世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1289信(2015.10.05)

  • 家庭の召命と使命考える司教会議開会
  • カトリック神父が同性愛を公表
  • 次回世界家庭大会はアイルランドの首都ダブリンで
  • 教皇、中国との関係改善に意欲示す
  • 教皇の中国重視に台湾外交部が国交維持へ
  • 教皇が同性婚拒否の郡書記官と面会していた、と米紙
  • 米オレゴン州の大学で銃乱射、10人死亡
  • 米乱射の地元で客足伸びる銃販売店
  • 米軍がアフガンで『国境なき医師団』病院空爆
  • サンパウロ日系福音ルーテルが創立50周年
  • 教皇フランシスコがロックでデビュー
  • チャーリー・ブラウンのクリスマス・スタンプ発行
  • ≪メディア展望≫


◎家庭の召命と使命考える司教会議開会

 【CJC=東京】家庭をめぐる世界代表司教会議(シノドス)第14回通常総会が10月4日、教皇フランシスコと司教たちが共に捧げるミサによって開幕した。
 総会は「教会と現代世界における家庭の召命と使命」をテーマに、10月25日まで3週間、バチカン(ローマ教皇庁)のシノドスホールで開催される。
 開会ミサが行われたバチカンのサンピエトロ大聖堂には、諸聖人の連祷が響く中、教皇を最後列に、会議参加司教たちの長い入祭の列が続いた。
 バチカン放送(日本語電子版)によると、説教で教皇は、孤独、男女間の愛、家庭の三つの柱を通して現代社会の様相を直視した。
 「グローバル化した世界の矛盾」として、豊かな住環境を備えながら家族の温かみの無い家、多くの気晴らしに囲まれていても虚しさを抱える心、たくさんの享楽に対する愛の欠如、自由はあっても自立が無い状態など、現代のパラドックスを教皇は指摘。
 高齢者や、配偶者を亡くした人々の孤独、お互いを放棄し合った夫婦、理解してもらえない人々、利己主義や暴力に走る人々、お金の奴隷となった人々、迫害や戦争から逃れる難民、消費文化の犠牲となった若者たちなど、現代の家庭の姿は、豊かな愛で固く結ばれた絆を保つことが困難な社会をそのまま表している、と語った。
 忠実で安定した自覚ある愛、家族を形成する愛は、古いものであるかのように嘲笑されていると教皇は述べ、出生率が最も低く、妊娠中絶や、離婚、自殺、環境汚染率が最も高いことが進歩した社会であるかのように見る今日の傾向に懸念を示した。
 一致して共に歩む男女の愛こそが人間の孤独を消し去るのであり、神は幸福のために、愛し愛される、素晴らしい愛の体験を生きるために、人間を創られたと教皇は説いた。
 教会は基本的価値を教え、守り、真の愛に向けて教育するものであると同時に、傷ついた人間に対する善きサマリア人としての使命を忘れてはならない、と教皇は、関係者らに呼びかけた。


◎カトリック神父が同性愛を公表

 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)教理省のクシシュトフ・ハラムサ神父(43)が10月3日、自身が同性愛者であることを公表した。
 4日から開催される司教会議では同性愛信徒への対応を協議することになっており、直前の公表に、バチカン広報事務所は声明を発表、ハラムサ神父の行動が「司教会議に対するメディアの過度な圧力を誘発するもので、非常に重大で無責任」だと批判した。さらに同神父が教理省やカトリック大学で職務を継続することはできないとの見解を示した。
 AFP通信によると、ハラムサ神父は、パートナーであるカタルーニャ人のエドゥアルドさんとローマ市内で記者会見し公表した。神父のカラーを着けたハラムサ神父は、性的少数者に対するカトリック教会の姿勢を形成しているのは偽善や妄想であり、声を上げないわけにいかないと語った。
 神父は、「同性愛を公言してとても満足している」と述べた。またイタリア語で「沈黙の中で苦しんできたあらゆる性的少数者たちと、その家族の代弁者になりたい」と語ったという。
 教皇は9月下旬の訪米中、同性カップルに結婚許可証の発行を拒否した地方公務員とひそかに面会し「気持ちを強く持って」などと励ました一方、同性愛者のかつての教え子と旧交を温めてもいる。


◎次回世界家庭大会はアイルランドの首都ダブリンで

 【CJC=東京】教皇フランシスコは9月27日、米フィラデルフィアで第8回世界家庭大会の閉会ミサを捧げた。
 ミサの終わりに、3年ごとに開催される世界家庭大会の次回2018年度の大会は、アイルランドの首都ダブリンで行うと発表された。
 9月19日からキューバを、22日から米国を訪れていた教皇は、これで9日間にわたる司牧訪問旅行を終了した。
 帰国に先立ち、フィラデルフィア空港で、教皇は同大会主催者やボランティアの人々に感謝を表明。多くの恵みと機会に恵まれたこの地で、疎外された人々や貧しい人々に関心を注いで欲しいと要望した。
 ジョー・バイデン副大統領や教会関係者に見送られた教皇は、特別機でフィラデルフィアを発ち、イタリア時間28日午前、ローマに帰着した。


◎教皇、中国との関係改善に意欲示す

 【CJC=東京】ANSA通信によるとして、読売新聞の報じるところでは、教皇フランシスコは9月28日、「中国に行きたい。中国と友好関係を持つ機会があればと願っている。我々は前に進む必要がある」と述べた。
 教皇が、米国からの帰途、特別機上で記者団に語ったもので、バチカンと国交を持たない中国との関係改善に改めて意欲を示した、と見られる。


◎教皇の中国重視に台湾外交部が国交維持へ

 【CJC=東京】訪米を終えた教皇フランシスコが帰国途中の特別機内で、中国との関係に触れたのを受け、台湾政府(中華民国)外交部の王珮玲報道官は9月29日、信教の自由などを推進するバチカン(ローマ教皇庁)の方針に理解を示す一方、大陸との交流に際して、同国が「台湾の人々の感情を重視すると信じている」と述べた。台湾の通信社『中央社』が報じた。
 王報道官は、両国の友情の歴史は長く関係は強固であるとした上で、バチカンと中国大陸の対話に関する状況は全て把握していると強調。また、外交部はバチカンの国際活動などに積極的に参加し、今後も関係強化を図っていくと述べた。
 バチカンは、欧州で中華民国と外交関係を維持している唯一の国で、中国(北京政府)とは外交関係を結んでいない。


◎教皇が同性婚拒否の郡書記官と面会していた、と米紙

 【CJC=東京】教皇フランシスコが米国訪問中に、同性カップルへの結婚許可証発行を拒否したケンタッキー州ローワン郡のキム・デービス書記官と非公開で面会していた。米紙ニューヨーク・タイムズ9月30日報道として、AFP通信が伝えた。
 デービス書記官の弁護士のマシュー・ステーバー氏は同紙に対し、書記官が24日、ワシントンのバチカン(ローマ教皇庁)大使館に内密に呼ばれ、約15分間教皇と面会したことを明らかにした。
 ステーバー氏は「教皇は彼女の勇気に感謝し、『強くあり続けなさい』と語りかけた」と述べている。


◎米オレゴン州の大学で銃乱射、10人死亡

 【CJC=東京】米オレゴン州ローズバーグにある大学で10月1日、銃乱射事件があり、警察によるとこれまでに10人が死亡し、7人が負傷したことが確認された。容疑者も、警察との銃撃の末、現場で死亡した。
 現場は、同州南西部ローズバーグにある2年制大学『アムクワ・コミュニティー・カレッジ』で、1日午前10時40分ごろ、「銃撃が起きている」との通報が警察にあったという。
 米メディアは捜査当局の話として、犯人はクリス・マーサー容疑者(26)だと報じている。
 CNNテレビは、キリスト者を狙ったとの負傷者の話を報道、容疑者らしき人物が前夜、ソーシャルメディアに銃撃計画を投稿していたとも伝えている。投稿には「自分がニュースになるのは今回だけだ。自分は取るに足らない人間だ」などと書かれていたという。
 ローズバーグ市は、人口2万人あまり。白人が9割を占める。同大の学生数は約3000人。


◎米乱射の地元で客足伸びる銃販売店

 【CJC=東京】米オレゴン州ローズバーグの乱射事件は、米国に再び銃の問題を突きつけた。しかし現地では事件後も、銃規制を求める声は上がってこない、と朝日新聞が報じている。地元では狩りや自衛のため銃を持つ人も多く、逆に「学校の警備員や学生にも銃を持たせるべきだ」という声も出ているという。
 乱射事件のあった翌2日、町の銃販売店を同紙記者が訪れると、ライフル銃などを物色する人で混み合っていた。オーナーのキャンディー・キニーさん(45)は、「自分の身は自分で守らなければ、と考える客が銃を買いに来る」と話す。普段は1日に売れるのは5丁ほどだが、この日は20丁以上売れたそうだ。
 今回乱射事件のあった『アムクワ・コミュニティー・カレッジ』では、学校内への銃持ち込みは禁止され、学校の警備員も丸腰だった。同校で心理学を教えるシンディ・ウィルキンソンさん(55)は、「教師や学生にも銃を持たせるべきだ」と話している。


◎米軍がアフガンで『国境なき医師団』病院空爆

 【CJC=東京】国際医療NGO『国境なき医師団』は10月3日、アフガニスタン北部のクンドゥズで運営する病院が同日未明に空爆を受け、患者やスタッフ計16人が死亡した、と発表した。現地では反政府勢力タリバーンとアフガン軍が交戦中。
 『国境なき医師団』によると、空爆があった3日午前2時10分の時点で、院内には患者や家族ら105人と、外国人を含む80人以上のスタッフがいた。米軍には病院の正確な位置を事前に知らせてあり、攻撃を受けた直後にも通報したが、その後も30分以上、空爆はやまなかったという。
 タリバーンは9月28日にクンドゥズを占拠。3日後に政府側が大半部を奪還した後も、なお潜伏するタリバーン勢力との間で銃撃戦が続いていた。


◎サンパウロ日系福音ルーテルが創立50周年

 【CJC=東京】ブラジルの邦語紙『ニッケイ新聞』によると、サンパウロ日系福音ルーテル教会(徳弘浩隆牧師)が創立50周年を記念し、10月11日夕、同教会で記念「フェスタ」を開く。
 日本移民の心のケアを目的に、スイス、米、ブラジルのルーテル教会が資金を出し1965年設立された。日本が派遣する牧師は8代目。
 ブラジル福音ルーテル教会のイナシオ・レンキ副議長による記念礼拝に続き、日本福音ルーテル教会の大柴譲治副議長(むさしの教会牧師、上智大学グリーフケア研究所客員所員)が、「終活〜変えられるのは自分と未来」をテーマに記念講演を行なう。


◎教皇フランシスコがロックでデビュー

 【CJC=東京】「ロックスター」とあだ名が付けられれていた教皇フランシスコ(78)が、実際にロック作品で、ボーカリストとしてレコードデビューする。
 ビリーブ・デジタルから11月27日にリリースされるアルバム「ウエイクアップ!」(目覚めよ)で、バチカン(ローマ教皇庁)も公認しているという。
 収録されているのは、平和、威厳、環境問題、恵まれない人々への支援などを訴える11曲。教皇の祈りやスピーチなどもある。
 すでに試聴サイトにもアップされている。シンフォニックなプログレッシブ・ロックを思わせるという評価もある。
 教皇の「目覚めなさい」というスピーチのバックに、ギター、ドラム、さらにオルガン、ホーン&ストリングスをフィーチャーしている。最後の歌い出しは、これが「これ本当に教皇?」と聞いた人が言うほどだとか。
 メッセージも日本語なら「寝ていちゃ、ロックも、ダンスも、楽しめないぜベイベー!」にもなるかも、とはネットの『楽天ソーシャルサイト』。


◎チャーリー・ブラウンのクリスマス・スタンプ発行

 【CJC=東京】漫画『ピーナッツ』でおなじみの人気者チャーリー・ブラウンがテレビに登場50周年を記念して、『米国郵便』(USPS)がクリスマス・スタンプを発行した。
 著者の名を付けた、カリフォルニア州サンタローザの『チャールズ・M・シュルツ博物館』で10月1日、公開式典が行われた。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(10月4日)=https://www.cwjpn.com
★教皇、米東部3都市を訪問=首都ワシントン 米議会で初の演説=共通善求めるよう促す
★教皇=ニューヨーク 国連総会で演説=人命の神聖さ訴える
★教皇=キューバを訪問=貧しい人々に配慮を
★日本カトリック「正義と平和」全国集会=今こそ地上に平和を=20の分科会、人権など考える=東京大会
★全国の寺院=お供え物で家庭支援=広がる「おてらおやつクラブ」

 =キリスト新聞(10月3日・休刊)=https://www.kirishin.com

 =クリスチャン新聞(10月4日)=https://クリスチャン新聞.com
★教会の戦後70年 50+20=「二度と戦争に加担しない」=朝岡勝氏「教会がそのことを決断する今日に」
★バイク・ツーリングで秋満喫=松原湖バイブレーション・ジャム
★子どもの経済・意欲・希望の格差考える=「貧困は不利の蓄積」=関西セミナーハウス 開発教育セミナー
★精神障害者グループホーム「ホサナホーム」=滞在型の新たな建設を=1億円の経済支援 集会で必要訴え
★岩渕まことさんとGod Bless Youを歌おう!=中高大学生ら 入居者たちの前で一緒に=福祉の現場見てほしい、と

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