世界キリスト教情報 第1680信(2023.04.10)
◎米大統領、「AIの危険性まだ分からず」=ハイテク企業に安全確認責任ある
◎中国、カトリックの上海教区に一方的に司教任命=バチカンが非難
◎聖金曜日「主の受難の儀式」=教皇がバチカンで執行
◎イラン、公共の場に監視カメラ=スカーフ不着用の女性特定へ
◎米大統領、「AIの危険性まだ分からず」=ハイテク企業に安全確認責任ある
【CJC】ワシントン4日発ロイター通信は、バイデン米大統領が4日、AI(人工知能)が危険かどうかはまだ分からないとしながらも、ハイテク企業には製品を公開する前に安全性を確認する責任があると述べた。
バイデン氏はホワイトハウスで開かれた科学技術に関する大統領諮問委員会の会議の冒頭で、AIは疾病治療や気候変動対応などで役立つ可能性があるが、潜在的なリスクに対応することも重要と指摘。「ハイテク企業には、製品を公表する前に安全性を確認する責任がある」と述べた。AIは危険かとの質問には「まだ分からない。その可能性もある」と応じた。
また、精神衛生上を含め適切な保護措置がなければ強力なテクノロジーが害をもたらす可能性があり、そのことはソーシャルメディアによってすでに示されていると言及。その上で、ハイテク企業による個人情報収集の制限、子どもを対象とした広告禁止、製品開発における健全さと安全の優先を定めた超党派のプライバシー法制定を議会に改めて要請した。
またニューヨーク州の大陪審に起訴されたドナルド・トランプ前大統領が4日、ニューヨーク市内の裁判所に出頭し、不倫関係にあったとされる女性への口止め料の支払いを巡る虚偽記載疑惑に絡む34件の罪状を否認したが、バイデン大統領はコメントを控えた。
◎中国、カトリックの上海教区に一方的に司教任命=バチカンが非難
【CJC】バチカン市4日発ロイター通信によると、バチカン(ローマ教皇庁)は4月4日、中国が国内最大のカトリック教区である上海の司教を一方的に任命したと明らかにし、任命に関する暫定合意の明確な違反との見解を示した。合意は2018年、2度目の延長が行われていた。
バチカンは、江蘇省海門の司教を上海教区に配置替えしたとの中国の決定を「数日前に」通知され、4日の報道で正式な就任を知ったと説明した。
上海教区はウェブサイトで、就任式に200人余りが参列したと伝えた。
◎聖金曜日「主の受難の儀式」=教皇がバチカンで執行
【CJC】ウクライナ軍の大反攻、口火切るのはクリミア大橋破壊か。2023年2月下旬、ウクライナに対してロシア軍の総攻撃が再びあると予想するものが出された。バチカン・ニュース(日本語版)によって事態を展望する。
その総攻撃は、ロシア軍総参謀長が指揮を任されたこともあり、かなり大規模なものになるとの予想が多かった。
だが、3月末までの地上戦を見た限りでは、総攻撃にはほど遠く、バフムトなど東部の拠点を占拠しようとした、犠牲を顧みない歩兵主体の攻撃だった。
ロシア地上軍は兵員の損害が多く攻撃衝力がなくなり、限界を迎えつつある。そして、残存兵力は逐次防御に転移している模様だ。ロシア軍は攻撃できないレベルまで落ちてしまったのだ。
これからの防御も、ウクライナ軍の強大な反撃を受ければ、打ち破られ、その組織は瓦解すると予想されるようになった。
今後の戦闘の注目点は、ウクライナ軍がロシア軍の最大の弱点を増幅すること。つまり、重要拠点を破壊し混乱させること。その後、反撃をいつどのように行うかだ。
イエス・キリストの十字架上での受難と死を記念する4月7日夕、教皇フランシスコはバチカンの聖ペトロ(サンピエトロ)大聖堂で「主の受難の儀式」を行った。この儀式には、およそ4千人が参列した。
キリストの十字架上での受難と死を観想する「主の受難の儀式」は、ことばの典礼、十字架の崇敬、聖体拝領の3部からなる。
儀式の冒頭、教皇は祭壇の前で長い沈黙の祈りを捧げられた。
ことばの典礼の第一朗読「イザヤ書」(52、13~53、12)では、主の僕の苦難と死について、第二朗読「ヘブライ人への手紙」(4、14~16、5、7~9)では、多くの苦しみを受け、永遠の救いの源となった偉大な大祭司、神の子イエスについて、人々は耳を傾けた。
そして、福音朗読では、「ヨハネ福音書」(18、1~19、42)から「わたしたちの主イエス・キリストの受難」が3人の助祭によって朗唱の形で読まれた。イエスが息を引き取る場面で、人々はこうべを垂れひざまずいた。
教皇付説教師ラニエーレ・カンタラメッサ枢機卿による説教に続き、聖金曜日の共同祈願が唱えられた。
「十字架の崇敬」では、十字架を手にした助祭が信者たちの間を祭壇に向かって進みつつ、三度立ち止まり、止まるごとに十字架を掲げた。大聖堂に響く「世の救い主、キリストがつけられた木の十字架を見つめよ」との朗唱が人々を十字架の崇敬へと招いた。
最初に十字架を迎えた教皇が十字架上のイエスに接吻されると、その後、聖職者や、修道者、信者たちの代表が一人ひとり十字架を崇敬した。
最後に再び十字架を受け取った教皇は、それを高く掲げ会衆に示された。
後半、聖ペトロ大聖堂の主席司祭、マウロ・ガンベッティ枢機卿によって、聖体拝領式が行われた。
儀式終了後、会衆は沈黙のうちに解散した。
◎イラン、公共の場に監視カメラ=スカーフ不着用の女性特定へ
【CJC】イラン警察当局は4月8日、髪を覆うスカーフの着用義務に違反する女性の増加を抑えるため、公共の場や大通りに監視カメラを設置し、違反した女性を特定して罰すると発表した。
警察当局は8日、髪を覆うスカーフの着用義務に違反する女性の増加を抑えるため、公共の場や大通りに監視カメラを設置し、違反した女性を特定して罰すると発表した。ロイター通信が当局傘下のミザン通信などによって伝えた。
当局は、ヒジャブ(髪を隠すスカーフ)着用を求める法律への抵抗はイランの精神を汚し、不安を広げるとしている。企業経営者に対しては、「社会的規範の遵守の真剣な監視」を呼びかけた。
イランでは昨年9月、22歳の女性がヒジャブの着用が不適切として道徳警察に拘束され、死亡して以来、ヒジャブを着用しない女性が増えている。