世界キリスト教情報 第1659信(2022.11.07)
- 英国国教会のオックスフォード主教、同性婚禁止に終止符を打つよう求める
- 燃やされるのはトラス前首相とレタス=英ガイ・フォークス・ナイト
- 教皇、バーレーン訪問を終了、ローマに戻る
- WCC総幹事代行、モスクワでキリル総主教と会見
- バンコクで2年越し「アジア2022」=全アジア規模で宣教考える
- 《メディア展望》
◎英国国教会のオックスフォード主教、同性婚禁止に終止符を打つよう求める
【CJC】英国国教会は同性カップルの結婚禁止を解除すべきだと、オックスフォードのスティーブン・クロフト主教が述べた。英専門紙『チャーチ・タイムズ』11月7日付けが報じた。
性的マイノリティ(性的少数者)に反対することは、「英国国教会と、私たちが奉仕しようとしている文化や社会との間に根本的なずれを生じさせている」という。
主教協議会は、来年2月の全体会議で、同性婚の問題がどのように決定されるべきかを議論する。
クロフト主教は、50ページの小冊子「愛と信仰において共に」を各主教団に送った。この冊子で同主教は、教会が「より良い決定と実践に到達する」のがあまりにも遅かったこと、そして主教自身の見解が「変わるのが遅く、私の行動や行動の欠如が、不一致、苦痛を引き起こした」ことを謝罪している。
クロフト主教は、現職の教区主教の中でただ一人、英国国教会が同性カップルと結婚することを認め、自身も同性パートナーと結婚できるようにすべきだという考えを表明している。現在はどちらも認められていない。しかし聖職者は独身を貫くという暗黙の了解のもとで同性パートナーとなることができる。
◎燃やされるのはトラス前首相とレタス=英ガイ・フォークス・ナイト
【CJC】AFP=時事通信によると、国王爆殺計画が未然に防がれた歴史的事件を記念する英国の祭り「ガイ・フォークス・ナイト」は著名人を模した人形を燃やすことで知られるが、今年は史上最短の在任期間49日で辞任したリズ・トラス前首相の人形が火にくべられることになった。
英南東部ケント州のイーデンブリッジで11月2日、高さ10メートルのトラス氏の人形がお披露目された。英大衆紙上でトラス氏の政治生命と賞味期限を競って勝利したレタスを肩の上に乗せ、足元には首相官邸に暮らす猫のラリーがまとわりつく姿。アーティストのアンドレア・ディーンズ氏が制作した。
「ボンファイア・ナイト(たき火の夜)」とも呼ばれるこの祭りは、1605年11月5日に、ガイ・フォークスらカトリック教徒がプロテスタントの国王ジェームズ1世と英国会議事堂を、たる36個分の火薬で吹き飛ばそうとした計画が阻止されたことを記念する行事。11月5日か直近の週末に、かがり火をたき、花火を打ち上げ、人形を燃やすのが恒例となっている。
◎教皇、バーレーン訪問を終了、ローマに戻る
【CJC】バチカン・ニュースによると、教皇フランシスコは、11月6日、バーレーン訪問を終え、特別機でローマに戻った。
教皇は、3日から4日間、ローマ教皇として初めてバーレーン王国を訪れていた。
訪問最終日の6日、首都マナーマでカトリック教会関係者との出会いを持った教皇は、続いて、アワリのサヒール空軍基地のホールで、ハマド・ビン・イーサ・アール・ハリーファ国王らと共に、送別式に臨んだ。
そして、現地時間13時16分、特別機でバーレーンを後にされた教皇は、イタリア時間同日16時40分頃、ローマのフィウミチーノ国際空港に到着。こうして39回目の海外司牧訪問(イタリアを除く)を終えた。
◎WCC総幹事代行、モスクワでキリル総主教と会見
【CJC】ロシア正教のキリル総主教は10月17日、モスクワの総主教公邸で世界教会協議会(WCC)のイオアン・サウカ総幹事代行(ルーマニア正教会・長司祭)と会見した。宗教専門紙『中外日報』10月28日付け報道を紹介する。
ロシア正教会の公式サイトによれば、この日の会見でキリル総主教は現在の「危機」 は (ウクライナのマイダン革命があった)
2014年にさかのぼる問題、と従来の主張を繰り返し「ドンバス地方その他の紛争地域」に特に注意が必要だと強調した。また、同教会が行っている難民の人道支援の認識を求めた。
一方、中央委員会の指示で訪露したサウカ氏はロシア正教会代表団も参加したWCCの「戦争と暴力を非難する声明」に留意を促し、「流血と核の危険を止めるため、私たちが一緒にできることを確認するために来た」と述べた。(「聖戦」をにおわせる言動を踏まえ)戦争に関する総主教の神学的理解の説明も求めた。
公式サイトによれば、キリル総主教は今の困難な状況が政治的文脈から生じており、教会はその火に油を注ぐべきではない、火を消すためできる限りのことをすべきだ、と回答。WCCの「積極的だが中立」の役割へ期待を表明したという。
◎バンコクで2年越し「アジア2022」=全アジア規模で宣教考える
【CJC】アジア福音同盟(AEA)、アジア・ローザンヌ委員会(ALC)、アジア神学協議会(ATA)が共催した宣教会議「アジア2022」が10月17~21日、タイ・バンコクで開催された。10月30日付け、11月6日付けで『クリスチャン新聞』が報じた。
開会式では、タイ福音同盟のマノク・ジャナムーク理事長、世界ローザンヌ運動のマイケル・オー総裁、世界福音同盟のエフライム・テンデロ前総主事(現国際大使)、アジア神学協議会のテレサ・ロコ・ルア氏、アジア2022代表のデイビッド・ロー氏があいさつした。
当初2020年の予定だったが2年越しになった。参加者は32国から現地530人、オンライン500人に上った。
◎バチカンが美術館所蔵のミイラをペルーに返還
【CJC】バチカン美術館の民俗学コレクションにあった人間の遺体を返還するプロジェクトの最終段階として、バチカンとペルー政府は10月17日、1925年にバチカンに寄贈されていたミイラ3体のペルーへの返還に合意する文書に調印した。バチカン発CNS通信報道としてカトリック新聞11月6日付けが紹介した。
ミイラ3体は数世紀前のものとみられるが、正確な年代はペルーで本格的に調査してみないと分からないという。3体が発見されたのは、ペルー・アンデス山脈のウカヤリ川流域で、標高3000メートル以上の場所だった。ミイラはインカ人のものと考えられている。
バチカン美術館は2010年に、人間の遺体は美術品でも収集品でもないとする確信に基づき、所蔵していた人間の遺体を元の国に返還するプロジェクトを立ち上げた。
《メディア展望》
=カトリック新聞(11月6日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
▼バチカン、さらに2年=中国との「暫定合意」延長
▼新潟教区=オンラインで信徒大会=コロナ禍超え 地域と世代つなぐ
▼ガーナの宗教指導者ら=違法採掘の禁止を願う=環境破壊で健康被害も
▼バチカン美術館所蔵=ミイラをペルーに返還
=KiriShin(11月1日)=https://www.kirishin.com
▼日本実践神学会=対面で初の学会=現場の必要に応える神学を=関田寛雄、坂野慧吉、加藤常昭の3氏そろい踏み
▼文化功労者に加藤一二三九段、聖書学者の席な清三氏も
▼ムスリムも日本の漫画、アニメは見てもよい?(小村明子)
▼「ゼロカルト」政策と中国のキリスト教会(佐藤千歳)
▼WCRP日本委、新理事長に全日仏前理事長の戸松義晴氏
=クリスチャン新聞(11月6日)=https://クリスチャン新聞.com
▼急成長の一方、未伝領域も=「アジア2022」多様なリーダーらが課題と実践を報告
▼世界を変える神の祝福語る=「心開いて神の愛受けよう」=JMCゴスペルフェスタ
▼内藤容子11年ぶりCD「時のしるし」リリース=「終わりの日の希望伝えたい」=来年3月末まで全国でライブツアー
▼シンガポールが「社会分断の恐れ」 宗教・LGBTQ映画の禁止
▼《訃報》大木 英夫氏 逝去