお、大学で見る場合、古いキャッシュが残っていて、ブラウザーに新しくアップされたファイルが表示されないことがあります。必ず、リロード(再読み込み)するようにしてください。
・就職活動中の方のやむを得ない欠席を配慮しますが、その際には、事前の申し出を原則とします。
<概 要>
この授業では,日本宗教の成り立ちやその基本的な思想・世界観を学びます。その際,古代世界からグローバル世界までを時代背景として,日本宗教が文化や政治とどのような相互関係にあったのかを考えていきます。
みなさんは日本の宗教について,どの程度知っているでしょうか。たとえば,客人のために京都・奈良観光をすることになったと考えてみてください。八坂神社,北野天満宮,東大寺などに客人を連れて行くことはできるでしょう。しかし,そこでそれぞれの観光地(宗教施設)を眺める以外に,みなさんはどのような歴史的・宗教的知識を語ることができるでしょうか。神社仏閣は,それが根ざしている宗教的伝統をシンボライズしたものです。日本宗教についての基礎知識を身につけることによって,みなさんは,身の回りにある歴史的建造物や芸術について,より深く理解し,また語ることができるようになるはずです。
この授業では伝統的な日本宗教として,神道,仏教,儒教,道教,民俗宗教を取り上げます。仏教,儒教,道教は中国・朝鮮半島経由で日本に入ってきた外来宗教ですが,それ以前にあった日本の土着の伝統と相互に影響を及ぼし合いながら,日本宗教の多様性と一体性を形成してきました。また,古代世界の頃から,宗教は共同体や社会と深い関係を持っています。仏教が国教的役割を果たした時代もありました。宗教の教えの側面だけでなく,宗教のポリティクスについても,この授業では重点的に扱っていきます。
明治期以降,日本社会は欧米の視線を強く意識することになり,それは日本宗教にも大きな影響をもたらしました。キリシタン弾圧以降,キリスト教との再度の接触も,この時期に本格的に始まります。時代の変化の影響を受ける形で,多くの新宗教も誕生し,現代の日本宗教の重要な一部を占めるようになっています。この授業では,新旧の日本宗教を一国史の中で自閉的に語るのではなく,世界史的な比較の視点から展望していきます。
キリスト教をはじめとする一神教の伝統は,日本宗教とはかなり異なる性格を持っています。しかし,そうした一神教の歴史観や自然観をも視野に入れることによって,日本文化に根ざした歴史観や自然観を,より客観的に見ることができるようになります。この授業では,そうした比較宗教学視点を通じて,そもそも「宗教」とは何なのか,ということについても理解を深め,グローバル社会における日本宗教の語り方を考えていきます。
現代の日本社会は,あまり宗教的ではないと言われます。しかし,その一方で,霊魂やあの世(来世)の存在は当たり前のように受けとめられています。たとえば,日本の漫画やアニメには,しばしば日本の伝統的宗教観が反映されています。授業では漫画やアニメなども素材として利用していく予定です。
<到達目標>
<授業計画>
<成績評価基準>
平常点(出席) 30%
10分以上の遅刻は出席としませんのでご注意ください。交通遅延等,不可避の事情があった場合には証明書を出していただければ考慮いたします。
期末試験 70%
授業で扱った内容の内,基本的な項目を出題します。
<参考文献>
小原克博 『宗教のポリティクス-日本社会と一神教世界の邂逅-』晃洋書房、2010年。
授業後半は,本書の内容を中心に進められますので,本書を事前に購入し,授業と共に読み進めて行かれることをお勧めします。
末木文美士 『日本宗教史』 岩波書店、2006年(岩波新書)。
※参考文献は,クラスの中で随時指示します。
<参照URL>
<備考>
E-mail: kkohara@mail.doshisha.ac.jp