世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1349信(2016.11.28)

  • 年末から年始めの教皇による宗教行事発表
  • 教皇が使徒的書簡「ミゼリコルディア・エト・ミゼラ」発表
  • 米中部でパイプライン建設に先住民が抗議

  パイプライン建設反対デモ参加者を衝撃手榴弾が直撃、重傷
  米中部のパイプライン建設計画は宙に浮く
  米中部パイプライン建設に日本の金融機関も投資

  • ≪メディア展望≫

 

◎年末から年始めの教皇による宗教行事発表

 【CJC】教皇フランシスコによる、2016年12月から17年1月にかけての宗教行事を、バチカン(ローマ教皇庁)教皇儀典室が発表した。

 典礼暦で「グアダルーペの聖母」を祝う12月12日(月)午後6時、教皇はサンピエトロ大聖堂でミサを捧げる。

 24日(土)午後9時半から、教皇は「主の降誕」を祝う深夜ミサを、サンピエトロ大聖堂で行う。

 「主の降誕」の大祝日25日(日)正午、教皇はサンピエトロ大聖堂の中央バルコニーから、クリスマスメッセージとローマと世界に向けての教皇祝福、ウルビ・エト・オルビをおくる。

 31日(土)午後5時、教皇はサンピエトロ大聖堂で夕べの祈りを持ち、その中で、過ぎた1年を神に感謝し、賛歌「テ・デウム」を捧げる。

 1月1日(日)午前10時、「神の母聖マリア」の大祝日と、「世界平和の日」を記念する教皇ミサが、サンピエトロ大聖堂で。

 6日(金)「主の公現」の大祝日、教皇は午前10時からサンピエトロ大聖堂でミサを司式。

 8日(日)「主の洗礼」の祝日、午前9時半よりシスティーナ礼拝堂で幼児の洗礼式。

 25日(水)「聖パウロの回心」の祝日、午後5時半、教皇は城壁外の聖パウロ大聖堂で夕べの祈りの集いを行う。


◎教皇が使徒的書簡「ミゼリコルディア・エト・ミゼラ」発表

 【CJC】教皇フランシスコは、使徒的書簡「ミデリコルディア・エト・ミゼラ」を発表した。

 「いつくしみの特別聖年」の閉幕日「11月20日、王なるキリストの大祝日」を日付とする同書簡は、序文に続き、本文22章からなる。

 バチカン放送(日本語電子版)によると、この使徒的書簡は、聖年の恵みを振り返ると共に、この体験を基に、神の無限の愛に信頼し、いつくしみの業をより広げていくよう招いている。

 「今はいつくしみの時です」と記す教皇は、この使徒的書簡の中で、カトリック教会の典礼暦で「王であるキリスト」の祭日を前にした「年間第33主日」に「貧しい人々の日」を制定し記念することを明らかにした。

 また教皇は、聖年開幕前の2015年9月、「いつくしみの特別聖年の免償についての書簡」で、堕胎の罪を犯したが心から悔悛して赦しを願う者に対し、聖年期間に限り、(赦しの秘跡をもって)赦しを与える権限をすべての司祭に許可されていたが、今回の使徒的書簡により、聖年終了後もすべての司祭がこの権限を行使できるよう定めた。

 カトリック倫理において、堕胎は大罪とされ、通常、その罪に対しては、司教、または司教がその権限を託し任命した司祭だけが赦しを与えることができたが、今後すべての聴罪司祭にこの権限が認可されることになる。

 「今はいつくしみの時」と述べた教皇は、「年間第33主日」に「貧しい人々の日」を制定。小さく貧しい人たちへのイエスの愛を思い起こし、それに倣うことで、信者たちが、続く「王であるキリスト」の祭日をふさわしく迎えることができるようにと願った。


◎米中部でパイプライン建設に先住民が抗議

 【CJC】米中部ノースダコタ州とイリノイ州を結ぶ石油パイプライン『ダコタ・アクセス・パイプライン』の建設をめぐり、建設ルート近くの居留地に住む先住民スタンディングロック・スー族が抗議デモを続けている。

 スタンディングロック・スー族は、ノースダコタ州のミズーリ川の下を横断する形で建設される予定の長さ約1886キロのパイプラインが、居留地と水資源と近接しているとして反対している。パイプラインに破損など事故があれば、先住民にとって貴重な水源が汚染される懸念がある。

 AP通信は、米国での石油パイプラインの事故は1995年以降2000件発生し、増加傾向にあるとしている。

 先住民の権利侵害も深刻な問題。スタンディングロック・スー族の「聖地」が建設予定地にあり、自らの文化に重要な湖の汚染が懸念されることで建設中止を求めている。

 電子メディア『ハフィントン・ポスト』によると、スタンディングロック・スー族が、この建設計画は1851年に調印された居留地を設定する『ララミー砦条約』にも違反すると主張している。


◎パイプライン建設反対デモ参加者を衝撃手榴弾が直撃、重傷

 【CJC】米中部ノースダコタ州とイリノイ州を結ぶ石油パイプライン『ダコタ・アクセス・パイプライン』の建設に反対して、先住民スタンディングロック・スー族が抗議デモを続けている。11月21日、抗議デモに参加した女性ソフィア・ウィランスキー(21)さんが、治安部隊のパーカッション・グレネード(衝撃手榴弾)の直撃を受け重傷を負った。

 ネットメディア『ハフィントン・ポスト』(日本語版)によると、ノースダコタ州保安官事務所は、ケガの原因が衝撃手榴弾ではなく、デモ参加者が持ち込んだ自家製の爆発物が誤爆したと説明している。

 現地紙『モンタナ・スタンダード』22日付けは、目撃者たちが、保安官事務所の説明に反論していると報じた。

 治安部隊は20日夜から21日午前にかけて、氷点下の温度の中、高圧放水砲でデモ参加者たちに水を浴びせた。ソフィアさんは、バリケードの近くに立っていただけという。

 「その女性はゴム弾で攻撃され、倒れた」と、目撃者のアロンゾ・ウィリスさん(23)。「それから、警察は衝撃手榴弾を投げ、それが彼女の腕に命中した」

 ウィリスさんの友人、イサイア・アザー・ブルさんも同様の証言をしている。2人の証言は、ソフィアさんがケガした写真と共に、ネットに掲載された説明と一致している。

 「娘は、治安部隊が衝撃手榴弾を自分に投げつけてきたのを見た」と、ソフィアさんの父ウェイン・ウィランスキーさんは22日、ソフィアさんが搬送されたミネアポリス病院の外で報道陣に語った。


◎米中部のパイプライン建設計画は宙に浮く

 【CJC】ネットメディア『ハフィントン・ポスト』(日本語版)によると、米中部ノースダコタ州とイリノイ州を結ぶ石油パイプライン『ダコタ・アクセス・パイプライン』の建設に先住民スタンディングロック・スー族などの反対、抗議が強まり、建設計画は現在、宙に浮いた状態。

 バラク・オバマ政権は、パイプラインの所有者『エナジー・トランスファー・パートナー』に、争点となっている地域の建設許可を撤回した。

 問題のパイプラインは、ノースダコタ州のバッケン油田からイリノイ州まで、原油57万バレル(約9万キロリットル)を輸送することになっている。『エナジー・トランスファー・パートナー』は、トラックや列車で原油を輸送するよりもパイプラインの方がはるかに安全だと主張してきた。

 同社のケルシー・ウォーレンCEOは、今回のパイプライン建設で先住民の墓地や水資源を荒らすことはないと主張し、計画ルートの変更を拒否している。

 ウォーレンCEOは、ドナルド・トランプ次期大統領はこの建設計画を完了させる許可を与えてくれるだろう、という見通しを立てている。


◎米中部パイプライン建設に日本の金融機関も投資

 【CJC】米中部ノースダコタ州とイリノイ州を結ぶ石油パイプライン『ダコタ・アクセス・パイプライン』建設計画には有力な国際金融機関が投資している。

 食糧や水への搾取を監視する独立国際機関『フッド・アンド・ウォーター・ウォッチ』の調査によると、総額100億ドル(約1兆1000億円)の投資がなされている。

 日本からも『みずほ銀行』(約5億8900万ドル)、『三菱東京UFJ銀行』(約5億4800万ドル)、『三井住友銀行』(約2億6500万ドル)などが投資している。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(11月27日)=https://www.cwjpn.com
★キリストは いつくしみの王=教皇が宣言=7万人とささげたミサで=特別聖年閉幕
★教皇フランシスコ=貧しい人々に謝罪=「私たちは何度も目を背けた」
★『新カトリック大事典』電子版刊行
★岡田大司教=宗教超え"使命"語る=立正佼成会次代会長と対談
★那覇教区=タグレ枢機卿迎える=日本フィリピン人共同体が集い

 

 =キリスト新聞(11月26日)=https://www.kirishin.com
★米大統領選〝キリスト教国〟の選んだ道は?=トランプ氏当選で揺れる世界の教会
★司教団が原発撤廃を呼び掛け=世界のカトリック教会に協力と連帯要請
★モンゴル語聖書の歴史と課題シンポ=池澤夏樹氏「翻訳への努力投入されてこそ」
★「レーン先生のオルガン」修復へ=創立120周年迎えた日基教団札幌北光教会
★日本自由メソジスト教団宣教120年=「教会裁判事件」反省する声明公表

 

 =クリスチャン新聞(11月27日)=https://クリスチャン新聞.com
★宗教改革500年へ=ルター研究所鈴木浩所長が合同礼拝を報告=一致の土台確かめる
★ルター時代の礼拝=ユースが再現=神戸ルーテル神学校
★第9回eAst21asia=東北アジアの青年ら 互いの国と教会の将来語り合う=集まることで「和睦」を経験
★キリスト教功労者に佐藤英和氏、賀来周一氏=出会い、支え、理解があって今日が
★新潟で次世代宣教セミナー=困難・必要を共有=地域教会で集う

 
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