世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1568信(2021.02.08)

  • 韓国で教会関係の集団感染続く中、丁国務総理が指導者たちに防疫協力要請
  • 韓国の新規コロナ感染者が3日連続で300人台
  • 教皇、シノドス事務局上級職に女性を初任命
  • 洗礼後に乳児死亡、肺に水でルーマニア正教会に批判
  • 大聖堂建設が文化財破壊招く、とキプロス正教会への抗議激化
  • ≪メディア展望≫

 

◎韓国で教会関係の集団感染続く中、丁国務総理が指導者たちに防疫協力要請
 【CJC】韓国で、宗教施設を中心に新型コロナウイルス感染症の集団感染が続いている中、丁世均(チョン・セギュン)国務総理は2月2日、政府ソウル庁舎で、韓国教会総連合や韓国キリスト教教会協議会の指導者たちと会談し、防疫協力を訴えた。情報サイト『ワウコリア』が報じている。
 今回の会談は、これまでのプロテスタント教会の防疫努力や苦情を聞き、今後のコロナ安定化に向けた実践案について論議するために設けられたという。
 丁国務総理は「大多数の教会が率先垂範しているのに対し、一部の教会や宣教団体、小規模団体を通じた集団感染が引き続き発生しており、懸念される」とし、防疫協力を訴えた。指導者たちは、教会と関連した施設で相次いで集団感染が発生したことについて謝罪、「安全な礼拝運動」を展開するなど、政府の防疫政策に協力、コロナ終息に向け、あらゆる努力を傾けることを明らかにした。


◎韓国の新規コロナ感染者が3日連続で300人台
 【CJC】ソウル発聯合ニュースによると、韓国の中央防疫対策本部は2月2日、この日午前0時現在の国内の新型コロナウイルス感染者数は前日午前0時の時点から336人増え、累計7万8844人になったと発表した。1日当たりの新規感染者数は3日連続で300人台となった。市中感染が295人、海外からの入国者の感染は41人だった。
 総合病院や療養施設、教会など感染リスクの高い施設のほか、簡易住宅施設、職場、知人との集まりなど日常的な空間でクラスター(感染者集団)の発生が増えており、感染者の規模は再び拡大する恐れがある、と聯合ニュース。
 政府は旧正月連休(今年は2月11~14日)期間の市中感染を防ぐため、首都圏(ソウル市、京畿道、仁川市)で上から2番目の第2・5段階、首都圏以外の地域で第2段階としている防疫対策「社会的距離の確保」のレベルを14日まで2週間延長することを決めた。5人以上の私的な集まりも引き続き禁止する。
 新たに確認された市中感染者295人を地域別にみると、ソウル市が121人、京畿道が70人、仁川市が8人と、首都圏が199人を占めた。
 首都圏以外の地域では光州市が23人、忠清北道が18人、釜山市、大邱市、慶尚北道がそれぞれ10人、慶尚南道が9人、江原道が7人、忠清南道が5人、全羅北道、全羅南道がそれぞれ2人だった。
 プロテスタント系宣教団体「IM宣教会」に関連してこれまでに計384人の感染が確認されたほか、ソウル市の漢陽大病院で計47人、同市内のコシテル(簡易住宅施設)で10人の感染が判明した。
 一方、海外からの入国者で新たに感染が確認されたのは41人で、前日から21人増えた。40人台を記録したのは先月27日(43人)以来6日ぶり。
 1日の検査件数は4万9571件で、日曜日だった前日に比べ2万8547件多かった。


◎教皇、シノドス事務局上級職に女性を初任命
 【CJC】教皇フランシスコは2月6日、カトリック教会の慣習を破り、シノドス(世界代表司教会議)事務局次長を2人任命したが、その1人に初めて女性ナタリー・ベキャール氏(52=フランス人)を任命した。
 シノドス事務局長のマリオ・グレック枢機卿は、今回の任命について、「教会内の判断と意思決定の過程で、より多くの女性を参加させたい」という教皇の意向を表していると語った。事務局次長は投票権を持つとされている。
 ベキャール氏は、フランスを拠点とするザビエール姉妹会所属、フランスの著名なビジネススクール、HEC(パリ経営大学院)で経営学の修士号を取得、米ボストンで学んだ経験を持つ。2019年からシノドス顧問を務めていた。
 シノドスは投票権を持つ司教と枢機卿が主導し、投票権を持たない専門家らも参加する。次回開催は2022年秋の予定。


◎洗礼後に乳児死亡、肺に水でルーマニア正教会に批判
 【CJC】AFPによると、ルーマニアで洗礼後に生後6週間の乳児が死亡した出来事を受け、ルーマニア正教会に儀式の変更を求める動きが強まっている。儀式には、乳児を聖水に3回浸す行為が含まれている。
 乳児は2月1日、心臓が停止し病院に緊急搬送されたが、数時間後に死亡した。検視解剖で、肺に水が入っていたことが分かった。検察は過失致死の疑いで北東部スチャーバ在住の司祭を捜査している。
 インターネットで、洗礼式の変更を求める署名運動が行われ、4日夜までに5万6000人分の署名が集まった。
 正教会の広報担当者は、赤ちゃんを水に浸すのではなく、額に少量の水を掛ける方法が可能だと話している。一方、正教会伝統主義の一派を率いるある大主教は、儀式を変更するつもりはないと述べた、という。


◎大聖堂建設が文化財破壊招く、とキプロス正教会への抗議激化
 【CJC】キプロス首都ニコシアの旧市街で進む大聖堂の建設計画に伴い、隣接する指定建造物が取り壊されたことで、キプロス正教会への抗議が激化している。ニコシア発AFP=時事が報じた。
 キプロス内務省は2月2日、前日の「指定建造物の恣意的で違法な取り壊しに、大いに困惑し、憂慮している」と述べ、また壊された建造物4棟は教会が所有する土地に立っていたが、取り壊しは文化遺産保護に関する法律に違反するとした。
 ニコシアのコンスタンディノス・ユロカジス市長は2日、キプロス放送ラジオを通じ、取り壊しは違法であり市の許可なく行われたと述べた。
 記録によると、取り壊されたのは1927年に建てられた建造物。旧市街にはその他にも、ベネチア共和国時代を象徴する壁や、数世紀も前の建物が並ぶ。内務省は、国の文化的遺産を「次世代に」残す目的で7000棟の建物を指定建造物に定めている。
 キプロス正教会は、政治的影響力が大きい。しかし、今回の取り壊しをめぐっては、最高指導者クリゾストモス2世大主教への抗議が激化している。


《メディア展望》
 =カトリック新聞(2月7日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
★教皇フランシスコ=ホロコーストの記憶は過ち繰り返さないため
★バチカン高官ら=ローマで路上生活男性の葬儀
★教皇庁の聖書委員会=女性2人を新委員に任命
★バチカン銀行元総裁ら=公金横領罪で有罪判決
★11言語で「感染症対策」資料=外国籍信徒に向けて=上智大学・高岡研究室が作成

 
 =KiriShin(2月1日・既報)=https://www.kirishin.com

 
 =クリスチャン新聞(2月7日)=https://クリスチャン新聞.com
★アメリカ大統領就任式で見えた政治的分断=立場違えど共に務め担えるように=ルイビル日本語教会牧師・佐藤岩雄
★「感謝と喜びあふれる」祈りの風景=守部喜雅・絵画展=銀座教文館で開催
★「コロナ禍と青年宣教」=JEA青年委がオンライン集会=オンライン実践を共有・協力へ
★SNSで300人に個人伝道="出会った一人を大切に"=はこぶね便主催「SNS発信向上講座」
★「人身取引」=JEA女性委でゾエ・ジャパンが報告=コロナ禍で小学生も被

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