世界キリスト教情報 第1207信（2014.03.10）
- 教皇が韓国訪問で朴大統領と会談も
- ＷＣＣ総幹事が教皇フランシスコと会見
- 教皇が児童虐待根絶でカトリック教会擁護
- 教皇のイスラエル訪問に懸念
- 「列聖」控え、ローマでの宿泊はもう困難に
- 世界福音同盟のタニクリフ総幹事が年末退任へ
- 正教会指導者がイスタンブールに集結
- ニューヨークでも大震災追悼式典
- 《短信》
- 《メディア展望》
◎教皇が韓国訪問で朴大統領と会談も
【ＣＪＣ＝東京】韓国の聯合ニュースによると、大統領府は３月１０日、教皇フランシスコが８月１４日から５日間の日程で韓国を訪問すると発表した。
教皇は朴槿恵大統領と会談するほか、１３〜１７日に中部・大田などで開かれるカトリック教会の祭典「アジア青年の日」に出席する。昨年３月の就任後、教皇フランシスコがアジアを訪問するのは初めて。教皇の韓国訪問は１９８９年のヨハネ・パウロ２世以来、２５年ぶり。
教皇は滞在中、１８〜１９世紀の韓国のカトリック殉教者１２４人に対し「聖人」に次ぐ「福者」の称号を与える列福式も行う。
韓国のカトリック信徒数は２０１１年現在約５２２万人。アジアで５番目に多い。
◎ＷＣＣ総幹事が教皇フランシスコと会見
【ＣＪＣ＝東京】世界教会協議会（ＷＣＣ）のオラフ・フィクセ＝トゥヴェイト総幹事は３月７日、バチカン（ローマ教皇庁）を訪問、教皇フランシスコと会見した。カトリック教会側『キリスト教一致評議会』の招きによるもの。
トゥヴェイト総幹事は、キリスト者一致の重要性を強調、また教皇のシリア和平の為に祈る呼び掛けと、経済正義へ向けて働くキリスト者を励ます中で、貧者を念頭に置くよう教会に呼び掛けていることに賛意を示した。
総幹事は「今日、神はわたしたちの一致のため、また世界がキリストにおけるわたしたちの交わりを見ることの出来るように、特にわたしたちが共にこの世界に仕える方法について、新たな道を開いておられることを信じる」と語った。総幹事はさらに、福音を分かち合うことの喜びに触れた教皇の使徒的勧告「エヴァンジェリ・ガウディウム」（仮訳＝福音の喜び）に言及した。
「ＷＣＣは、深いキリスト者の連帯の中で、正義と平和のために、また全人類の利益のために働くことへの呼び掛けが、キリスト者の家庭の多くで必要な福音とされていることを歓迎する」と総幹事は強調した。
総幹事は、教皇のエルサレム訪問とエキュメニカル総主教バルトロメオス１世との会見予定にも言及、「平和へ向けた維持可能な結論が緊急に求められている時に、巡礼として行かれることを心から歓迎する」と語った。
教皇との個人的な対話は「とても前向き」だったと総幹事は述べた。
◎教皇が児童虐待根絶でカトリック教会擁護
【ＣＪＣ＝東京】教皇フランシスコが、聖職者による児童性的虐待を根絶するために「これほど尽力した組織は他にない」として、ローマ教会の取り組みを擁護した。イタリア紙『コリエーレ・デラ・セラ』に３月５日掲載されたインタビューの中で語った、とＡＦＰ通信が報じている。
教皇は「ローマ教会は、透明性と責任感を持って行動してきた恐らく唯一の公的機関だ。これほど尽力した組織は他にない。にもかかわらずローマ教会だけが、唯一攻撃されている」と述べた。
１３日が就任１周年の教皇は、虐待事件を「非常に深い傷を残すおぞましいもの」だと述べ、「子どもに対する暴力という現象に関するデータは衝撃的だ。虐待の大多数が家庭内や近所で発生していることも明示されている」と語った。
◎教皇のイスラエル訪問に懸念
【ＣＪＣ＝東京】バチカン（ローマ教皇庁）は、イスラエル外務省でストライキが発生したため、教皇フランシスコの同国訪問が取り止めになる、との噂を３月７日否定した。
バチカン報道事務所長のフェデリコ・ロンバルディ神父は、ストライキが長引けば困難は生じるかもしれないが、５月の訪問に向けて準備は進められている、と語った。国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿も同日、報道陣に「訪問はスケジュール通りに行われる」と述べた。
◎「列聖」控え、ローマでの宿泊はもう困難に
【ＣＪＣ＝東京】ローマでは、４月２７日直前の終末、ホテルも民宿もほぼ満杯で、予約も難しくなっている。イタリアのＡＮＳＡ通信が報じた。２７日に行われる教皇ヨハネ・パウロ２世とヨハネ２３世の列聖式典に合わせての事態。
３０００カ所を超える市内の宿泊施設の内、７日現在で早くも空室のあるのは僅か５００カ所になった。
◎世界福音同盟のタニクリフ総幹事が年末退任へ
【ニューヨーク＝ＣＪＣ】世界福音同盟（ＷＥＡ）国際評議会がニューヨークで開催した年次会議で３月７日、最高経営責任者（ＣＥＯ）兼総幹事のジェフ・タニクリフ氏が、２０１５年から始まる第３期を務める意図のないことを明らかにした。２００５年に第１３代総幹事に就任して以来、同氏は５年の任期を２期目を務めている。
国際評議会のナダバ・マザバネ議長は、「ジェフは大きな功績を残した。その貢献は際立っている。世界の教会が変革に直面している時にＷＥＡの役割を革新するため、若い世代にリーダーシップを委ねようとして今回の意思表示になった」と声明を発表した。
今年末の退任を控え、国際評議会は後任選定の話し合いに入っている。
世界福音同盟は１８４６年に英国で創設された『エバンジェリカル・アライアンス』をもとに発展してきた福音主義教会の世界的連合体。１９５１年に現名になった。世界７地域と各国１２９の福音同盟と１５０関係団体が加入、ＩＴ（情報技術）委員会、ミッション委員会、信仰の自由委員会、神学委員会、女性委員会、青年委員会で構成されている。
◎正教会指導者がイスタンブールに集結
【ＣＪＣ＝東京】自立東方正教会の全指導者がイスタンブールに集まり、コンスタンチノープルのエキュメニカル総主教座本部で３月６日から９日まで会談した。
ロシアのインターファクス通信は、「この階段が、全正教会協議会への準備と、中東のキリスト者の状況を検討するため」のものと報じている。全正教会協議会はこれまで１０００年以上も開かれていない。
◎ニューヨークでも大震災追悼式典
【ＣＪＣ＝東京】米ニューヨーク市中心部マンハッタンの『第一科学者キリスト教会』で３月９日、東日本大震災３周年の追悼式典「ＴＯＧＥＴＨＥＲ ＦＯＲ ３・１１」が開かれた。市民や在留邦人ら約５２０人が参加した。主催者代表のシンガー・ソングライター、ＡＫ（柿原朱美）さんは「遠く離れたニューヨークでも、犠牲者のために祈り、一緒にがんばろうという声を届けたい」とあいさつした。
広木重之ニューヨーク日本総領事の呼びかけでまず黙とう。櫻井本篤ジャパン・ソサエティー理事長医や佐々木健二郎ニューヨーク宮城県人会会長らが追悼スピーチをした。岩手県大槌町、福島県相馬市など被災各地から現状を報告するビデオが流され、最後は全員で唱歌「ふるさと」を合唱した。
《短信》
〇「銃が当たる」米の教会イベントに非難殺到
米ケンタッキー州のバプテスト派ローンオーク・ファースト・バプテスト教会が、賞品として銃が当たるイベントを企画し、非難が巻き起こっている。（ＣＪＣ）
《メディア展望》
＝カトリック新聞（３月９日）＝https://www.cwjpn.com
★バチカン財政機構改革＝新たに財務評議会と財務省
★教皇フランシスコ＝ためらわず「病者の塗油」を
★教皇＝現代の戦争に関心を＝武器製造業者を非難
★福島の農家のために奔走＝「食」考える活動にも意欲＝福島・二本松教会＝柳沼千賀子さん
★復興の拠点＝新たな出発＝旧・大槌ベース解体
＝キリスト新聞（３月８日）＝https://www.kirishin.com
★東日本大震災から３年＝「苦難通し、壁越え、次世代へ」＝１００年後見据え、「国際神学シンポ」
★被災地子どもケアの小冊子＝第３集を聖学院大が無料配布
★いのちの電話＝性的少数者にどう寄り添うか＝上川あや氏が苦悩を振り返る
★スペイン年を記念しロマネスク美術講座
★執行猶予付き有罪判決＝ソウル中央地裁＝趙鏞基牧師に
＝クリスチャン新聞（３月９日）＝https://jpnews.org
★「神の国」目指す青年を＝次世代育成を問う＝秋田＝国際教養大に学ぶグローバル人材
★第２回ＮＳＤセミナー＝「教会では本音を出さない」から教会を建て上げる若者になって＝学生伝道団体主事がクリスチャン青年像提言
★創氏の悲しみに復活の詩句＝クリスチャン詩人尹東柱ゆかりの地で追悼集会
★原発メーカー訴訟＝関西で集会＝住民、運動団体、教会＝手をつなぎ反原発を
★神の払った犠牲を思え＝キリスト自身を求めよ＝第５３回日本ケズィック・コンベンション
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