世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1518信(2020.02.24)

  • 韓国「新天地大邱教会」が新型コロナウイルス感染源か
  • シンガポールの教会で新型コロナウイルス感染者18人に
  • 『ラルシュ』創設者ジャン・バニエが女性を性的に虐待
  • イタリア南部バーリで、地中海と平和をテーマに司教の集い
  • 教皇「未来のバチカン外交官に1年間の宣教体験を」
  • ギリシャでトルコ系少数民族がパヴロプロス大統領の発言に反発
  • アナスタシオス大主教にクラウス・ヘンメルレ賞
  • 《メディア展望》

 

◎韓国「新天地大邱教会」が新型コロナウイルス感染源か

 【CJC】韓国慶尚北道大邱(テグ)地域で発生した新型コロナウイルス感染症の追加確定診断者20人のうち、14人が新宗教団体「新天地イエス教証しの幕屋聖殿」(新天地)大邱教会の信者であることが確認された。

 同教会は、31人目の確定診断者(61)が症状発生の前後に4回訪問したところ。狭い場所に多くの人が集まる教会礼拝空間の物理的環境が、大規模集団感染の原因になった。

 大邱市は、31人目の患者と同じ時間帯に礼拝に参席した約千人に対し全数調査を推進する。教会で感染した確定診断者が大量に出る可能性が大きい。

 韓国の聯合ニュースなどによると、丁世均(チョン・セギュン)首相は2月21日、新型コロナウイルスへの対応に関する会議で、「大邱・清道地域を感染症の特別管理地域に指定し、特段の措置を取る」と述べた。

 治療に必要な病床や人員、機器などを全面的に支援するとし、軍の医療関係者などを投入し、自宅での自主隔離が難しい人々のための臨時保護施設も設けると説明した。

 また、首相が毎週日曜日に主宰していた閣僚級会議を拡大し、閣僚に加え市長・道知事も参加する新型コロナウイルスの汎政府対策会議を週3回開くと説明した。


◎シンガポールの教会で新型コロナウイルス感染者18人に

 【CJC】シンガポールの新型コロナウイルスの感染者数が2月16日、75人になった。そのうち3人は国軍兵士で、2人はグレース・アセンブリー・オブ・ゴッド教会に出入りしていた。これで同教会での感染者は18人と、最大の感染源。

 中国本土以外ではシンガポールが国・地域別で最多。中国人は外国人入国者の約20%を占めている。


◎『ラルシュ』創設者ジャン・バニエが女性を性的に虐待

 【CJC】知的障がいを持つ人々と彼らの生活を支える組織『ラルシュ共同体』の創設者ジャン・バニエは昨2019年5月7日、パリで死去したが、90歳での没後、フランスで女性6人を虐待していた、との懸念が浮かび、連合体である『国際ラルシュ』が英コンサルティング組織GCPSに調査を依頼していた結果が2月22日明らかにされた。

 「今回明らかになったことは衝撃的であり、全面的に彼の行動を非難する。それはジャン・バニエが主張していたことは完全に矛盾し、人間の尊厳と健全性とに相容れず、『ラルシュ』が拠って立つ基本原則に反する」と、『国際ラルシュ』の現指導者シュテファン・ポスナー、ステーシー・ケーツ・カーニー両氏は、『ラルシュ共同体』連合に宛てた書簡で記している。

 バニエには、1970年から2005年に、フランスで女性6人と「巧妙で感情的に虐待する」性的関係があった。バニエは精神的指導を行う名目で、性的関係をそそのかした。女性たちは誰も、自身障がい者ではなかったこともわかった。

 「これらの行動は、ジャン・バニエがこれらの女性を心理的、精神的に支配していたことを示している」と、報告書は明らかにした。バニエは女性たちに秘密を守るよう求めたともいう。

 事態を最初に報じたカナダの新聞『グローブ・アンド・メール』によると、女性には、知的障がいを持つ人々を支える「アシスタント」や修道女を含まれていた。


◎イタリア南部バーリで、地中海と平和をテーマに司教の集い

 【CJC】バチカン・ニュースによると、イタリア南部プーリア州バーリで、「地中海、平和の前線」をテーマに司教の集いが開かれている。イタリア司教協議会の主催によるもので、ヨーロッパ、アフリカ、バルカン地域、中東など、地中海に接する国々の司教の参加のもと、発表や考察、祈りが行われている。

 2月19日、バーリのノルマン・スヴェーヴォ城を会場に開幕したこの集いで、司教たちは、戦争・難民・政治・経済・キリスト教徒の現状など、地中海地域を取り巻く多様で複雑な課題を掘り下げ、全体会議とグループ会議を通し、意見の交換を行っている。

 また司教たちは聖ニコラ聖堂でミサと祈りを行うほか、地元の教会共同体とも交流の機会を設けている。

 教皇フランシスコは、最終日2月23日にバーリを訪問、この集いに参加、同市内の広場でミサとお告げの祈りを行われる。


◎教皇「未来のバチカン外交官に1年間の宣教体験を」

 【CJC】教皇フランシスコは、教皇庁立教会アカデミー会長ジョセフ・マリーノ大司教に宛てた2月11日付け書簡で、将来の外交官候補に「一つの教区において、1年間の宣教に従事することを希望」すると述べていることが明らかになった。公営バチカン・ニュースが報じた。同アカデミーは、教皇庁の外交官等を養成する歴史ある機関として知られる。

 「このような宣教体験が司祭職の準備・開始の段階にあるすべての若い人々、特に将来、教皇庁の外交部門で働くよう呼ばれ、諸国や地方教会に派遣される人々に役立つことを確信している」と、教皇。

 さらに教皇は、拡大する教会と世界の課題に前向きに対応するため、教皇庁の未来の外交官たちが、堅固な司祭的・司牧的養成と、アカデミーにおける専門的な育成に加え、「自分の教区外における個人的な宣教体験」を通し、「現地の日常的な宣教活動に参加しながら、宣教地の教会と歩みを共にする」ことが必要と強調した。

 教皇は、アマゾン地域をテーマにしたシノドス閉会前の講話でも、その必要性に触れていた。

 宣教体験必修は、2020~21年度新入生より適用される。


◎ギリシャでトルコ系少数民族がパヴロプロス大統領の発言に反発

 【CJC】ギリシャのプロコピス・パヴロプロス大統領が2月15日に北東部西トラキアを訪問した際、ムスリムのトルコ系少数民族のアイデンティティに関して使用した「ムスリムのギリシャの少数民族」という表現が少数民族の団体や組織から反発を受けた。トルコ放送協会のサイト「TRT」が伝えた。

 コモティニ(トルコ語ではギュムルジネ)とクサンティ(同イスケチェ)にある少数民族協会から書面で出された声明では、ギリシャ政府がトルコ系少数民族の民族アイデンティティに対して否定政策を取っており、このこともギリシャが民主的に成熟していないことを示していると指摘、「これらすべてが西トラキア・トルコ人社会に関する歴史的事実を変えることはできない」と強調している。

 3月14日に任期が満了するパヴロプロス大統領は、西トラキア・トルコ系少数民族は宗教上の少数民族であるだけであり、イスタンブール正教会のギリシャ系少数民族は国籍上の少数民族である、と主張している。

 ギリシャに有罪判決を下した欧州人権裁判所の判決にもかかわらず、ギリシャ当局は名前に「トルコ」という単語がついた協会の活動や新設を許可していない。


◎アナスタシオス大主教にクラウス・ヘンメルレ賞

 【CJC】アルバニア正教会ティラナ、デゥルレスと全アルバニアのアナスタシオス大主教にドイツ西部アーヘンの大聖堂で2月14日、クラウス・ヘンメルレ・2020年度賞が同大主教の平和と調和に対する宗教間の努力に対して贈られた。WCC(世界教会協議会)のニュースが報じている。

 授賞式にはフォコラーレ運動の代表、クルト・コッホ枢機卿(教皇庁キリスト教一致推進評議会議長)が参列した。

 同賞は、様々な文化・宗教伝統を持つ社会・共同体の相互理解を助けてきた国際的なパーソナリティにフォコラーレ運動が2002年に制定した。2年ごとに授賞する。

 アナスタシオス大主教は、「複合宗教世界における平和的共存」を主題に感謝スピーチを行った。ドイツの正教会主教も参列した。

 同賞は2002年、霊的「仲介役」と呼ばれたクラウス・ヘンメルレ司教を記念して設定された。

 アナスタシオス大主教の著作「キリストの足跡への使命」(ドイツ語訳)が300人以上の参列者に配られた。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(2月23日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
★教皇フランシスコ=シノドス後 使徒的勧告発表=アマゾンへの「思い」つづる=既婚男性の司祭叙階に触れず
★司教協 社会司教委員会=司牧者対象に「出前研修」を用意
★香港教区がミサを中止=新型肺炎感染の拡大受け
★フィリピンのレデスマ大司教来日=長く続く国内紛争に支援と連帯訴え 大阪・東京で講演
★「異端カルト110番」=牧師たちがサイトで身を守る情報を発信

 

 =KiriShin(2月21日)=https://www.kirishin.com
★【特別対談】学科再編で福祉の実践に力=山口陽一(東京基督教大学学長)×木原活信(同志社大学教授)
★【東アジアのリアル】 台湾・香港をつなぐ長老教会 藤野陽平
★自衛隊の中東派遣にバプ連が抗議=「世界に貢献しうる道を」
★米「中東和平案」の撤回求め日本YWCAが日本政府に声明
★春学期でコンコーディア大学ポートランド校閉鎖

 

 =クリスチャン新聞(2月23日)=https://クリスチャン新聞.com
★各地で2・11集会=日本国憲法の枠組み立憲主義が危ない=福音の希望にとどまるために=日本キリスト改革派西部中会2・11集会
★日中韓の青年 新型肺炎脅威でも一緒に=全体テーマはBridge(架け橋)=第10回東アジア青年キリスト者大会
★オリンピック・パラリンピック伝道=「10×10ビジョン」の共有・実現へ=ナショナル・キックオフ大会開催
★「ウェブバイブル」がリリース=『スタディ版』傍注や各訳も収録=スマホ、PCで読める『聖書 聖書協会共同訳』

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