世界キリスト教情報 第1453信(2018.11.26)
- 「キリスト教布教」目的の米国人を先住民が弓矢で殺害
- 香港「雨傘運動」裁判で発起人の大学教授らが罪状否認
- 「貧しい人のための日」で教皇が貧しい人々と昼食会
- 教皇庁科学アカデミーで五條堀孝氏が講演
- 韓国カルト教団教祖に禁錮15年、女性信者をレイプした罪
- 「クリスマス市」の開幕早すぎ、とドイツ教会が苦言
- 「きよしこの夜」200歳記念にオーストリアで式典
- ≪短信≫
- ≪メディア展望≫
◎「キリスト教布教」目的の米国人を先住民が弓矢で殺害
【CJC】現代文明から隔絶されたインド・北センチネル島で、米国人青年ジョン・アレン・チャウさん(27)が先住民から多数の矢で射られて死亡した。青年が同島を訪れたのはキリスト教の布教のためだったと、AFP通信など複数のメディアが11月22日報じた。
チャウさんはオクラホマ州タルサの『オーラル・ロバーツ大学』卒。11月中旬、インド洋上の同島に不法に上陸しようとカヤックで接近。チャウさんは贈り物として、魚やサッカーボールを持参していたという。
先住民らはチャウさんに向かって矢を放ち、矢の1本がチャウさんが手にしていた聖書を射抜いたため、チャウさんは上陸を手助けしていたインド人漁師らの舟に戻った。夜が明けてから再びカヤックで島への上陸を試みたチャウさんが、漁師の舟に戻っては来なかった。
先住民が浜辺にチャウさんの遺体を埋めているのを漁師らが17日に目撃したとの情報もある。
ベンガル湾に浮かぶ北センチネル島には、約150人の先住民が暮らしている。独自の生活様式を保護するため、インド人も外国人も一様に島から5キロ以内に近づくことを禁じられている。
報道によると、チャウさんは両親に宛てた手紙の中で「こんなことをして正気じゃないと思うかもしれないけれど、ここの人々にイエスについて教える価値はあると思っている」「私がもし殺されたとしても、彼らや神を恨まないで」と書いていた。
◎香港「雨傘運動」裁判で発起人の大学教授らが罪状否認
【CJC】AFP通信の報じるところでは、香港の選挙制度の民主化を求めた2014年の大規模デモ「雨傘運動」をめぐり、市民生活を妨害し社会秩序を乱したなどとして起訴されたデモ発起人3人の公判が11月19日開かれ、全員が起訴内容を否認した。
この裁判では、公衆を妨害した罪などで発起人3人を含む民主派の活動家9人が起訴されている。これは英植民地時代の法律に基づく罪状で、有罪なら最高で禁錮7年の刑が下される。
香港・西九龍の裁判所前には大勢の支持者が集まり、出廷するため3人が到着すると「平和的抵抗!真に普遍的な選挙権を求めたのだ」と声を上げた。
◎「貧しい人のための日」で教皇が貧しい人々と昼食会
【CJC】教皇フランシスコは11月18日、カトリック教会が定めた「貧しい人のための世界祈願日」のミサをバチカン(ローマ教皇庁)のサンピエトロ大聖堂で行ったあと、パウロ6世ホールで開かれた昼食会に出席、ローマ教区やカトリック系組織などで支援を受けているおよそ1500人やボランティアの人たちと一緒に食卓を囲んだ。
『バチカン・ニュース』によると、この昼食会は、企業やカトリック団体など、様々な組織が協力して実現した。ラザーニャ、チキンのマッシュポテト添え、ティラミスからなるメニューを、ローマの小教区(各個教会)のボランティア70人が給仕した。
また昼食を楽しく和やかにするために、会場では、ポンペイの聖母巡礼聖堂の若者たちからなるブラスバンドの演奏が行われた。
昼食会に参加した教皇は、すべての関係者に感謝し、皆に神の祝福を祈った。
バチカンでの昼食会と同時に、ローマをはじめ、イタリア各地の教区で、同様の昼食会が催された。
◎教皇庁科学アカデミーで五條堀孝氏が講演
【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)科学アカデミーの定期総会が11月12~14日にバチカンで開催され、日本から会員の五條堀孝氏(67)が出席、「最新ゲノム学の進展が社会に与える衝撃」と題して講演した。静岡新聞が報じている。
五條堀氏は講演で、今後のゲノム学の基礎研究が医学だけでなく実社会の幅広い分野に貢献することを示し、特にゲノム学で扱う膨大な量のデータはビッグデータ解析の対象になると指摘した。
教皇フランシスコは、五條堀氏ら同アカデミー定期総会に参加した会員と11月12日、接見した。
同アカデミーは400年以上の歴史を持つ学術団体で、八十数人の会員のうち、約半数はノーベル賞受賞者。日本からは野依良治氏、山中伸弥氏、五條堀氏の3人が会員になっている。
定期総会は2年に1度開かれ、今回のテーマは「新たな分野の基礎研究を社会還元のできる成果にどう転換するか」。
五條堀氏は、国立遺伝学研究所(静岡県三島市)名誉教授。約2年前から研究拠点をサウジアラビアに移し、紅海をフィールドにした海洋生命科学の研究などに取り組んでいる。
◎韓国カルト教団教祖に禁錮15年、女性信者をレイプした罪
【CJC】韓国のソウル中央地裁は11月22日、信者の女性8人をレイプした罪に問われたカルト教団『万民中央教会』の教祖、イ・ジェロク被告(75)に対し、禁錮15年の有罪判決を言い渡した。女性信者たちはイ被告を神聖な存在と信じていたという。AFP通信が報じた。
イ被告は1982年、当時はソウルの貧困地区だった九老に万民中央教会を創設した。当初12人だった信者は、13万人まで達した。
しかし、今年になって信者の女性3人が、イ被告に呼び出されてレイプされたと告白した。
3人は韓国テレビの取材に「逆らえなかった」「彼は国王以上の存在、神だった」などと語った。
韓国異端キリスト教研究所のパク・ヒョンタク所長によると、韓国にはカルト教団の信者が約200万人いる。キリスト教系カルト教団の教祖は約60人いて「神」や「イエス・キリストの再来」を自称しているという。
◎「クリスマス市」の開幕早すぎ、とドイツ教会が苦言
【CJC】AFP通信が伝えるところでは、ドイツのプロテスタント『ドイツ福音主義教会』(EKD)が11月22日、クリスマスの「容赦ない商業化」を批判し、一部の都市で早々と「クリスマス市」が開幕したことに苦言を呈した。
「待降節(アドベント)とクリスマスの容赦ない商業化は、聖書の教えに反するメッセージを発している」。EKDの広報担当者はこう指摘、今年は12月2日から始まる4週間の待降節について「その真の意味、つまりクリスマスと神の訪れを待ちわびる時間として過ごすべきだ」と述べた。
ドイツの「クリスマス市」の歴史は長い。ホットワインや菓子、手工芸品、クリスマスの装飾品やプレゼントなどが売店に並び、多くの買い物客が訪れる。
大半の都市では11月26日に市が開くが、ドルトムントやデュッセルドルフなどでは既に22日に開幕した。西部エッセンなど11月半ばに始まっている。
◎「きよしこの夜」200歳記念にオーストリアで式典
【CJC】賛美歌「きよしこの夜」が今年のクリスマスに生誕200年を迎えるのを前に、歌が生まれたオーストリア西部オーベルンドルフで11月25日、記念式典が開かれた。オーケストラの演奏や、曲の200年を振り返る動画などが上映された。
ウィーンなど同国各地でも演奏会が計画され、クリスマスイブにはオーベルンドルフでコンサートが予定されている。
原詞の「静かな夜」は、ヨゼフ・フランツ・モーアによって、ドイツ語で書かれ、フランツ・クサーヴァー・グルーバーによって作曲された。1818年のクリスマスにオーベルンドルフの教会で初披露された。
日本語の歌詞「きよしこの夜」は由木康による。
《短信》
〇教皇が1月にパナマ訪問
教皇フランシスコは、「世界青年の日」の催しに参加するため、2019年1月23日から27日まで、パナマを訪問する。(CJC)
〇来年の教皇訪日へ河野外相がバチカンと調整
河野太郎外相は11月23日、バチカン(ローマ教皇庁)で外務局長のポール・リチャード・ギャラガー大司教と会談、教皇フランシスコの2019年訪日へ向け調整を進める方針を確認した。(CJC)
《メディア展望》
=カトリック新聞(11月25日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
★第24回日韓司教交流会=青少年の現実と司牧=AI(エーアイ)時代を迎え 展望
★カリタスジャパン=農業支援と気候変動対策で=ウガンダとエチオピアを視察
★「流配もまた、信徒宣教」=浦上信徒大和郡山流配記念ミサと講演
★重層的な殉教史の地 萩=巡礼ウォーク=萩キリシタン殉教者記念公園への道
★看護の使命 再確認=「共に生きる」テーマに深い意味学ぶ=名古屋・聖霊病院=日本カトリック看護協会全国大会
=KiriShin(11月21日)=https://www.kirishin.com
★今、教え伝えるべきことは何か=学校×教育×宣教=座談会
★福音功労賞2年ぶりの開催=吉持昭、藤井圭子、星野富弘の3氏が受賞
★矯風会が「ポルノ被害」考える集会=性暴力被害の低年齢化を懸念
★香港の陳日君枢機卿=教皇に中国地下教会への弾圧強調
★カメルーンで拉致の生徒78人解放=校長と教員なお拘束
=クリスチャン新聞(11月25日)=https://クリスチャン新聞.com
★福島の宣教を神学する=須賀川シオンの丘で神学教育講座
★"地域応援ソング"全国へ=旭川発 ゴスペルシンガー松本優香さん歌う
★神社参拝拒否貫き神の愛伝え=美濃ミッション創立100周年記念特別集会
★「もう一度イエス様のもとに」=松本優香=レコ発コンサート
★パキスタン=死刑判決のキリスト教徒が逆転無罪
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