世界キリスト教情報 第1608信(2021.11.15)
- フランス司教協、司祭の性的虐待報告受け教会統治の刷新図る
- フランス、数十年ぶり原発新設を再開へ
- 米軍、民間人の犠牲隠蔽か=2019年シリア作戦
- 黒人初の米国務長官パウエル氏葬儀、「ワシントン大聖堂」で
- 古代の「二日酔い対策」指輪か、イスラエルで発見=米メディア「CNN」
- 《メディア展望》
◎フランス司教協、司祭の性的虐待報告受け教会統治の刷新図る
【CJC】フランスのカトリック司教協議会は11月8日、聖職者の性的虐待に関する詳細な報告書を受けて、教会の統治の刷新を約束し、秋季総会を終了した。現地メディアなどによって紹介する。
フランス全土から南西部ルルドに120人の司教が集まり開催された司教協議会年次総会で、教会が虐待が「組織的」になるのを許した罪も認めた、とエリック・ド・ムーラン・ボーフォール司教協議会会長が述べた。
同会長は、総会を締めくくるスピーチで、司教団は「教区レベルと全国レベルでの統治方法の大幅な刷新」を採択したと述べた。
会長スピーチは、教会での性的虐待に関する独立委員会が10月に発表した、1950年以降の虐待の程度を詳細に説明した報告書を受けてのもの。フランスでは、少なくとも21万6000人が神父や修道士による性的虐待を受けている。
会長は、この調査結果に恥ずかしさと恐ろしさを表明し、教皇フランシスコも大きな悲しみを感じている、と述べた。
会長は、司教団が「組織的責任」を公に認め、「認識と賠償の道を歩み、被害者への調停と補償の可能性を開いた」と指摘した。
フランスの教会は、「被害者の一人一人、魂の奥底で密かに泣いている、大人になる最後の日まで泣き続けるであろう幼い男の子、女の子、ティーンエイジャーの一人一人のことを考えながら」今回の一歩を踏み出したと付け加えた。
会長は、教会は自己満足や顕示欲に飲み込まれてはならないと述べ、むしろ、女性を含む多くの視点を歓迎し、信徒と協議して提案に耳を傾ける方法を模索する必要がある、と述べた。
◎フランス、数十年ぶり原発新設を再開へ
【CJC】フランスのエマニュエル・マクロン大統領は11月9日、エネルギーや環境の分野で増大する課題に対処するため、原子力発電所の新設を再開すると発表した。AFP通信報道を紹介する。
マクロン大統領は国民向け演説で、「エネルギー自給を保証し、わが国の目標、特に2050年までにカーボンニュートラル(炭素排出量の実質ゼロ化)を達成するために、わが国は数十年ぶりに国内での原子炉建設を再開する」と明言した。
◎米軍、民間人の犠牲隠蔽か=2019年シリア作戦
【CJC】11月14日付けの米紙ニューヨーク・タイムズは、米軍がシリアでの過激派組織「イスラム国」掃討作戦末期の2019年3月に実施した空爆で、女性や子供を含む80人を殺害したと報じた。ワシントン発共同通信によって紹介する。
「イスラム国」との戦いで最悪の民間人犠牲の一つとなり、米軍の法務担当者は戦争犯罪の可能性があるとして調査の必要性を訴えたが、情報は最近まで隠蔽され、軍最上層部にも報告されなかった。
空爆があったのは、「イスラム国」最後の拠点だったシリア東部バグズ。米軍の無人機が「イスラム国」戦闘員を探していたところ、何の警告もなく米軍のF15戦闘機が川沿いに身を寄せ合っていた女性や子供の群衆に空爆したという。
◎黒人初の米国務長官パウエル氏葬儀、「ワシントン大聖堂」で
【CJC】2001年に黒人で初めて米国務長官に就任、10月18日に84歳で死去したコリン・パウエル氏の葬儀が11月5日、
首都ワシントンの「ワシントン大聖堂」で行われた。共和、民主両党の歴代大統領や政権幹部が参列し、党派を超えた人望の厚さを印象付けた。ワシントン発共同通信によって紹介する。
パウエル氏は共和党のブッシュ(子)政権で国務長官を務めた。葬儀にはブッシュ元大統領夫妻のほか、民主党のバイデン大統領夫妻、オバマ元大統領夫妻、ブリンケン国務長官、クリントン元国務長官らが出席した。
オルブライト氏(民主党)は、政策では意見対立があったとしながらも「寛大で慎み深かった」と人柄をたたえた。
◎古代の「二日酔い対策」指輪か、イスラエルで発見=米メディア「CNN」
【CJC】米メディア「CNN」が伝えるところでは、生卵とブラッディー・メアリー(トマトジュースを使ったカクテル)は二日酔いを治す現代の対策と言えるかもしれないが、考古学者がイスラエルで発見した過去の解決策は全く異なるものだった。金と紫水晶からできた指輪だ。
イスラエル考古学庁(IAA)によると、イスラエル中部ヤブネで、ビザンツ(東ローマ)帝国時代の最大級のワイン醸造所として知られる跡地から古い宝石が見つかった。考古学者のアミル・ゴラニ氏はIAAの報道向け資料で、紫水晶は飲み過ぎたときの悪影響を防ぐために身に付けられていたかもしれないと語る。
ゴラニ氏によると、紫水晶は他にも多くの効能があると信じられていて、聖書にも記述される宗教的なつながりもある。同氏は、5・11グラムの重さがあるこの指輪は「裕福な」人物のものだったと推測し、「この宝石は地位と富を示す物だった」「このような指輪は男性、女性、どちらも身に付けることができた」と語る。
《メディア展望》
=カトリック新聞(11月14日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
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=KiriShin(11月11日)=https://www.kirishin.com
コロナ禍で伝道者養成=日本宣教の明日をどう描く?=神学校座談会(前編)=大阪聖書学院×関西聖書学院×お茶の水聖書学院
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元記者・植村隆氏の闘い追った『標的』=カトリック正平協が推薦映画に
=クリスチャン新聞(11月14日)=https://クリスチャン新聞.com
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