世界キリスト教情報 第1526信(2020.04.20)
- 復活の月曜日に教皇、「レジーナ・チェリ」の祈り
- ブラジル・リオのキリスト像が医師の姿に
- 「神はウイルスより大きい」と説いた米牧師が新型コロナで死亡
- サッカー『リバプール』が地元教会と協力、弱者のための食糧支援
- 米『ウィロー・クリーク教会』主任にD・ダンミット牧師
- カトリック福岡司教に大阪教区アベイヤ補佐司教
- ≪メディア展望≫
◎復活の月曜日に教皇、「レジーナ・チェリ」の祈り
【CJC】教皇フランシスコは4月13日、「復活の月曜日(天使の月曜日)」に、正午の祈りをバチカン宮殿からビデオを通して行った。
カトリック教会の暦では、「復活の主日」から「聖霊降臨」までの50日間を、「復活節」とし、その中でも特に「復活の主日」から次の主日(日曜日)までを、「主の復活の8日間」と呼んでいる。
祈りに先立つ説教で、教皇は、「イエスの復活は、最後に勝利するのは死ではなく、いのちであると告げている」、御子の復活を通して「神なる御父は、ご自身の満ち満てる愛といつくしみを、あらゆる時代の人類に表された」と説き、復活の主における信仰に強められ、苦しみや試練の中にも力を得ることができるように、と願った、と公設バチカン・ニュースが伝えている。
教皇は続いて復活節の聖母賛歌「レジーナ・チェリ(アレルヤの祈り)」を唱えた。
◎ブラジル・リオのキリスト像が医師の姿に
【CJC】サンパウロから共同通信が伝えるところでは、新型コロナウイルスの治療に献身的に当たる医療関係者らに敬意を表し、ブラジル・リオデジャネイロのコルコバードの丘に立つ巨大なキリスト像が4月12日夜、医師の白衣に着替えた。プロジェクターを使い、衣服や聴診器が映し出された。
現場の医療関係者の写真や、日本語も含む各国語で「ありがとう」の文字も投影された。12日は復活祭(イースター)に当たり、地元メディアによると、企画したカトリック教会のリオデジャネイロ大司教区は「世界的に感染症が流行する難しい時期における、希望と励ましのメッセージ」と説明している。
◎「神はウイルスより大きい」と説いた米牧師が新型コロナで死亡
【CJC】米バージニア州チェスターフィールドにある『新救出福音教会』の創設者ジェラルド・O・グレン牧師が4月11日死去した。66歳。同教会のブライアン・ネヴァー長老が翌日「復活主日」の礼拝で発表した。グレン牧師は新型コロナウイルスの検査で陽性反応が出ていた。
米国では『疾病対策センター』(CDC)が集会の自粛を促し、他人との距離を置く「ソーシャル・ディスタンシング」に努めるよう呼びかけている。しかしグレン牧師は3月22日の説教の中で、「神はこの恐ろしいウイルスよりも大きいと固く信じる」と述べ、自身は死ぬことを恐れない、と語っていた。
翌23日、バージニア州のラルフ・ノーサム知事は、10人以上が集まる公的・私的な集会を全て禁止すると発表した。
グレン牧師の娘マージェリー・クロウリーさんは4月4日に投稿した動画の中で、新型コロナウイルスの検査で牧師とマーシエティア夫人(65)に陽性反応が出たことを明らかにしていた。
◎サッカー『リバプール』が地元教会と協力、弱者のための食糧支援
【CJC】サッカーのイングランド・プレミアリーグ『リバプール』は、地元の本拠地アンフィールド・スタディアム近くの『キリストの教会』(独立)が行っている、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響を受けている「貧困者や高齢者のための食糧」プログラムを支援している。ロイター通信が伝えた。
毎週行われる「貧困者や高齢者のための食糧」プログラムのため、『リバプール』は無料の2コース料理分の食材を同教会に提供している。通常は、教会のホールで提供されていたが、新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)のため、持ち帰りサービスとなった。
メニューには、リバプールのような港町では人気の、欧州北部の船員がよく食している「スカウス」と呼ばれる子羊、またはビーフのシチューも含まれている。
◎米『ウィロー・クリーク教会』主任にD・ダンミット牧師
【CJC】米イリノイ州ウィロー・クリーク・コミュニティ・チャーチは4月15日、ミシガン州出身のメガチャーチ『2/42コミュニティ教会』牧師のデヴィッド・ダンミット氏(46)が同教会の新シニア牧師に就任すると発表した。宗教専門『RNS』通信などが報じた。
発表は、同教会を創設したビル・ハイベルス牧師が権力乱用と性的非行で訴えられて辞任してからちょうど2年余りが経過した後に行われた。
『2/42コミュニティ教会』は、ダンミット牧師と数人の友人によって15年前に設立され、今では毎週の礼拝に1万人以上が参加している。
『ウィロー・クリーク教会』は、シカゴとその周辺から最盛期には2万5000人以上の出席があった。新型コロナウイルスの大流行で対面式の礼拝が中止される前は、教会の平均出席者数は1万8000人。広報担当者によると、現在では毎週末に約1万8000回のライブストリーム視聴と1万5000回のオンデマンド視聴が行われている。
ホイートン大学を卒業したダンミット氏は、『ウィロー・クリーク教会』の活動を長く尊敬している、と声明で述べた。彼は自分自身を「ハンドベルの聖歌隊で演奏した教会の子ども」と呼び、ウィロー・クリークは彼に教会が異なる可能性があることを教えた、と言う。
「ホイートン大学1年生の時、失われた人々に手を差し伸べるために創造的なことをしている『ウィロー・クリーク教会』のことを聞きました。礼拝はビートルズの曲で始まりました。...
アメリカで『ウィロー・クリーク教会』のミニストリーに影響を受けていない牧師や指導者を私は知りません」と言う。
◎カトリック福岡司教に大阪教区アベイヤ補佐司教
教皇フランシスコは、4月14日、福岡教区司教に大阪教区のヨゼフ・マリア・アベイヤ補佐司教(クラレチアン宣教会)
を任命した。カトリック中央協議会(東京)が発表した。
福岡、佐賀、熊本の3県からなる福岡教区は、信者数約3万200人。2019年4月27日の宮原良治司教辞任から空位となり、杉原寬信神父が使徒座管理者を務めていた。アベイヤ司教の着座式の日程は、後日発表される。
アベイヤ司教は1949年11月3日スペイン生まれ。バルセロナで哲学・神学を学んだ後、日本へ派遣、81年クラレチアン宣教会日本管区管区長、2003年同会総長、18年6月2日、大阪教区補佐司教に任命された。(CJC)
《メディア展望》
=カトリック新聞(4月19日・臨時休刊)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
=KiriShin(4月11日・既報)=https://www.kirishin.com
=クリスチャン新聞(4月19日)=https://クリスチャン新聞.com
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