世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1662信(2022.11.28)

  • バチカンが中国の司教任命に「遺憾の意」、暫定合意違反と苦言
  • 香港裁判所、政府への抗議活動の参加者支援の陳日君枢機卿など6人に有罪判決
  • 教皇の膝のけが、スペインのサッカーチーム医師が治療
  • アフガン=公共の場でむち打ち刑執行、タリバンが最高裁に進言
  • ウクライナ保安局がロシアの「破壊工作」の拠点阻止へキーウの修道院捜索
  • 米上院選決選投票で中絶反対派候補に「中絶強要」疑惑
  • 南スーダンに聖公会大学が開校
  • 《メディア展望》

 

◎バチカンが中国の司教任命に「遺憾の意」、暫定合意違反と苦言

 【CJC】ローマ教皇庁(バチカン)は11月26日、中国でバチカンの認めていない司教が任命されたことに、「驚きと遺憾の意」を表明した。バチカンと中国が2018年に締結した暫定合意違反と主張している。ローマ発AFP=時事通信が報じた。
 バチカンは声明で、中国江西省南昌市で11月24日、同省教区補佐司教の「任命式」が執り行われたと指摘、「対話の精神や、司教任命に関する暫定合意に反している」と苦言を呈した。
 また、司教任命の背景に地元当局の政治圧力があったとの見方を示し、「このようなことが繰り返されないよう望む」と指摘した。


◎香港裁判所、政府への抗議活動の参加者支援の陳日君枢機卿など6人に有罪判決

 【CJC】香港の裁判所は11月25日、3年前の政府に対する抗議活動参加者を支援してきたカトリック香港教区の元司教、陳日君枢機卿(90)を含む6人に対し、条例違反の罪で有罪判決を言い渡し、罰金の支払いを命じた。NHKが26日早朝、「NEWS
WEB」で報じた。
 この裁判は、陳枢機卿や人気歌手のデニス・ホー氏など6人が、3年前の政府に対する抗議活動に参加して逮捕されたりけがをしたりした人を支援するための基金を政府に届け出ずに運営したとして「社団条例」違反の罪に問われたもの。
 被告は全員、無罪を主張してきたが、裁判所は、基金には政治目的があり、届け出が必要だったとして6人に有罪判決を言い渡し、最高で4000香港ドル、日本円で7万円余りの罰金の支払いを命じた。
 陳枢機卿は、刑務所や拘置所を訪問して収監されている活動家たちを激励するなど、長年にわたり民主派を支持してきたことで知られ、ことし5月に逮捕された際には米政府などから中国や香港政府を非難する声が上がった。


◎教皇の膝のけが、スペインのサッカーチーム医師が治療

 【CJC】スペインのプロサッカーチーム「アトレティコ・マドリード」の主任医師が、ローマ教皇庁(バチカン)から招かれて、教皇フランシスコ(85)の膝のけがの治療に当たっていることを明らかにした。米メディア「CNN」(日本語)が報じた。
 整形外科・外傷専門医のホセ・マリア・ビヤロン氏はスペインのラジオ局「COPE」に対し、バチカンからの要請を受け、教皇の治療のために専門の医師団が渡航したことを確認。車いすに乗った教皇を診察し、動きを良くして関節炎の進行を遅らせることができるかどうか検討していると説明した。
 教皇は今年、アフリカのコンゴ民主共和国と南スーダン訪問を中止した。その前に医師からは、さらに20日の治療を受けて右膝を休めなければ、カナダ訪問も断念を強いられるかもしれないと告げられていた。
 教皇は7月にロイター通信の取材で自身のけがに初めて言及。靱帯(じんたい)に炎症がある状態で足を踏み外し、ひざに「小さなひび」が入ったと打ち明けていた。
 患者としての教皇は「非常に接しやすい」半面、手術を望まないという点では「とても頑固」だとビヤロン医師は形容する。「教皇に同意してもらえるよう、私たちは保存的療法を提案しなければならなかった」「初回の訪問は相談だけだったので、また戻りたいと思っている」とビヤロン医師は話している。


◎アフガン=公共の場でむち打ち刑執行、タリバンが最高裁に進言

 【CJC】アフガニスタンを統治するイスラム主義組織「タリバン」の最高裁は11月21日、北東部タハル州で11日に19人が公共の場でむち打ち刑に処されたと明らかにした。シャリア(イスラム法)の厳格な解釈を刑事司法に適用することを示す動きとみられる、とカブール発ロイター通信が報じている。
 最高裁の広報担当は「シャリアによる厳格な捜査と検討を経て、各自39回のむち打ちの刑が言い渡された」と説明。このうち9人が女性だったと述べた。この刑執行はタリバンによる組織化された体罰刑適用を示す大きな兆候だが、全土規模で実施されるかはまだ不明。
 裁判所の説明によると、タリバンの精神的指導者が11月に判事らと面会し、シャリアに合致した刑罰を行うべきと進言した。


◎ウクライナ保安局がロシアの「破壊工作」の拠点阻止へキーウの修道院捜索

 【CJC】米メディア「CNN」(日本語版)は、ウクライナ保安局(SBU)が11月24日までに、ロシアの特務機関による破壊工作が疑われる活動を封じ込める対策の一環として首都キーウにあるウクライナ正教会(モスクワ総主教派)の歴史的なキーウ・ペチェールシク修道院を捜索した、と伝えた。同修道院は11世紀に建立され、ユネスコの世界遺産に登録されている。
 ロシア大統領府はSBUの今回の捜索について、ロシア正教会に対するウクライナ側の敵意を示す新たな事例と非難した。
 ロシア正教会も「威嚇行為」と批判。同教会の報道担当者はSNS上で、ロシア、ウクライナやベラルーシで奉仕しているロシア正教会はこれまでも破壊を狙い神を冒涜(ぼうとく)する当局によって標的にされてきたと主張した。


◎米上院選決選投票で中絶反対派候補に「中絶強要」疑惑

 【CJC】AFP通信が11月23日、ロサンゼルス発として報じるところでは、米中間選挙で決選投票にもつれ込んだジョージア州の連邦上院選で、妊娠中絶反対派の共和党候補ハーシェル・ウォーカー氏に中絶を迫られたとする女性が名乗り出た。
 女性は22日、ロサンゼルスで開いた記者会見で「あなたはジョージア州の有権者にうそをつくことも含めて、上院議員になるためなら何でもするつもりなのか」「公衆の面前で私の目を見て、私のことを知らないと言える度胸があるのか?」と非難した。
 女性は1987年11月に既婚者だったウォーカー氏と交際を開始し、93年4月に妊娠に気付いたと主張している。自分一人で中絶手術を受けに行く途中でためらって引き返したが、ウォーカー氏に車で中絶クリニックへ連れ戻されたという。
 ウォーカー氏をめぐっては先月にも別の女性が名乗り出て、2009年に中絶手術を受け、費用をウォーカー氏が負担したと主張した。ウォーカー氏はどちらの疑惑も否定している。


◎南スーダンに聖公会大学が開校

 【CJC】英専門紙「チャーチ・タイムズ」によると、南スーダン聖公会の全主教が出席して11月13日、ジュバで「南スーダン聖公会大学」が開校した。同大学は、南スーダン高等教育担当相から、法学士と神学士の資格を授与する認可を受けている。
 同大学長を務めるジャスティン・バディ大主教が感謝と祝福を行い、大学の発足を祝った。副学長にはメソジスト派の牧師で新約聖書学者のピーター・エンザー氏が任命された。
 バディ大主教は、同性婚を認めている地域聖公会に批判的な「南半球聖公会フェローシップ」(英国教会グローバル・サウス・フェローシップ)(GSFA)議長でもある。
 【注】キリスト教徒を中心に数十の民族が暮らす多民族国家の南スーダンは、2011年に193番目の国連加盟国となった。今回の「聖公会大学」開校が、多民族国家に与える影響にはなお注視が必要。(CJC)


《メディア展望》
 
 =カトリック新聞(11月27日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
▼アフリカ大陸の司教団=土地問題の正義実現を気候変動会議に訴える
▼フランスの枢機卿=35年前の少女虐待認める
▼教皇、バーレーン訪問機中記者会見で訴える=女性に平等の権利と機会を
▼YouTubeで分かち合いの力を伝える=自分の言葉で語る祈りも(カトリック一信徒の『御言葉の分かち合い』チャンネル=開設者・多田めぐみ)
▼アルペなんみんセンター=神奈川県弁護士会人権賞を受賞
 
 =KiriShin(11月21日)=https://www.kirishin.com
▼学校特集・後編=東京神学大学×東京基督教大学=互いの聖書理解に"誤解"?=学生ら今後に期待=真剣な取り組みは共通
▼聖路加国際病院チャプレン「性暴力」訴訟=原告・被告らが本人・証人尋問
▼ウクライナの首座大司教と教皇がバチカンで会談
▼仏カトリック教会=司教の性加害疑惑を公表
▼英国国教会オックスフォード主教=同性婚禁止に終止符打つよう要請
 
 =クリスチャン新聞(11月20日)=https://クリスチャン新聞.com
▼ラブ・ソナタ宮崎=対面・オンラインで千人超参加=「神の愛と恵み」響き合う
▼避難所情報一目で分かる「災救マップ」=「災害時こそキリスト者に期待」=「関キ災第7回懇談会」で稲場圭信氏講演
▼WVJ「クリスマス募金箱」希望者に=恵泉女学園中学1年生生徒ら発送作業
▼「光と祈りの建築」を回顧=田淵諭・多摩美教授=退職記念展開催

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