世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1213信(2014.04.21)

  • 世界の教会が復活祭を同日に祝う
  • プーチン大統領も復活祭式典に出席
  • 教皇フランシスコの復活祭メッセージ
  • 映画『ノア 約束の舟』が早くもヒット確実
  • 《短信》
  • 《メディア展望》


◎世界の教会が復活祭を同日に祝う

 【CJC=東京】4月20日、今年は世界の教会が復活祭(イースター、パスカ)を祝った。復活祭は「春分の後の満月の直後の日曜日」に祝うとされているが、春分をユリウス暦は3月21日、グレゴリオ暦では3月19日から22日までとしており、さらに満月の日も年々移動するので、ユリウス暦を採用している東方教会とグレゴリオ暦の西方教会が同じ日に復活祭を祝うのは3年ぶり。次回も3年後の2017年だが、その次は2025年になる。
 イエス・キリストが十字架に掛かり、昇天したとされる聖地エルサレムには、今年も世界各地から巡礼数千人が集まった。4月20日、聖墳墓教会のミサはラテン典礼のフアド・トワル総司教が司式した。
 イエス誕生の地とされるパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区のベツレヘムでも生誕教会に信者が集まり、蝋燭に点火、祈りを捧げた。
 170万人とイスラム教徒が圧倒的なガザ地区でも3000人足らずのキリスト者が復活祭を祝った。
 中東全域に影響を与える紛争激化の中で、聖地のキリスト者は出国などで減少が止まらない。
 教皇フランシスコは19日夜、復活徹夜祭をバチカンのサンピエトロ大聖堂で行った。明けて20日、復活の大祝日の朝のミサをサンピエトロ広場で行った。 サンピエトロ広場には、教皇のメッセージを聞こうと、世界中の信者ら約15万人が詰めかけた。
 同日正午、教皇はサンピエトロ大聖堂の中央バルコニーから、ローマと世界に向けたメッセージと祝福、「ウルビ・エト・オルビ」を述べた。
 教皇は、混迷するウクライナ情勢について、「団結と対話の精神で、あらゆる当事者が暴力を避ける努力をするように」と、国際社会に平和的な解決を呼びかけた。また、政府軍と反体制派の内戦が3年以上続くシリア情勢に関して「紛争被害者が人道支援を受け取れるようにし、双方が無防備な人々への武力行使をやめ、勇気を持って和平交渉に臨んでほしい」と求めた。


◎プーチン大統領も復活祭式典に出席

 【CJC=東京】ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とドミートリー・メドヴェージェフ首相は4月20日、モスクワの救世主ハリストス大聖堂での復活祭(パスカ)式典に出席した。モスクワ総主教庁のキリル総主教がロシア市民とウクライナ市民のために祈り、「聖なるロシアの破壊を望む人たちの計画の終結」を呼び掛けた。
 親ロ派がドネツク州庁舎などの占拠を続けるウクライナ東部ではモスクワ総主教庁系の正教会に多くの市民が訪れて祈りをささげた。
 ドネツク州スラビャンスク近郊では20日未明に銃撃戦が発生、少なくとも3人が死亡した。ジュネーブでまとまった4者合意後で、死者が出たのは初めて。
 キエフ総主教庁系の正教会でも復活祭の式典が行われた。フィラレ総主教は、同国東部への支配を強めているロシアを「敵」と決めつけている。


◎教皇フランシスコの復活祭メッセージ

 【CJC=東京】教皇フランシスコは復活祭の4月20日正午、バチカンのサンピエトロ大聖堂中央バルコニーから、ローマと世界に向けたメッセージと祝福、「ウルビ・エト・オルビ」を述べた。
 バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇の復活祭メッセージは次の通り。
 親愛なる兄弟姉妹の皆さん、聖なる復活祭、おめでとうございます!
 世界中に散らばった教会に、天使が婦人たちに告げた言葉が響きわたります。「恐れることはない。あなたたちが十字架につけられたイエスを探していることは知っている。イエスはここにはおられない。復活されたのだ。...来て、遺体の置いてあった場所を見なさい」(マタイ28・5〜6)。 「恐れることはない!主は復活された!」
 これは福音書の頂点、最高の良き知らせです。十字架につけられたイエスは、復活されました!この出来事はわたしたちの信仰と希望の基礎です。もし、キリストが復活されなかったならば、キリスト教はその価値を失うでしょう。教会のすべてのミッションはその活力を失うでしょう。なぜならそこから教会は出発し、常に再出発するからです。
 キリスト教徒が世界にもたらすメッセージ、それは、愛の受肉であるイエスは、わたしたちの罪のために十字架上で死なれたが、神なる御父はイエスを復活させ、命と死の主とされた、ということです。イエスにおいて、愛は憎しみに、憐れみは罪に、善は悪に、真理は偽りに、生は死に打ち勝ちました。
 それゆえに、わたしたちは皆に告げます。「来て、見なさい!」と。弱さや罪や死にしるされたあらゆる人間的状況において、この良き知らせは単なる言葉ではなく、無償で誠実な愛の証しです。それは自分自身の外に出て他と出会うこと、人生に傷ついた人に寄添うこと、必要な物に事欠く人と分け合うこと、病気の人、お年寄り、疎外された人の隣に留まることです...。「来て、見なさい!」愛はより強く、愛は命を与え、愛は砂漠に希望の花を咲かせます。
 この喜ばしい確信を胸に、わたしたちは今日、復活の主に祈り求めます!
 皆があなたと出会えるように、あなたを探すのを助けてください。わたしたちには御父がおられ、みなし子になることはありません。わたしたちはあなたを愛し、礼拝します。
 飢えの苦しみを撲滅できるよう助けてください。飢えは紛争によって、またわたしたちもしばしばその責任を負うように多大な無駄によって深刻化します。
 無防備な人々、特に子どもたち、女性、お年寄りを守ることができるよう助けてください。彼らは時に搾取され、見棄てられています。
 ギニア・コナクリ、シェラレオーネ、リベリアにおけるエボラ熱や多くの疾病に苦しむ兄弟たちの治療を助けてください。疾病は無関心や極度の貧困にもよって広がります。
 世界の各地で拉致された多くの人々、司祭や信者たちのように、愛する人たちから不当に引き離され、今日、復活祭を親しい人たちと祝うことのできない人々を慰めてください。
 より良い未来を求め、祖国を離れて移民した人々を慰めてください。彼らが尊厳ある生活をし、自分の宗教を自由に信じることができますように。
 栄光のイエスよ、あなたに祈ります。すべての戦争、大小、新旧のすべての敵対を止めてください!
 シリアのためにあなたに願います。愛するシリアで、紛争で苦しむ人々が必要な人道的援助を受け、対立する双方が特に無防備の市民に死を撒き散らすことがないよう武器を納め、これほどにも待たれる平和交渉への勇気を持つことができますように。
 栄光のイエスよ、イラクにおける兄弟間の暴力の犠牲者を慰めてくださるよう、イスラエルとパレスチナの和平交渉の再開への希望を支えてくださるよう、あなたに頼みます。
 中央アフリカ共和国の衝突を終わらせ、ナイジェリアのいくつかの地域での残忍なテロや、南スーダンでの暴力を止めることができるよう、あなたに祈り求めます。
 ベネズエラにおいて兄弟間の和解と平和が行なわれるよう、あなたに願います。
 あなたの復活を、今年はユリウス暦に従う教会と一緒に祝います。ウクライナの平和構築への取り組みを照らし、導くよう、あなたに祈ります。すべての当事者が、国際社会の支援のもと、暴力を回避するあらゆる努力に着手し、国の未来を一致と対話の精神で築いていくことができますように。彼らが兄弟として、今日、共にキリストの復活を告げられますように。
 地上のすべての民のためにあなたに祈ります。主よ、あなたは死に打ち勝ちました、わたしたちにあなたの命を、あなたの平和をお与えください!
 「キリストは復活されました。来て、見なさい!」
 親愛なる兄弟姉妹の皆さん、復活祭おめでとうございます!


◎映画『ノア 約束の舟』が早くもヒット確実

 【CJC=東京】聖書に描かれた「ノアの方舟」を扱うパラマウンド映画『ノア 約束の舟』(ダーレン・アロノフスキー監督)は3月28日に北米で公開されて1カ月、すでに北米だけで8500万ドル(1ドルは約103円)を売り上げた。北米以外も1億6200万ドルで、製作費1億2500万ドルの映画としてはヒットと言えよう。日本では6月13日に公開の予定。
 しかし宗教団体の多くは、神聖なストーリーもハリウッドの手にかかると、めちゃくちゃになるのではないかと、懸念の声を上げていた。エンタテインメント業界情報サイト『バライエティー』は2月に、宗教心の強い観客のほとんどが『ノア』に不満であるとの調査結果を報じた。パラマウント側は、調査対象者が『ノア』を見ておらず、また質問は「聖書にもとづくハリウッド映画に満足をしているか」という幅広い問いかけだったと反論している。
 アカデミー賞受賞を狙う作品は年末近くに公開されることが多いが、『ノア』に関しては、早くも候補作との声も上がっている。


《短信》

〇教皇が韓国沈没事故の遺族に「深い慰めを」
 韓国の聯合ニュースによると、教皇フランシスコが全羅南道・珍島沖で起きた旅客船沈没事故の遺族に、深い慰めの言葉を伝えた。バチカン(ローマ教皇庁)国務省が4月17日発表した。(CJC)


《メディア展望》

 =カトリック新聞(4月20日)=https://www.cwjpn.com
★2教皇列聖へ=4月27日=世界を変えたヨハネ・パウロ2世=公会議で教会を改革したヨハネ23世
★神の目で見る"上智"=教皇=「聖霊のたまもの」で講話
★イエズス会士殺害=シリアにとどまった神父
★バチカン銀行存続へ=透明性、説明責任を強化
★ルワンダ大虐殺から20年

 =キリスト新聞(4月19日)=https://www.kirishin.com
★観世能楽堂=鎮魂と復興の祈りを込めて能と文楽=古典芸能で描く〝普遍性〟
★日本宗平協、「防衛装備移転三原則」に抗議
★「学問体系論」テーマに研究=青学総研のプロジェクトが終了
★THE ALFEEに名誉学士 明治学院大学が功績を評価
★本屋が売りたい新刊10点をノミネート=第4回キリスト教本屋大賞

 =クリスチャン新聞(4月20日)=https://jpnews.org
★第6回日本伝道会議(JCE6)神戸パートナー会議=日本伝道会議テーマ「Re‐VISION」に=「2016年に向け、福音を、世界を、可能性を、見直す」
★社会福祉法人三重ベタニヤ=念願の特養「アガペホーム」を開設
★東京・上板橋キリスト教会が火災=近隣諸教会 支援呼びかけ
★東日本大震災三年後牧会者セミナー・レポート=休息から前向きへ
★戦前の美濃ミッション迫害記録復刻=石黒次夫氏逝去


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