世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1191信(2013.11.18)

  • 東西両教会トップ会談へ環境改善
  • 「聖ペトロ」の遺骨をバチカンが公開へ
  • 山中伸弥教授が教皇庁立科学アカデミー会員に
  • パロリン国務長官がバチカンで執務へ
  • 北朝鮮が「韓国ドラマや聖書」で市民80人を公開処刑?
  • 北朝鮮逮捕の「スパイ」は韓国人牧師=時事通信
  • 「軍国主義的」と隠された壁画がニューヨークで公開
  • 広島の児童との交流描いた映画を米教会で上映
  • カメルーンでカトリック司祭誘拐
  • カタルーニャ伝統の「排便人形」に新教皇も
  • 《短信》
  • 《メディア展望》

◎東西両教会トップ会談へ環境改善

 【CJC=東京】ロシア正教会の最高指導者キリル総主教がモスクワで11月12日、アンジェロ・スコラ枢機卿(ミラノ大司教)と会見した。総主教は、「モスクワ」と「ローマ」の関係の将来に高い期待を表明した。
 総主教は、教皇フランシスコを称賛、「両教会がこれほどまでに多くを共有したことは、これまでになかった」と語った。「歴史的な不一致はもう重要な役割を果たさなくなった」と言う。
 ローマでは、モスクワ総主教座のエキュメニカル担当ヒラリオン府主教が教皇フランシスコを訪問した。府主教は、教皇とキリル総主教との間の会合を「中立的な国」で開催するための交渉が始められたことを明らかにした。
 「サミット会議」を行おうとする動きは教皇ヨハネ・パウロ2世在位中にも数回あったが、ロシア正教会が、会合の前提条件としてバチカンからの譲歩を要求して、実現しなかった。
 ヒラリオン府主教は、「モスクワ」と「ローマ」の間の最近の関係における「暖かさ」に言及した。府主教は、正教会の伝統、特に東方典礼への崇敬と「主教団」に関する教皇フランシスコの評価に言及した。
 府主教は、11月23日の教皇とウラジミル・プーティン大統領の会見を「国家首長の訪問であって、教会間の関係に影響を与えるものではない」と言う。モスクワでスコラ枢機卿も同様の指摘をしており、カトリック教会と正教会は、さらなる結びつきに向かって「政治的な仲介」を必要とはしていない、と語っている。


◎「聖ペトロ」の遺骨をバチカンが公開へ

 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)は、十二使徒の筆頭とされる「聖ペトロ」の遺骨を公開する、と発表した。『信仰年』が終わる11月24日を期してのもの。
 新福音化推進評議会議長のサルバトーレ・フィジケッラ大司教がバチカン機関紙『ロッセルバトレ・ロマノ』11月11日付で明らかにしたもので、『聖ペトロの墓』に巡礼する信者が「主のために生命を捧げた使徒のものと伝統的に認められている遺物を見られるようになる」と言う。
 現在、クレメンティーナ礼拝堂に当たる所で紀元64年か67年にペトロが逆さ十字架にかけられ殉教したとの伝承がある。これまでは骨箱が展示されるだけだった。


◎山中伸弥教授が教皇庁立科学アカデミー会員に

 【CJC=東京】教皇フランシスコは11月9日付けで、教皇庁立科学アカデミーの会員に、京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授、フアン・マルティン・マルダセナ教授(プリンストン大学・理論物理)とステファノ・ザマーニ教授(ボローニャ大学・経済科学)を任命した。
 教皇庁立科学アカデミーは1603年、フェデリコ・チェージらによってローマに創立されたアカデミア・ディ・リンチェイに始まる。国籍や宗教を問わず、科学研究を通して世界的に優れた貢献を行なっている研究者らを会員として迎えている。
 山中教授は、ノーベル物理学賞を受賞した故湯川秀樹博士、理化学研究所の野依良治理事長、国立遺伝学研究所の五条堀孝教授についで、4人目の日本人会員。


◎パロリン国務長官がバチカンで執務へ

 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)は11月14日、国務省長官のピエトロ・パロリン大司教が、早ければ18日から執務を開始する、と発表した。
 同大司教は、当初10月15日から執務を開始する予定だったが、健康状態が悪化、北伊パドヴァの病院で手術を受け、25日に退院以来、ヴェネト州の居宅で回復に努めていた。


◎北朝鮮が「韓国ドラマや聖書」で市民80人を公開処刑?

 【CJC=東京】11月11日付の韓国紙『中央日報』は北朝鮮の東部・元山、新義州、平城、清津、沙里院など主要7都市で3日、住民約80人が公開処刑されたと報じた。北朝鮮の複数の場所で同時に大規模な公開処刑が行われたと伝えられるのは異例。
 1カ所当たり10人前後の住民が、「北朝鮮当局が禁止する韓国ビデオの闇取り引きと視聴、聖書の所持、売春などの容疑」で処刑されたという。処刑された者の家族や、容疑が軽微な連座者は、収容所に送られたり辺境地に追放されたという。
 『中央日報』は、処刑が行われた都市は、経済開発区指定都市と一致するとの韓国政府当局者の分析を伝えている。元山では、スキー場とホテル、空港など国際観光特区の造成工事が進められている。同紙は「民心の動揺や資本主義の機運が拡散することを公開処刑により防ごうとした」との見方を伝えた。
 同紙は、北朝鮮では、宗教活動や携帯電話使用、食糧・電線の窃盗などに対して、見せしめ的な公開処刑を行っているとも報じている。


◎北朝鮮逮捕の「スパイ」は韓国人牧師=時事通信

 【CJC=東京】時事通信によると、韓国の脱北者支援団体『脱北難民人権連合』は11月11日、北朝鮮が最近、逮捕したと発表したスパイは、50代の韓国人牧師だと明らかにした。
 牧師は9月22日に中国の偽造旅券で、旅行客を装い北朝鮮に入国。その後、平壌で待機していた国家安全保衛部の要員に逮捕されたという。
 時事通信は、牧師が5年前から中国・遼寧省丹東で、脱北住民らに生活必需品や医薬品を支援する活動をしており、その過程で親密になった平壌の貿易会社幹部に、医薬品などを持って平壌に来れば、地下教会の信徒に会わせると約束された、と報じている。


◎「軍国主義的」と隠された壁画がニューヨークで公開

 【CJC=東京】ニューヨーク・チェルシー地区のセントピーターズ教会で11月10日、ベテランズデーの祝日を前に、約60年も覆い隠されていた壁画が公開された。CNNが報じた。
 公開されたのは、キリストの前にひざまずく制服姿の兵士2人を描いたもの。教会に1946年から展示されていたが、軍国主義的だという理由で54年以来、カーテンで覆い隠されていた。
 描いたのは元軍人のテッド・ウィトニスキ氏で、息子のピーター氏によると、真珠湾攻撃の翌日に米軍に入隊し、第2次世界大戦中に大佐にまで昇進。復員後はセントピーターズ教会を心のよりどころにしていたという。


◎広島の児童との交流描いた映画を米教会で上映

 【CJC=東京】共同通信によると、原爆投下の数年後、広島市立本川小の児童らが米首都ワシントンのオールソウルズ・ユニテリアン教会に贈った絵が、2010年に広島に戻るまでを描いたドキュメンタリー映画「ヒロシマの校庭から届いた絵」が完成した。同教会で11月15日、上映会が開かれた。
 上映会が終わると、約400人の観衆は全員立ち上がり、大きな拍手に包まれた。


◎カメルーンでカトリック司祭誘拐

 【CJC=東京】カメルーンで11月13日深夜、カトリック修道会のジョルジュ・ヴァンデンボッシュ神父がナイジェリア国境近くのグエチェウエ小教区で誘拐された。マロウア=モコロ教区アンリ・デョンヤン司教総代理が明らかにした。
 「誘拐犯は英語やハウサ語、カヌリ語を話していた」とデョンヤン師は語っており、ナイジェリアから来たものでイスラム教の過激集団ボコ・ハラムのメンバーではないか、と見られる。
 「ヴァンデンボッシュ神父はパリ近郊のナンテール教区から『フィデイ・ドヌム』(信仰の賜物)司祭として派遣された。これまで約3年、ナイジェリアから来る難民家族を避難所を提供、生活支援することに主として関わってきた」とデョンヤン師。現地当局と連絡しているが、情報がない、と言う。


◎カタルーニャ伝統の「排便人形」に新教皇も

 【CJC=東京】スペイン・カタルーニャ地方で豊穣と繁栄を祈るため、毎年クリスマスに飾るための排便人形「カガネル」が11月15日、同地方のヘローナに近いトレリャ・デ・モングリ・エスタルティで公開された。
 AFP通信によると、今年は教皇フランシスコも「犠牲」になり、式服を腰までまくり上げてお尻を出した人形がお披露目された。
 このほか今年の顔ぶれには、先代教皇ベネディクト16世や南アフリカの反アパルトヘイト(人種隔離政策)活動の象徴、ネルソン・マンデラ元大統領なども。
 カタルーニャでは18世紀から、有名人が排泄する姿を模した陶器製の小さな像である「カガネル」を自宅に隠し、招待客に探させる風習がある。


《短信》

〇米ハワイ州も同性婚を合法化
 ニール・アバークロンビー知事が、州議会上下両院の賛成を得て、法案に11月13日署名した。12月2日に発効する。米国で合法化した州として15番目。(CJC)


《メディア展望》

 =カトリック新聞(11月17日)=https://www.cwjpn.com
★教皇=台風被災者のため祈る=具体的支援呼び掛け
★上智大学100周年記念ミサ=東京・麹町教会で教皇特使が主司式
★フランスの司教協議会=政府の対応 批判=「ロマ民族、移住者に無策」
★大司教、被弾寸前=シリアの教皇庁大使館
★韓国でWCC(世界教会協議会)総会=バチカンも使節団派遣

 =キリスト新聞(11月16日)=https://www.kirishin.com
★没後80年に問い直す新渡戸稲造=教文館『事典』刊行、佐藤全弘氏が記念講演
★WCC第10回大会開幕=100超す国・地域から4000人参加
★日本カトリック正平協=「特定秘密保護法案」に反対声明=個人230人・28団体が賛同
★集団的自衛権の容認および憲法改正反対=日本キリスト教会
★こうちねっと見守り会議が研修会=〝家庭での見守り重要〟=「子どものネット利用問題」テーマに

 =クリスチャン新聞(11月17日)=https://jpnews.org
★第25回信教の自由セミナー=「その時が来たら覚悟を」=治安維持法の教訓 「状況が戦時中と似ている」
★2013 ハウス・オブ・クリスマス=一歩一歩、より素敵に=教文館で12月25日まで開催
★台湾から世界の中国人に伝道=中・台の若者へだたりない=台湾の学生団体代表・饒牧師に聞く
★東京基督教大学=来春、神学博士課程開設=福音主義に立つ研究者・教育者養成へ
★関東聖化大会でカページ氏メッセージ=神は新しい律法を彼らの中に置く


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