世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1557信(2020.11.23)

  • ロンドン教会での洗礼式を警察が中止
  • カトリック校は閉鎖せず=「NY市の規制は公立校対象」
  • 米長老教会が年会をオンラインで
  • ニューオーリンズのカーニバルは恒例のパレード中止へ
  • ポンペオ米国務長官が現職初のヨルダン川西岸地区訪問
  • アゼルバイジャン支配下になる教会でアルメニア人が最後の祈り
  • 公民権運動の指導者ウィリアム・ボビー・マクレーン牧師死去
  • ≪メディア展望≫

 

◎ロンドン教会での洗礼式を警察が中止
 【CJC】ロンドン警察は11月15日、イズリントン地区にあるバプテスト天使教会の洗礼式を、結婚式や洗礼式の禁止を含む同国のコロナウイルス規制を理由に中止した。今回の措置には、イングランドとウェールズのカトリック司教など教派を超えた批判が起きている、とカトリック通信CNAが報じた。
 天使教会のリーガン・キング牧師は、国の公衆衛生上の規制に違反して、約30人の出席者を集めて洗礼式を行った。警察は洗礼式を中止し、教会の外に警備員を配置して誰も立ち入らないようにした、と公営BBCニュースが15日報じている。
 洗礼式中止を伝えられ、同教会のリーガン・キング牧師は中庭での集会開催に同意した。イブニング・スタンダード紙によると、15人が外に出たが、15人が会堂に残ったという。当初予定されていたのは洗礼と対面型の礼拝だった、と同紙は報じている。
 教会は葬儀と「個人の祈り」のためには開けるが、「共同礼拝」は認められてはいない。
 英国政府は、パンデミック(ウイルス症例の急増)の間、パブ、レストランなど「非必須」事業を4週間の閉鎖する規制を再開した。前回は春に行われ、3月23日から6月15日まで教会が閉鎖された。
 カトリック教会は、ウェストミンスターのヴィンセント・ニコルズ枢機卿とリバプールのマルコム・マクマホン大司教が10月31日、教会の閉鎖は"深い苦悩"を引き起こすとの声明を発表、2回目の規制を鋭く批判した。
 3万2000人以上が議会に請願書に署名、「礼拝と会衆の歌」を、礼拝の家である教会で許可されるよう求めている。
 第2回目のロックダウンの前に、ニコルズ枢機卿はCNAに対し、前回のロックダウンの最悪の結果の一つは、人々が病気になった愛する人から「残酷に引き離された」ことだったと語った。
 枢機卿はまた、教会の「変化」を予測したが、その一つは、カトリック信者が遠くから提供されるミサを見ることに適応しなければならないことだと述べた。
 「教会で受ける秘蹟は聖体です。実体のあるものです。多くの人々にとって、この聖体断食の時間が、主の真のからだと血の味わいをさらに研ぎ澄まされたものにされるよう願っています」という。


◎カトリック校は閉鎖せず=「NY市の規制は公立校対象」
 【CJC】ニューヨーク市の公立学校は11月19日から、新型コロナウイルスの感染者が増加したことを受けて一時的に全てを遠隔授業に移行したが、同市のカトリック系学校は閉鎖せずに対面授業を続けると発表した。
 邦字紙『デイリー・サン』が地元紙amニューヨークの同日報道によるとして伝えるところでは、カトリック教会ニューヨーク教区の172校とブルックリン教区の69校は9月から週5回対面授業を実施している。生徒や職員の感染対策は厳格に行なっているという。
 ニューヨーク教区のマイケル・ディーガン教育長は「カトリック系の学校は公立学校とは別に独立で運営している」とし「規制はあくまでも公立学校を対象にしたもの」と訴えた。感染対策や学校閉鎖について州保健局や知事と相談しながら独自に判断すると表明している。


◎米長老教会が年会をオンラインで
 【CJC】米長老教会(PCUSA)のニュースによると、ケンタッキー州ルイビルで年会を開催してきた同派が、コロナ禍の大規模化に対応して今年11月20~21日の第224回年会は、オンラインで行うことになった。
 共同議長のグレゴリー・ベントレー牧師とエローナ・ストリート=スチュワート長老は、今年の年会は、参加者にとって見過ごせないものとして次のように述べた。
 「今年の年会では,議長は何を行い、会議時間をどのように守るかだけでなく、新型ウイルスが流行している『今』に焦点を絞る。教会は自らのアイデンティティーを確認しようとしている。私たちはこの年会が、今のような時に、教会の役割を確実なものとするために本当に役立つことを望んでいる。議長というと、単に会議を運営する人たちのことを思い浮かべるが、議長の役割は、単に議題に沿って進行するだけではないと信じる。議員の皆さんは、議事が世界における教会のより大きな使命とどのように結びついているのかを意識しつつ審議することを望む」。
 ベントレー、ストリート・スチュワートの両議長は、この5カ月を、パネルディスカッションに参加し、礼拝で説教をし、長老会の会議に参加したり、とオンライン年会開催に向けて努力を重ねてきた。
 今年の年会で重要な要素の一つは、『異文化感受性発達』に関する質問用紙を使用すること。価値を認識し、多様性を高める能力に関するもので、企業や、教育機関、医療部門、司法関係に役立つという。
 今回の年会がコロナ禍の最中にあって、マタイによる福音書25章のビジョンをより深く理解するよう「指導者を導くこと」に焦点を絞った、と両議長は述べている。


◎ニューオーリンズのカーニバルは恒例のパレード中止へ
 【CJC】全米各地で新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、南部ルイジアナ州ニューオーリンズでは来年2月のカーニバルで恒例のパレードが中止されることになった。米メディアCNNが報じている。
 ニューオーリンズでは毎年、春先にカトリックの宗教行事「謝肉祭」が盛大に開催され、最終日の「マルディグラ」に向けて連日パレードが実施される。来年のマルディグラは2月16日。
 市長の広報官は17日、記者会見し、マルディグラ自体が中止ではないと強調した。一方で新型コロナウイルス感染による死者は過去2週間で10人に上り、検査の陽性率は1週間で倍増したと指摘し、安全な実施方法を考える必要があると述べた。
 パレードの中止など、いくつかの制限を設ける方針。大通りなど外部からの来訪も許されるが、公共の場ではマスク着用や対人距離の確保が義務付けられる。


◎ポンペオ米国務長官が現職初のヨルダン川西岸地区訪問
 【CJC】米メディアCNNがエルサレムから伝えたところでは、イスラエルを訪問中のポンペオ米国務長官は11月19日、エルサレムでイスラエルのネタニヤフ首相と会談、続いてヨルダン川西岸地区にあるユダヤ人入植地プサゴットを訪問した。プサゴットはエルサレムの約20キロ北に位置する。数キロ東には、パレスチナ自治政府が拠点とする都市ラマラがある。
 現職の米国務長官による入植地訪問は初めて。西岸地区訪問は長年にわたる米国の外交政策の方針に反するものであり、国連安保理決議を無視する行為でもある、とCNN。
 国務省は、イスラエルがヨルダン川西岸に建設しているユダヤ人入植地について「国際法に反していない」との立場を表明。その正当性はイスラエルの司法システムの判断にゆだねるとしている。
 ポンペオ氏は19年11月18日、イスラエルがパレスチナ自治区ヨルダン川西岸に建設しているユダヤ人入植地は「国際法に反していない」と発言し、過去40年余りにわたる米政府の見解を覆している。
 CNNは、今回の訪問が、現地のユダヤ人入植者やイスラエルの右派、キリスト教福音派の主張を強化する意味合いを持つと見ている。ポンペオ氏が2024年の大統領選への出馬を視野に入れているとすれば、こうした行動によってキリスト教福音派の支持を得ることは不可欠な戦略となる。


◎アゼルバイジャン支配下になる教会でアルメニア人が最後の祈り
 【CJC】アルメニアとアゼルバイジャンの係争地ナゴルノカラバフをめぐる停戦合意によりアゼルバイジャンの支配下となる峡谷のダディバンク教会に、アルメニア人らが最後の祈りをささげに訪れた。人々の表情は喪失感や戸惑いに包まれており、涙を流す人も見られた、とAFP=時事通信が報じている。
 ダディバンク教会は、険しい谷の中腹のキャルバジャル地域にある。同地域からのアルメニア人の退去期限は当初11月15日とされていたが、アゼルバイジャンは同日、期限を今月25日に延期することに同意したと発表した。
 ダディバンク教会は、12世紀ごろに基礎が据えられたとされ、何世紀にもわたる騒乱を乗り越え、アルメニア教会の誇りであり続けた場所。


◎公民権運動の指導者ウィリアム・ボビー・マクレーン牧師死去
 【CJC】公民権運動の長年の指導者であったウィリアム・ボビー・マクレーン牧師(米合同メソジスト教会)が11月18日、メリーランド州フォートワシントンの自宅で死去した。82歳。
 アトランタのクラーク大学で学士号を、ボストン大学神学部で修士号を取得した後、1961年にアラバマ州アニストンのヘブン・チャペル・メソジスト教会の牧師を務めながら、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師と共に公民権運動に取り組んだ。「教会革新目指すブラック・メソジスト」グループの創立メンバーとしても活躍した。
 81年にはアフリカ系アメリカ人に焦点を絞った賛美歌「ザイオン(シオン)の歌」を発表、250万部を売り上げ、各派の賛美歌集に採用された。
 首都ワシントンにあるウェズリー神学校では30年以上、「説教」と「礼拝」を教え、2013年に退任、名誉教授になった。同校のデビッド・マカリスター・ウィルソン学長は「公民権運動の若手指導者の最後の一人が亡くなった」と述懐している。


《メディア展望》
 =カトリック新聞(11月22日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
★教皇来日から間もなく1年=教皇 献金の礼状で「共に過ごした時を鮮明に」
★教皇、バイデン氏に大統領選出の祝意伝える
★バチカンが調査報告書=性虐待で有罪の元枢機卿=通報と調査の怠りを指摘
★欧州最古のカトリック雑誌『ラ・チビルタ・カットリカ』日本版刊行へ
★司教協議会=感染症対応のガイドラインを公表

 
 =KiriShin(11月21日)=https://www.kirishin.com
★神学校座談会「コロナ時代の神学教育とは?」後編=対面とオンラインの「ハイブリッド」主流に
★コロナ禍におけるハラール対応(1)=小村明子
★陳日君枢機卿の「荒野の声」!=松谷曄介
★「教会どうでしょう」=えきゅぷろが事例報告会
★有志牧師ら70人が祈祷会 香港の牧師から立ち直りの体験を共有

 
 =クリスチャン新聞(11月22日)=https://クリスチャン新聞.com
★「香港を覚えての祈祷会」=日本の有志牧師ら70人=祈りは失望、無力感こえる
★オアシス名古屋店スタート=CLCから引き継ぎ、いのちのことば社直営
★TCU30周年記念式典開催=「破れ口」の使命受け現場に
★学術会議問題抗議集会にNCC・金性済氏=ニーメラーと祈り合わせて
★沖縄の宣教協力に尽力=国吉守氏逝去

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