世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1628信(2022.04.04)

◎教皇、マルタ共和国へ司牧訪問2日間
◎教皇、タラップ使わずリフトで特別機搭乗
◎教皇、コンゴ民主共和国と南スーダン訪問訪問へ
◎教皇「カナダの先住民を傷つけた教会関係者のために悲しみ」
◎ロシア軍、ウクライナ首都近郊の教会を攻撃の足場に=米政府高官
◎停戦交渉進展との見方にロシア側は慎重姿勢
◎ロシアの体制転換呼び掛けてはいない、とバイデン米大統領
◎ウクライナ侵攻終わるまで休刊=ノーベル平和賞受賞者編集長のロシア紙
◎プーチン大統領の愛人か、スイスに滞在中の報道


 

◎教皇、マルタ共和国へ司牧訪問2日間

 【CJC】教皇フランシスコは4月2日、第36回海外司牧訪問(イタリアは除く)として2日間の日程でマルタ共和国を訪れた。
 バチカン・ニュースによると、教皇は2日午前8時半過ぎ、ローマのフィウミチーノ(レオナルド・ダ・ヴィンチ)空港から特別機で出発し、約1時間半後、午前10時前にマルタ国際空港に到着した。
 機中で教皇は、随行の報道関係者たちに挨拶した。
 教皇は、マルタへのこの訪問は短いながらも素晴らしいものになるだろう、と語り、行程を共にするジャーナリストたちに感謝を述べられた。また、教皇は機内で、スペインのラジオ局特派員から、遭難の場面を描いたある難民の作品と手紙を受け取られた。
 ウクライナのキーウ(キエフ)への招待をめぐる報道関係者の問いかけには、これについては検討の対象である、と話した。
 教皇は、空港でジョージ・ヴェッラ大統領や現地の司教らの出迎えを受け、子どもたちから花束を受け取られた。
 空港での歓迎式の後、教皇は首都バレッタの大統領官邸に向かった。
 教皇は翌3日午前、ラバトの「聖パウロの洞窟」を巡礼し、首都バレッタ近郊のフロリアーナで、およそ2万人の信者たちと共にミサを捧げ、その終わりに「お告げの祈り」を唱えた。
 教皇は「お告げの祈り」の言葉で、マルタの政府、教会関係者、そしてすべての国民に、同国で受けた温かい歓迎と愛情に感謝を示され、「マルタの皆さんの明るく輝く多くの顔を忘れることはないでしょう」と話した。
 また、教皇はマルタで出会ったキリスト教諸教会、諸宗教関係者にもお礼を述べ、互いに祈り合いましょう、と呼びかけた。
 「マルタには、神の民が息づいている」と述べた教皇は、信仰は喜びの中に育ち、恵みのうちに強められることを忘れずに前進して欲しい、と願った。
 そして、15年前に列聖されたジョルジョ・プレカ神父をはじめとする多くの聖性に倣い、神と人々に熱心に献身するよう励ました。
 最後に、教皇は若者たちに、人生で最も大切なもの、愛をもって人生を捧げるべきものとは何か、それはイエスである、と指摘。いつくしみの神、皆と共にいて、決して失望させることのない方、イエスを深く愛して欲しい、と希望した。
 教皇は、いまだ爆撃の下にあり、人道危機の悲劇に苦しむウクライナを思いながら、平和のために祈ろう、と招いた。「この戦争は冒涜である」と再び述べた教皇は、苦しむ人々のためにたゆまず祈り、これらの人々を助けよう、とアピールした。
 フロリアーナでミサを捧げた教皇は、同日午後、ハル・ファで移民たちと会談した。
 3日夕、2日間の行事を終えた教皇はマルタ訪問を終了、マルタ国際空港での送別式を経て、午後7時15分頃、特別機で同国を後にし、午後8時30分頃、ローマに到着した。


◎教皇、タラップ使わずリフトで特別機搭乗

 【CJC】教皇フランシスコは、2日間の旅程でマルタを訪れるためにローマのレオナルド・ダビンチ(フィウミチーノ)国際空港から特別機で出発する際、普段のようにタラップを使わず、機体のドアまで乗客を垂直に運ぶリフトを利用して搭乗した。AFP通信が報じた。
 教皇は先月、急な膝の痛みのために伊フィレンツェ訪問を中止していた。
 教皇は背中や腰、脚に痛みを引き起こす慢性的な座骨神経痛を患っており、時折、公務を中止している。
 今年1月にも、膝の痛みのために信者へのあいさつを取りやめたが、一時的な痛みだとして、「年寄り特有のものだと聞いているのに、どうして私に起こるのか分からない」とジョークを飛ばしていた。昨年には結腸の手術を受けた。


◎教皇、コンゴ民主共和国と南スーダン訪問訪問へ

 【CJC】教皇フランシスコは、7月上旬、コンゴ民主共和国と南スーダンを訪問する。
 教皇は、7月2日から5日までコンゴ民主共和国(キンサシャ、ゴマ)を、7月5日から7日まで南スーダン(ジュバ)を司牧訪問する。
詳細な行程は、後日発表される。
 バチカン・ニュースによると、このうち、7月2日から5日まで行われるコンゴ民主共和国への訪問のモットーとロゴが発表された。
 コンゴ民主共和国訪問のモットーは、「イエス・キリストにおける皆の和解」。ロゴは、同国の地図、十字架、教皇フランシスコをベースに構成されている。
 地図の輪郭には、コンゴ民主共和国国旗の色が用いられている。黄色は動植物や地上・地下における豊かな恵みを、赤は殉教者の血、青は平和への願いを象徴している。
 地図は、教皇訪問という大きなイベントとその実りを迎えるために、西側に向けて開かれ、その中には、同国の生物多様性を代表する、ニーラゴンゴ火山を含む山々、コンゴ川をはじめとする豊かな水、同国を特徴づける森林、同国のみに天然生息するオカピが描かれている。
 左側の十字架の青い色は、人々の力である贖い主キリストへと祈りを導く聖母マリアへの国民の信心を表している。十字架の下の3人は、老若男女、すべての人を一つにする神の賜物としての兄弟愛のシンボルである。また、その燃えるような色彩は、教皇を迎え、ペトロの後継者と一致する喜びを伝えるものでもある。
 十字架の右下のヤシの葉は、殉教を思い起こさせると共に、勝利、再生、永遠、教皇の訪問がもたらす希望のメッセージをも表現している。そして、十字架と地図の間に立つ教皇は、コンゴ民主共和国にその祝福を通して大きな喜びを与えている。


◎教皇「カナダの先住民を傷つけた教会関係者のために悲しみ」

 【CJC】教皇フランシスコは、カナダ先住民使節団のバチカン訪問最終日となった4月1日、同使節との出会いで、先住民たちを傷つけたカトリック関係者のために悲しみと恥の念を表した。バチカン・ニュースが報じた。
 カナダのかつての先住民同化政策下におけるカトリック教会運営の寄宿学校での悲劇に対する真相の究明と、正義の追求、いやしと和解の歩みを求め、イヌイット、メティス、ファーストネーションの3グループからなる先住民使節団が、バチカンを訪れていた。教皇はそれぞれのグループと会見し、人々の苦しみの体験に耳を傾けた。
 4月1日、教皇は使節のすべてのメンバーに挨拶をおくり、その中で、植民地主義的イデオロギーによって、カナダの先住民の多くの人が、独自の文化や伝統、土地や環境との結びつきを断たれ、家族と引き離されるという悲劇を体験させられたことに、ご自身の深い悲しみと恥の念を表明、カナダの司教らと謝罪のうちに一致したい、と話した。
 教皇は、搾取や尊重の欠如によって先住民たちを傷つけたカトリック関係者、特に教育責任者たちのために、悲しみと恥を感じる、と話し、これらの行為のすべてはイエスの福音に反するもの、と強調した。
 今回の出会いが、共に進むべきさらなる道を開くことを願いつつ、教皇は、兄弟愛の精神のもと透明性ある真相追求といやしと和解の推進に取り組むよう、司教はじめカトリック関係者たちを励ました。
 教皇は、カナダの先住民の土地を訪れ、直接ご自身の寄り添いを伝えることができれば幸い、とカナダ訪問の意志を表明した。


◎ロシア軍、ウクライナ首都近郊の教会を攻撃の足場に=米政府高官

 【CJC】米政府高官は4月1日、ロシア軍がウクライナの首都キーウ(キエフ)北西にある教会を占拠し、攻撃における足場にしていると明らかにした。ワシントン発ロイター通信が報じた。
 当局者は「軍事要員が教会の敷地内や周辺地域に配備されている」としている。


◎停戦交渉進展との見方にロシア側は慎重姿勢

 【CJC】ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は3月30日、トルコのイスタンブールで行われたロシアとウクライナによる停戦交渉について、事態の進展に向けた突破口が開かれるとの見方に慎重な態度を示した。AFP通信が報じた。
 ペスコフ報道官は報道陣に、「われわれは十分に期待できるものや何らかの突破口があるとは明言できない」と指摘した上で、「やらなければならない仕事は多くある」と述べた。
 報道官は一方で、ウクライナ側が要求事項を書面で示し始めた点をロシア政府は「前向き」に捉えていると表明している。


◎ロシアの体制転換呼び掛けてはいない、とバイデン米大統領

 【CJC】ポーランドから帰国したジョー・バイデン米大統領は、3月27日夜、ワシントンの教会で夜のミサに参列。教会を出たところで記者団に、ロシアの体制転換を呼び掛けていたのか、と質問され、「ノー」とだけ短く答えた。
 バイデン大統領は前日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「権力の座にとどまってはいけない」と演説で発言していた。英BBCなどが報じた。
 バイデン大統領は26日、ポーランドのワルシャワで演説した際、演説原稿にはない「本当にまったく、この男が権力の座にとどまってはいけない」とプーチン大統領について述べて演説を締めくくった。ホワイトハウス当局者はその後、バイデン氏は政権交代や体制転換を要求したのではなく、プーチン氏がこの地域の近隣諸国に対して実力行使することは許されないと強調したのだと説明した。
 ロシア政府のドミトリー・ペスコフ報道官は、「それはバイデンが決めることではない。ロシアの大統領はロシア人が選出するものだ」と反発した。
 バイデン氏の発言については、同盟国フランスのエマニュエル・マクロン大統領などが、不用意な言葉による対立のエスカレーションが和平実現への仲介努力の妨げになる、と懸念を示していた。


◎ウクライナ侵攻終わるまで休刊=ノーベル平和賞受賞者編集長のロシア紙

 【CJC】ロシアの独立系紙「ノーバヤ・ガゼータ」は3月28日、ロシアのウクライナ侵攻が終わるまでの間、紙面の発刊と電子版での記事掲載を一時休止すると発表した。時事通信が報じた。ロシアのインタファクス通信によると、広報担当者は「通信監督当局から2度にわたり警告を受けたため」と説明している。
 「ノーバヤ・ガゼータ」は2021年のノーベル平和賞受賞者ドミトリー・ムラトフ氏が編集長を務め、侵攻を批判的に報道しており、当局から記事削除を要求され、郵便局が配達を拒否する動きも広がっていた。


◎プーチン大統領の愛人か、スイスに滞在中の報道

 【CJC】ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の愛人と目されるアリーナ・カバエワ氏がスイスで生活しているとの報道が世間を賑わしている。スイス公共放送国際部(SWI)が報じた。
 連邦司法・警察省はドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)のニュース番組「ターゲスシャウ」からの問い合わせに対し、「該当する人物がスイス国内にいることを示す兆候はない」と述べた。新体操の元五輪代表でプーチン大統領の愛人と目されるアリーナ・カバエワ氏がスイス国内に滞在しているとの報道を受けての回答だ。
 カバエワ氏は2015年、イタリア語圏のティチーノ州ルガーノ市で女児を出産したと報じられ、スイス国内外のメディアから注目を集めた。当時、女児の父親はプーチン大統領であるとの見方が強かったが、ロシアの報道官はこれを否定していた。
 刑法の専門家であるマーク・ピエス氏は、ターゲスシャウ番組内で「スイス当局がこの問題を調査するのは正しいと思う」とコメントし、「これは彼らの個人的な問題ではない。プーチンの愛人が滞在しているかどうかは、スイスにも関係してくることだと思う」と述べた。
 ウクライナでの戦争を受け、連邦政府は16日、ロシアの個人や企業・団体に対する制裁対象を拡大、ロシアとベラルーシのオリガルヒ(新興財閥)や著名な実業家を含む個人197人と9企業・団体をリストに追加した。19日付のドイツ語圏日刊紙「ターゲス・アンツァイガー」によると、新たに制裁対象となったロシア人のうち4人はスイスに住んでいる。スイスで11番目の富豪とされる実業家アンドレイ・メルニチェンコ氏も制裁対象の1人だ。
 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は19日、スイス・ベルンの反戦デモ集会でオンライン演説を行い、ウクライナ戦争の資金源となっているロシアのオリガルヒにより厳しく対応するように求めた。

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