世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1198信(2014.01.06)

  • 「世界のキリスト教・教会十大ニュース」2013年
  • 米の富豪が「貧者を愛する」教皇に反発
  • 教皇が5月にパレスチナとイスラエル訪問
  • 教皇、新年の祈りで世界の連帯を訴える
  • 被爆者の俳句を英訳した神父殺害される
  • マレーシア・セランゴール州で聖書押収される
  • 比司教協が台風被災地復興への祈り続ける
  • カメルーンで拉致された神父釈放
  • 北アイルランドで宗派間対立解消に向けた協議決裂
  • 米メノナイト教会にも公然同性愛「牧師」
  • ハリウッド映画は聖書頼み?
  • 《メディア展望》


◎「世界のキリスト教・教会十大ニュース」2013年

『世界キリスト教情報』が1月2日、2013年の「世界のキリスト教・教会十大ニュース」を選定した。

▽教皇ベネディクト16世が異例の生前引退
▽新教皇にアルゼンチンのベルゴリオ枢機卿
▽新カンタベリー大主教にウェルビー前ダラム主教
▽バチカンとルーテル世界連盟が共同文書『争いから交わりへ』。17年に「宗教改革500年」記念行事
▽「同性愛」に取り組んで来た『国際エクソダス』が活動停止
▽バチカン銀行監視に教皇直轄調査委
▽7月下旬『世界青年の日』リオデジャネイロ大会
▽ヨハネ23世とヨハネ・パウロ2世の列聖決定
▽WCC世界大会10月30日から11月8日に釜山で開催
▽アパルトヘイト撤廃を主導したマンデラ元大統領12月5日死去


◎米の富豪が「貧者を愛する」教皇に反発

 【CJC=東京】ニューヨーク名所の一つカトリック教会のセント・パトリック大聖堂が改修計画を立て、献金を募っている。しかし富豪として知られるメガストア『ホーム・デポ』の創設者ケネス・ランゴン氏(78)が、このほどニューヨーク大司教のティモシー・ドーラン枢機卿に、ある匿名の寄付者が、7桁の献金を取り止める考えだ、と伝えたことが明らかになった。
 ランゴン氏自身、敬けんなカトリック信徒だが、教皇フランシスコが使徒的勧告『エヴァンジェリ・ガウディウム』で、教会が「貧しい人のための、清貧な教会」であるよう説き、「強者の論理」が勝る現在の経済システムを根本から正しくないもの、としたことに「排他的」と反発している。
 ランゴン氏は、ドーラン枢機卿に、富者がどの国でも同じように行動するわけではないと訴えたという。枢機卿は、「それは教皇の言おうとすることを誤解しているのだ。教皇は貧者を愛するが、富者も愛している。正しく理解してほしい」とテレビで語っている。
 『慈善援助ファウンデーション』(GAF)の調査では、寄付については米国が首位。


◎教皇が5月にパレスチナとイスラエル訪問

 【CJC=東京】教皇フランシスコ教皇が、5月24〜26日にパレスチナ、イスラエルなどを訪問する。アンマン、ベツレヘム、エルサレムを歴訪、エルサレムでは、東方正教会のエキュメニカル総主教バルトロメオス1世とともにミサを行う。
 バチカンのサンピエトロ広場の信徒に向けて語りかける「正午の祈り」で1月5日、教皇自身が発表した。教皇にとっては昨年7月のブラジル訪問に次ぐ2度目の外国訪問。


◎教皇、新年の祈りで世界の連帯を訴える

 【CJC=東京】教皇フランシスコは1月1日、バチカンのサンピエトロ広場で、教皇就任後初の新年のお告げの祈りを行った。集まった巡礼者らを前に、教皇は世界の連帯をいっそう大きく強くするよう呼びかけた。
 AFP通信によると、さらに教皇は、世界の「平和を求める叫び」が対話を促し、「敵同士がお互いを兄弟と見なすのを妨げている壁を取り壊す」ことを望んだ。
 また、教皇は同日、ローマ市内サンタマリア・マッジョーレにある教会を予定外に訪問、聖母マリア像の前で祈りを捧げた。昨年3月の教皇選出後の最初の朝、フランシスコ教皇が訪れた教会。


◎被爆者の俳句を英訳した神父殺害される

 【CJC=東京】米カリフォルニア州ユーレカでカトリック・セントバーナード教会のエリック・フリード神父が1月1日、司祭館で殺害されているのを発見された。着任以来、現地の日本人コミュニティなどへの司牧に務めた。また州立ハンボルト大学で宗教学を講じていた。
 同神父は、原爆投下時、広島市立第一高等女学校4年生だった高梨曠子さんが、被爆50年を区切りに自らの被爆体験と向き合い、詠んだ俳句を英訳し、『被爆体験を俳句に』を執筆した。2009年に広島カトリック教会関係者の手で出版された。
 同神父は2002年夏、高梨さんに出会い、「美しい日本語の詩に被爆者の思いが凝縮され、米国人の心に響く」と俳句の英訳を決意した。句中の言葉の解説、多数の生徒が原爆の犠牲になった女学校の沿革、高梨さんの思いにも触れながらまとめたという。
     ◇
 【CJC=東京】米カリフォルニア州ユーレカのセントバーナード・カトリック教会のエリック・フリード神父が1月1日、司祭館で殺害されているのを発見された事件で、現地警察が2日、同州ハンボルト郡の住民ゲイリー・リー・バロック容疑者(43)を逮捕した。神父が運転していた自動車も付近で発見された。
 ロサンゼルス・タイムズ紙によると、警察は、司祭館で「激しい格闘」の後に容疑者がフリード神父を殺害したものと見ている。動機はまだ明らかでないが、双方のこれまで関係がなかったことから、偶発的な犯行の可能性がある。
 バロック容疑者は12月31日昼過ぎ、公共の場で泥酔しているとして逮捕され、病院での検査の後、収監されたが、元日早朝に釈放されている。午前2時ごろ、教会に不審者がいるとの通報を受け、警察がバロック容疑者を発見したものの、緊急保護施設に送付した。容疑者はそこからまた教会に立ち戻ったと見られる。


◎マレーシア・セランゴール州で聖書押収される

 【CJC=東京】マレーシア・セランゴール州イスラム宗教局が1月2日、ペタリンジャヤにあるマレーシア聖書協会からマレー語の聖書321冊とイバン語版の聖書10冊などを押収した。その聖書では「神」の表現に「アラー」を使用していることが理由とされている。
 マレーシアでは、カトリック教会が2008年に機関誌で神を「アラー」と表現したことから、内務省が「アラー」の使用を禁止した。これに対し教会が提訴、高裁で勝訴していたが、13年10月、控訴審で逆転敗訴した。ただ判決の解釈をめぐって政府内でも意見の不一致があるとも報じられ、混乱、論争が続いている。
 セランゴール州ではスルタンのシャラフディン・イドリス氏が、州内で非イスラム教徒は「アラー」との表現を使用してはならないとの命令を発したが、マレー語版の聖書で「アラー」が使用され続けていた。
 今回の措置は、一連の問題の発端となったキリスト教系週刊誌『ヘラルド』の編集者ローレンス・アンドリュー神父が12月27日、インターネット上で、セランゴール州で行うマレー語の礼拝で「アラー」を使用すると宣言したことを受けてのものと見られる。


◎比司教協が台風被災地復興への祈り続ける

 【CJC=東京】フィリピンのカトリック司教協議会(CBCP)のビリェガス議長は1月1日、新年を迎えたメッセージを発表し、台風「ヨランダ」(台風30号)やボホール地震被災地のいち早い復興を祈り続けると述べた。邦字紙『マニラ新聞』が2日報じた。
 「もう一度始めよう」と題したメッセージで同議長は、「神の恵みに対する感謝の気持ちで昨年を振り返り、新年が最高の1年になるよう期待を込めて新しい始まりを神に祈ろう」と信者に呼び掛けた。


◎カメルーンで拉致された神父釈放

 【CJC=東京】カメルーン北部で2013年11月にイスラム教武装勢力『ボコハラム』系集団に拉致されたフランス人ジョルジュ・バンデンブシュ神父(42)が1月1日釈放され、2日パリ郊外の空軍基地に着陸した。基地にはフランソワ・ホランド大統領が出迎えた。
 釈放に至る経緯は明らかにされていないが、フランス政府、ボコハラム側双方とも身代金授受については否定している。


◎北アイルランドで宗派間対立解消に向けた協議決裂

 【CJC=東京】英国と北アイルランドで行われていた、カトリック系住民とプロテスタント系住民の代表者による宗派間対立の解消に向けた協議が決裂した。北アイルランドでは1998年の和平合意以降、宗派間での対立が激化している。
 協議を仲介した米外交問題評議会のリチャード・ハース会長は、6カ月にわたる交渉を締めくくる協議が12月31日に終了し、合意が成立しなかったと明らかにした。協議再開の日程は決まっていない。


◎米メノナイト教会にも公然同性愛「牧師」

 【CJC=東京】米メノナイト教会マウンテン・ステーツ会議は、コロラド州デンバーの第一メノナイト教会で奉仕しているシーダ・グッドさんが提出していた『宣教ライセンス』申請を11月24日受理した。『メノナイト・ワールド・レビュー』が報じた。
 同性愛者であることを明らかにしていたグッドさんは、2月2日に免許証を受け取り、第一メノナイト教会の牧師に就任する。


◎ハリウッド映画は聖書頼み?

 【CJC=東京】2014年のハリウッド映画の主役はスーパーヒーローではなく聖書ではないか、と英紙『テレグラフ』が報じている。
 ハリウッドでは聖書を題材とする映画の製作が続いており、イエスの母マリアや「ノアの方舟」のノアなどが主人公になると予想される。
 新作『マリア=キリストの母』は、16歳のオデイヤ・ラッシュがマリアを演じるということが注目されている。マリアとヨセフ、イエス・キリストの家族を新たな視点で描いた作品だという。ポスターの最上部には「あなたは信じる」と刺激的な言葉が書かれている。
 3月に全米公開が予定されているのがラッセル・クロウ主演の『ノア=約束の舟』。エマ・ワトソン、アンソニー・ホプキンズなどが出演、動物が方舟に乗り込むシーンや洪水のシーンなどVFX(特撮技術)を駆使して描く大作。方舟はニューヨークのロングアイランドに建設されたという。
 続いてクリスチャン・ベールが主役のモーゼを演じる『エクソダス』。聖書・出エジプト記を題材にしている。ファラオの妻を演じるのはシガニー・ウィーバー。古代エジプトの情景はスペインで再現された。
 さらに、「ドル箱俳優」の1人ウィル・スミスが聖書・創世記のカインとアベルの物語の映画化を進めているとも伝えられる。
 「ハリウッドはフェミニストや環境運動家などの特別なグループに支持されようとして来たが、ここへ来て米国には9100万人の福音派キリスト者がいることに気づいたようだ」と映画作家のフィル・クークは語っている。
 宗教的なことより、金銭的なことに関心を寄せるハリウッドにとっては、聖書の著作権を主張する人がいないことも大きい。原作料を払う必要がないからだ。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(1月5日)=https://www.cwjpn.com
★平和と正義の実現=きょうだい愛なしに不可能=教皇=「世界平和の日」メッセージで
★「日米地位協定」で社会問題研修会="平和を学ぶ場"として=10人の司教、沖縄に集う
★戦国時代のクリスマス=熊本・玉名で朗読劇とシンポ
★真生会館 建て替えへ=青年ら育て続けた拠点
★「国際移住者デー」に向け=外キ協など初のイベント=東京・新大久保

 =キリスト新聞(年末・年始休刊)=https://www.kirishin.com


 =クリスチャン新聞(1月5日)=https://jpnews.org
★歴史超えた民が祈る責任=KGK"キボコク2"ネットで千人超連帯
★日本バプテスト連盟59回総会=「憲法改悪許さない」決意
★バックストン聖会で郷家一二三氏=「心の底岩を砕かれよ」=聖化のパリサイ化を警戒
★東京基督教大学=次期学長に小林高徳神学部長


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