世界キリスト教情報 第1460信(2019.01.14)
- WCC第11回大会テーマ「キリストの愛が世界を和解と一致へ」
- 中国でキリスト教系学校が閉校迫られる
- 北朝鮮の地図に「キリスト教会」の表記
- 黒いキリスト像に触れたい、比の恒例行事に今年も信者殺到
- 米テレビ局の気象キャスターが差別語で解雇へ
- ベルギー漫画「タンタン」誕生から90年、近く新刊も
- バチカン陸上代表チーム、司祭や修道女、衛兵などが選手に
- ≪メディア展望≫
◎WCC第11回大会テーマ「キリストの愛が世界を和解と一致へ」
【CJC】WCC(世界教会協議会=本部・ジュネーブ)は1月10日、ドイツのカールスルーエで2021年に開催する第11回大会テーマを「キリストの愛が世界を和解と一致へ」(仮訳)と発表した。
テーマは、大会プログラムの検討など様々な準備に当たって焦点を明らかにするためのもの。大会の中心的な構造を組み立てるため、このほどキプロスで開催した「計画委員会」で示された。
オラフ・フィクセ=トゥベイト総幹事は「テーマは、このエキュメニカル(教会一致)運動を、キリストに従う道を求め、キリストの愛を証しする愛の運動として焦点を定める助けとなるもので、正義と平和の探求とそれに基づく一致とで表される」と指摘、さらに「一つの家族は愛を必要とし、将来に向かうため愛することが必要だ」と述べた。
WCC大会は加盟教会だけでなく、エキュメニカル(教会一致)運動全体の方向を固める「最高決議機関」とされ、8年に1回開催する。
大会の公式な目的は、プログラムを検討し、WCCの全体方策を決定し、議長選出、次期大会までの執行機関となる中央委員を任命することとされている。
◎中国でキリスト教系学校が閉校迫られる
【CJC】中国で多数のキリスト教系学校が閉校に追い込まれている。教育活動は世界各地でキリスト教団体が行っているが、中国は宗教団体による教育を固く禁止している。
北京近郊のカトリック邯鄲教区よって1988年に設立された『聖心学院』(生徒300人)は、2018年10月、当局から閉校を命じられた。
中国の信教の自由と人権について報道するイタリアのオンラインメディア『ビターウインター』が1月13日伝えた。
『ビターウインター』は2018年5月に創刊された。イタリアのトリノに本拠地を構える『新興宗教研究センター』が、毎日8言語でニュースを発信している。
中国の「新宗教事務条例」は、政府の認定を受けていない機関が宗教教育や研修を提供する行為を禁止している。条例が2018年2月に施行されて以来、当局は中国全土で、カトリック、プロテスタント双方の教会系学校に閉校を命じられたと見られる。
◎北朝鮮の地図に「キリスト教会」の表記
【CJC】韓国のニュースサイト『デイリーNK』の日本語電子版が1月13日、北朝鮮で販売されている地図に、キリスト教会の場所が記されていることがわかった、と報じている。
同サイトが入手した北朝鮮の教育図書出版社の2013年版「道路里程図」には、平壌市内の船橋(ソンギョ)区域の長忠(チャンチュン)1洞と南新(ナムシン)2洞の間にある道路沿いに十字架のマークが描かれ、「長忠聖堂」と記されている。また、万景台(マンギョンデ)区域にある「鳳岫(ポンス)教会」も記されている。凡例を見ると、十字架は「教会」となっている。
平壌の『デイリーNK』内部情報筋は「宗教は麻薬だと言って口にすることすら禁止されていた1990年代初頭には、地図に教会の場所を示すなんて想像すらできなかった」と驚いている。
平壌市内には鳳岫、長忠以外にも合わせて4カ所のキリスト教会が存在する。このうち、ロシア大使館員などが通うロシア正教の「貞栢(チョンベク)教会を」除いては、いずれも対外宣伝用で宗教施設としての役割を果たしていないと見られている。
◎黒いキリスト像に触れたい、比の恒例行事に今年も信者殺到
【CJC】フィリピンの首都マニラで1月9日、触れれば病気が治ったり幸運が舞い込んだりすると信じられている黒いキリスト像を載せた山車が街を練り歩く毎年恒例の「ブラックナザレ祭」が行われ、信者らが殺到した。
カトリック教徒のあつい信仰心が表出する世界最大の行事の一つとみなされるこの祭りには、警察の推計で100万人以上が参加した、とAFP通信は報じている。
信者らは等身大のキリスト像を一目見ようと、夜明け前に集まった。像を載せた金属製の山車は綱で引かれ、マニラ市内の街路約7キロを練り歩いた。
フィリピン赤十字社によると、20時間続く祭りの中盤に差し掛かった時点で約220人が切り傷やめまい、打撲、捻挫などで手当てを受けたという。
◎米テレビ局の気象キャスターが差別語で解雇へ
【CJC】米ニューヨーク州ロチェスターのテレビ局『WHEC―TV』の気象キャスター、ジェレミー・カッペル氏は1月4日夜の番組で黒人への差別語を使ったとして非難を浴び、解雇された。本人は「言い間違いで、悪意はなかった」と主張している。米メディア『CNN』(日本語電子版)が報じた。
カッペル氏は、米公民権運動の指導者マーチン・ルーサー・キング牧師にちなんで名付けられたロチェスター市内の公園に言及した際、「マーチン・ルーサー・クーン」と言いかけ、直後に「キング」と訂正した。
「coon(クーン)」は黒人を侮辱する差別語に当たることから、この場面が週末にかけてソーシャルメディア上で拡散した、とCNNは報じた。
WHECは6日、社内での調査、検討の結果、カッペル氏の解雇が決まったと発表し、差別発言を流したことと事態把握が遅れたことを謝罪した。
一方、カッペル氏は7日夜、フェイスブックに投稿した動画の中で「単なる誤解だ」と強調。自分は常日頃から早口でリポートする傾向があり、この時もキング牧師の名前を言おうとして舌がもつれただけで、それが差別語に聞こえるとは思ってもみなかったと訴えた。
同氏は「気象キャスターとしての20年のキャリアがこんな形で終わってしまうとは」と、局の援護が得られなかったことに「深い失望」を示した。
◎ベルギー漫画「タンタン」誕生から90年、近く新刊も
【CJC】ベルギーの漫画家エルジェ氏が手掛けた「タンタンの冒険」シリーズが1月10日、誕生から90年を迎えたとAFP通信が報じている。
少年記者タンタンは1929年1月10日、ベルギーのカトリック系保守紙『20世紀』の子ども向け増刊号『プチ20世紀』に初登場。
タンタン・シリーズの出版社『カステルマン』によると、新刊が近く出版される予定。
新作映画の話もある。監督は『ロード・オブ・ザ・リング』でメガホンをとったピーター・ジャクソン氏、タンタンを初めて米ハリウッドで映画化したスティーブン・スピルバーグ氏がプロデューサーを務めるという。
◎バチカン陸上代表チーム、司祭や修道女、衛兵などが選手に
【CJC】「速く、高く、そしてより神聖に」──バチカン市国の陸上競技代表チームが1月10日、正式に発足した。司祭や修道女、教皇を警護するスイス衛兵などで構成され、五輪を含む国際競技大会への出場を目指す。
AFP通信によると、伊オリンピック委員会との合意を経て発足した陸上競技協会『バチカン・アスレチックス』は、バチカン(ローマ教皇庁)初のスポーツ協会。バチカンに勤務する約60人が加入する。
会長に就任したメルチョル・サンチェス・デ・トカ・イ・アラメダ氏は、「五輪の開会式で各国代表団の中にバチカンの旗が翻るのを見る日を、私たちはしばしば夢見てきた」と語った上で、五輪出場は「夢だが、すぐには難しい」と述べた。
当面は、『地中海競技大会』など小規模な国際大会への出場を目指していく。
バチカンにはすでに独自のサッカーチームとクリケットチームがある。
《メディア展望》
=カトリック新聞(1月13日休刊)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
=KiriShin(1月11日)=https://www.kirishin.com
★"若者を教会に..."の願い=ネット番組「株式会社ニシノコンサル」=出演した牧師・田中秀亮さんインタビュー
★核実験が生む差別=「世界の核被害」写真展と講演会=東京YWCA
★日本福音同盟=「CT」取材受けないと再確認
★日本ルーテル神学校が「神学一般コース」開設
★「国家政権転覆扇動罪」の嫌疑で中国・家庭教会の牧師、逮捕・拘留
=クリスチャン新聞(年始休刊)=https://クリスチャン新聞.com
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