世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1544信(2020.08.24)

  • 「サラン第一教会」が新型コロナウイルス禍の震源地?
▽韓国保健福祉省、「サラン第一教会」で新型コロナウイルスの集団感染確認
▽韓国コロナ大量感染の「サラン第一教会」はチョン牧師の影響力で
▽韓国防疫当局「サラン第一教会のチョン牧師、新型コロナ感染」と発表
▽韓国政府、首都圏教会の礼拝禁止へ 防疫措置強化
▽韓国プロテスタント各派が「集団感染を深く謝罪」
▽防疫妨害には「厳正な法執行」、公権力行使も=文大統領
▽韓国警察、「サラン第一教会」を家宅捜索
▽韓国の新規コロナ感染者266人、死者は前日と変わらず309人
  • 「ウイルスは存在しない」 スペイン首都でコロナ抗議デモ
  • トルコがカーリエ博物館も大統領令でモスクに
  • ≪メディア展望≫


 

◎韓国保健福祉省、「サラン第一教会」で新型コロナウイルスの集団感染確認
 【CJC】韓国保健福祉省は8月17日、「サラン第一教会」(ソウル特別市城北区)で新型コロナウイルスの集団感染が発生し、同日までに教会関係者319人の感染を確認したと発表した。
 韓国政府は16日から、集団感染が発生したソウル市および近郊の京畿道で集会規制などを再び強化、プロスポーツは同日から無観客試合とした。政府高官は「現在の様相は大規模な再流行の初期段階とみている」と述べ、警戒を呼び掛けている。

◎韓国コロナ大量感染の「サラン第一教会」はチョン牧師の影響力で
 【CJC】韓国で新型コロナウイルスによる新規感染者が、ソウルを初め全国にある「サラン第一教会」の信徒を中心に増加している。このことについてプロテスタント教会では、"太極旗集会"を主導しているチョン・グァンフン牧師の影響力によるものと分析している。
 韓国中央防疫対策本部によると、「サラン第一教会」は8月17日午前0時基準で確保した教会の信徒リスト約4000人のうちの2000人あまりが診断検査を受けている。
 「サラン第一教会」の感染者が全国的に発生している点について、プロテスタント教会の間では、いわゆる「右派のアイドル」と呼ばれているチョン牧師が"太極旗集会"を主導する過程で「サラン第一教会」の信徒の間で全国的に感染が広がったと分析している。
 韓国キリスト教会協議会(NCCK)の関係者は「チョン牧師は、教会右派のアイドルとして「極右指向の信徒たちがチョン牧師を中心に全国で集まり始めた」と語った。

◎韓国防疫当局「サラン第一教会のチョン牧師、新型コロナ感染」と発表
 【CJC】韓国紙『朝鮮日報』が8月17日報じたところでは、このところ多数の新型コロナウイルス感染者が発生している「サラン第一教会」(ソウル特別市城北区)のチョン・グァンフン牧師が、新型コロナウイルスに感染していることが確認された。防疫当局が17日発表した。
 防疫当局の関係者は同日「チョン牧師が新型コロナウイルスの検査で陽性判定を受けた」として「15日にソウル市内で行われた光復節の集会でチョン牧師に接触した関係者らも隔離して検査する必要がある」と説明した。
 チョン牧師は15日、ソウル市中心部の光化門で保守団体「一波万波」などが開催した集会で主導的役割を果たし、自己隔離の指針に違反した、との批判を受けていた。

◎韓国政府、首都圏教会の礼拝禁止へ 防疫措置強化
 【CJC】韓国では、首都圏を中心に新型コロナウイルスの第2波の感染拡大が懸念されていることを受けて、政府はソウル市、京畿(キョンギ)道、仁川市など首都圏の教会に対して、8月19日午前0時から、週末の礼拝を禁止し、オンラインのみで礼拝を実施するとした防疫強化措置を発表した。
 丁世均(チョン・セギュン)国務総理は同日、こうした内容を盛り込んだ談話を発表した。それによると、ソウル市の一部教会を中心に新型コロナウイルスの感染者が増え、第2波が起きていることに関連して、感染拡大を防ぐため、首都圏での社会的距離の確保措置をより強化することにし、これまでのソウル市や京畿道に加え、仁川市でも社会的距離の確保を第1段階から第2段階に引き上げることにした。これらの地域では室内では50人以上、室外では100人以上が集まることは原則的に禁止され、クラブ、カラオケ、インターネットカフェ、バイキングレストランなど感染リスクの高い施設の運営もできなくなる。

◎韓国プロテスタント各派が「集団感染を深く謝罪」
 【CJC】チョン・グァンフン牧師が担任牧師を務める「サラン第一教会」が韓国首都圏の新型コロナウイルス感染症クラスター発生の経路になったことについて、プロテスタントの主要各派が謝罪の意を明らかにした。
 防疫指針を無視して突出した行動を取ってきたチョン牧師はプロテスタント界で味方をなくし、孤立する様相を呈している、と全国紙『朝鮮日報』が8月19日報じた。
 国内プロテスタント30教団、約5万6000教会が属する「韓国教会総連合会」(韓教総=代表会長キム・テヨン牧師)は18日、「最近、いくつかの教会が防疫上のルールを順守せずに信者たちや地域社会への感染拡大の経路になったことについて深く謝罪する」というコメントを発表した。
 韓教総は「サラン第一教会が、本来の宗教活動を超えて、政治集団化されている点を遺憾に思う。速やかに教会本来の姿に戻ることを祈り、信者や訪問者は新型コロナウイルス検査に積極的に応じてほしい」と述べた。
 プロテスタント各派の中道の声を代弁してきた「韓国キリスト教牧会者協議会」(韓牧協=代表会長チ・ヒョンウン牧師)も同日、「教会発のクラスターについて国民の皆さまに深く頭を下げ謝罪の意を申し上げる。現在、爆発的な新型コロナウイルス集団感染の原因提供者だと指摘され、社会の怒りを買っているチョン・グァンフン牧師に対し、いっそう確実な処分を、韓国の教会を代表する責任ある各教団に促す」と訴えた。
 韓教総のキム会長は18日、今後2週間、首都圏の教会はオンライン非対面礼拝に切り替え、聖歌隊の練習を自粛するなど、防疫に協力する考えを明らかにした。

◎防疫妨害には「厳正な法執行」、公権力行使も=文大統領
 【CJC】ソウル発聯合ニュースによると、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は8月21日、ソウル市内の「サラン第一教会」など一部の教会などが新型コロナウイルスの防疫に協力していないことについて、「防疫の妨害に対しては厳正な法の執行を示すことを望む」と強調した。
 文大統領は疫学調査などを妨害する行為は感染症管理法の違反だけでなく、公務執行妨害か刑事犯罪と見なし、断固として対応するよう指示。必要な場合は現行犯逮捕、逮捕状請求などを行うよう求めた。
 また、「防疫は国民の生命と安全に直結するため、公権力が国民を保護しなければならない」と述べた。
 その上で、「新型コロナウイルスが韓国に流入して以降、最大の危機で、ソウルの防疫が崩れれば全国の防疫が崩れる」とし、「ソウルの防疫を死守し、韓国全体の安全を守るという決意で臨んでほしい」と要請した。

◎韓国警察、「サラン第一教会」を家宅捜索
 【CJC】ソウル発聯合ニュースによると、韓国の警察は8月21日夜、新型コロナウイルスの集団感染が発生したにもかかわらず、信者の名簿提出に応じなかった「サラン第一教会」に家宅捜索に入った。
 家宅捜索に先立ち、防疫当局は教会の現場調査をしようとしたが、教会側の弁護士らが令状を要求し、疫学調査官に協力しなかったため信者の名簿を入手できなかった。このため警察は捜索令状を取り、防疫当局者らと教会内に入った。
 中央防疫対策本部によると、同教会に関連する感染者は今週に入って急増。21日正午現在、計732人に上っている。

◎韓国の新規コロナ感染者266人、死者は前日と変わらず309人
 【CJC】ソウル発聯合ニュースによると、中央防疫対策本部は8月24日、同日午前0時現在の国内の新型コロナウイルス感染者数は前日午前0時の時点から266人増え、計1万7665人になったと発表した。新型コロナによる死者は前日と変わらず、計309人。
 「サラン第一教会」などで起きた集団感染に関連した感染者が増え続けている中、首都圏以外でも新たな集団感染の事例が確認されている。
 対策本部によると、「サラン第一教会」に関連する感染者は23日正午現在、計841人に上る。職場や宗教施設、医療機関などを介して感染が広がっている。
 また、光復節(日本による植民地支配からの解放記念日)の15日にソウル中心部で開かれた大規模集会に関係した感染者は計136人に増えた。


◎「ウイルスは存在しない」 スペイン首都でコロナ抗議デモ
 【CJC】AFP=時事通信がマドリードから報じるところでは、新型コロナウイルス対策として政府が課したマスクの着用義務や制限措置に抗議するデモが8月16日開かれた。数百人が参加し、「自由を」などと訴えた。
 陰謀論者や自由論者、ワクチン反対者といったさまざまな思想を持つ人々が参加し、「ウイルスは存在しない」「マスクは命取りになる」「われわれは恐れない」などと書かれた手製のプラカードを掲げた。
 スペインでは法律により公共の場でのマスク着用が義務付けられているが、参加者の多くが着用していなかった。同国では3カ月間のロックダウン(都市封鎖)が6月21日に解除されて以降、新規感染者が急増している。
 今回のデモが行われたのは、ディスコの閉鎖や2メートル以上の対人距離を確保できない公共の場所での喫煙禁止など、政府が感染拡大抑止に向けた新規制を発表した2日後のことだった。


◎トルコがカーリエ博物館も大統領令でモスクに
 【CJC】イスタンブール発共同通信の報道によると、トルコ政府は8月21日、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の署名により、ギリシャ正教の聖堂からイスラム教のモスク(礼拝所)を経て、1945年から博物館となっていたイスタンブールのカーリエ博物館を再びモスクにした。
 エルドアン氏は7月、世界遺産アヤソフィアを再びモスクとする大統領令に署名し、国際的な非難を受けた。トルコでは西部ブルサや北東部トラブゾンで博物館となっていた旧聖堂などが、近年再びモスクになっている。
 カーリエ博物館は、保存状態が良い14世紀ごろのモザイク画などを公開していた。


《メディア展望》
 =カトリック新聞(8月23日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
★髙見三明大司教=核兵器を廃棄し諸国間の信頼関係を=長崎原爆投下から75年
★教皇の一般謁見講話=「人間の尊厳の無視がパンデミックで明るみに」
★「総合的エコロジー」は平和構築を目指す道=「平和を願うミサ」で菊地功大司教
★ナイジェリア司教団=「殺りくを終わらせて」
★戦後75年かかった「長崎原爆体験記」=森口麗子さん(長崎・浦上教会信徒)

 =KiriShin(8月21日・休刊)=https://www.kirishin.com
 
 =クリスチャン新聞(8月23日・休刊)=https://クリスチャン新聞.com

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