世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1186信(2013.10.14)

  • 家庭に関する臨時シノドス来秋開催
  • WCC釜山大会へ「ピース・トレイン」出発
  • スミス牧師の後任は義息ブローダーセン氏
  • 「盲目の活動家」陳光誠氏が米の研究機関へ
  • シリア北部で拉致された神父は生存と報道
  • 独のぜいたく司教に批判集中
  • 教皇フランシスコの記念メダル回収
  • 《短信》
  • 《メディア展望》

◎家庭に関する臨時シノドス来秋開催

 【CJC=東京】教皇フランシスコは、「福音宣教から見る家庭司牧の挑戦」(仮訳)を主題に世界代表司教会議(シノドス)・第3回臨時総会を2014年10月5日から19日までバチカン(ローマ教皇庁)で開催する。バチカン報道事務所が10月8日発表した。
 シノドスの機能強化は教皇にとって優先課題の一つとされ、10月初めに開かれた『枢機卿顧問団』との会議でも検討された。教皇はこれまでも家庭司牧の重要性をしばしば強調、特に婚姻の無効性をめぐる問題や別居した夫婦の信仰問題等への司牧的対応に関心を寄せており、今回の「臨時総会」招集になったものと見られる。
 教会法では、「臨時総会」は、普遍教会に関係し、早急な定義を必要とする問題に関して開催する、と定めている。
 バチカン放送(日本語電子版)によると、シノドスには「通常総会」「臨時総会」「特別会議」があり、臨時総会は「教皇庁と司教評議会の協力」を話し合った1969年と、「第2バチカン公会議閉会20周年」をテーマとした1985年の開催以来、これで3回目。
 前回のシノドスは、「キリスト教信仰を伝えるための新しい福音宣教」を議題に2012年、第13回通常総会が開かれている。


◎WCC釜山大会へ「ピース・トレイン」出発

 【CJC=東京】「ピース・トレイン」と呼ばれる列車が10月7日、ドイツのベルリンを出発した。30日から韓国・釜山で開かれる世界協会協議会(WCC)大会へ向けて同国キリスト教協議会(NCCK)と大会主催委員会が計画したもの。モスクワ、イルクーツク、北京、平壌、ソウルを経由して釜山には大会開催直前の28日到着の予定。60年に及ぶ朝鮮半島の南北分断を改めて意識する目的も持っている。
 「乗客」約130人は教会や社会奉仕団体の代表。韓国の他、アフリカ諸国、インド、欧米各国、オーストラリア、ニュージーランド、ブラジルから参加した。


◎スミス牧師の後任は義息ブローダーセン氏

 【CJC=東京】米カリフォルニア州コスタメサの「メガチャーチ」『カルバリー・チャペル』理事会は10月8日、この3日に死去したチャック・スミス主任牧師の後任にブライアン・ブローダーセン氏(55)を選出した。同氏は、スミス氏のもとで牧師として活動、英国で教会開設に貢献した。スミス氏の子どもの1人シェリルさんと結婚、子ども4人をもうけている。
 スミス氏は1965年、コスタメサに創設した同教会の主任牧師を40年以上にわたって務め、当初25人の教会員を急増させるなど福音派キリスト教で影響力を示した。1960年代後半から70年代にはいわゆる「ヒッピー」などを対象にした『ジーザス・ムーブメント』で革新的な青年伝道を展開した。現在、全世界で『カルバリー・チャペル』系とされる教会は1600を越えていると見られる。


◎「盲目の活動家」陳光誠氏が米の研究機関へ

 【CJC=東京】中国当局による自宅軟禁から逃れて昨年渡米した中国の「盲目の活動家」陳光誠氏が10月2日、ワシントン市内で記者会見し、これまで支援を受けてきたニューヨーク大学を離れ、カトリック系シンクタンク『ウィザースプーン研究所』に特別研究員として招かれたことを明らかにした。研究所のルイス・テレズ所長は、活動出来るよう経済支援と住宅を提供する。
 陳氏は、ワシントンのアメリカ・カトリック大学でも、来年9月から3年間、特別客員研究員を務めることを明らかにし、「中国政府の非人道的な経験を共有したい」と語った。また『人権と正義のためのラントス基金』からも支援を受けると言う。
 陳氏は、表現の自由に対する中国政府の厳しい取り締まりは、「市民がインターネットなどの技術を利用しやすくなり、政府が恐れているからだ」と批判した。
 ニューヨーク大学の支援が打ち切られたことに、中国政府の圧力があったのではないか、との声が上がったが、同大学は、支援は最初から期限付きだった、と指摘している。


◎シリア北部で拉致された神父は生存と報道

 【CJC=東京】この7月28日シリア北部のラッカで『アルカイーダ』系イスラム教過激派に拉致され、殺害説も流れた修道会イエズス会のパオロ・ダル=オグリオ神父(58)が生存しており、拉致者の扱いも良い、と反政府側のカラフ・アリ・カラフ記者が明らかにした。カトリック系CNA通信が報じた。
 カラフ記者が同神父を見かけたのは10月5日、イラク国内でのこと。
 神父はダマスカス北方にある遺跡『アビシニアの聖モーセ修道院』再建のため30年以上も働いてきた。2012年、シリア政府が神父がバシャル・アルアサド大統領を批判したとして国外追放処分にしたが、神父はすぐに反政府勢力が支配する地区に戻ってきたという。
 2011年3月以来、シリア内紛で死者11万人以上、数百万人が住居を追われ難民化している。


◎独のぜいたく司教に批判集中

 【CJC=東京】司教館建設に約3100万ユーロ(約41億円)、インドへの往復飛行機はファーストクラス利用、と贅沢とも言える姿勢で、清貧を打ち出した教皇フランシスコとの違いが明白になったドイツ西部の司教が批判にさらされ、教皇に解任を求める動きも表面化した。
 リンブルク教区のフランツ=ペーテル・テバルツファンエルスト司教(53)がその人で、司教館建設工事の大部分を教区の許可なしに進めたとされており、ドイツ司教協議会は10月10日、教皇と対応を協議すると表明した。
 テバルツファンエルスト司教は2008年1月、リンブルク教区に赴任。その後司教館の工事が始まった。昨年1月、貧しい人の救済活動のためインドのスラム街を訪れた際には、ファーストクラスを利用したという。
 リンブルク教区のマルティン・ウインド報道担当は13日、司教がバチカンで協議のためローマに格安航空機で向かったことを明らかにした。


◎教皇フランシスコの記念メダル回収

 【CJC=東京】教皇フランシスコの着位1周年を記念して10月8日発行された記念メダルを、バチカン(ローマ教皇庁)が直後から回収を始めた。表面に刻まれたイエス・キリストの名「JESUS(イエス)」の「J」が「L」になっていたのが判明したため。
 11日までに全て回収し販売を中止した、と発表されたが、すでに4セットが販売されたと見られる。それらは回収されていないことから、「レアもの」として高値で取引される可能性も大きい。
 直径4.4センチの金、銀、銅のメダル6000枚をイタリア政府造幣局が鋳造した。バチカン側の発注ミスと伝えられる。


《短信》

〇バチカンが「財務の透明性・監視・情報に関する法」導入
 バチカン市国のための教皇庁委員会は10月9日、『財務の透明性・監視・情報に関する法』を同日付で市国に導入したと発表した。(CJC)

〇教皇フランシスコ危機一髪? 信者が投げたロザリオが直撃
 バチカンで10月13日、教皇が『聖母マリアの日』のミサの後にサンピエトロ広場で行った一般接見の最中に、信者が投げたロザリオが教皇の頭を直撃した。(CJC)


《メディア展望》

 =カトリック新聞(10月13日)=https://www.cwjpn.com
★教皇、アシジを訪問=教会に「脱衣」呼び掛ける
★教皇と枢機卿評議会=教皇庁改革の計画策定中=役割は「全教会への奉仕」
★13年度特別臨時司教総会=教皇の日本招待など承認
★六ヶ所村など訪問=原発の現状 現地で学習=正義と平和仙台協議会
★横浜教区・雪ノ下教会のプロジェクト=シニア世代ら被災地へ=「忘れない旅」 近隣からも参加

 =キリスト新聞(10月12日)=https://www.kirishin.com
★「高齢化社会と教会」テーマに懇談会=〝認知症になったら〟=教会員が介護の経験語る
★〝尖閣〟共同統治を=千葉眞氏が提唱=東京で「キリスト教平和講演会」
★ヘイトスピーチに対抗=国際ネットワーク「のりこえねっと」結成=「暴力に対峙し、決然と対決」
★国際飢餓対策機構=仙台に「東北事務所」開所=〝世界の隣り人のために〟
★「解放の神学」の時代が到来?

 =クリスチャン新聞(10月13日)=https://jpnews.org
★福島に本当の希望届ける=ホープフクシマwithウィル・グラハム=参加者のべ3千人、決心者188人
★イエス物語=映像、朗読、音楽で=新感覚の福音宣教=セレブレーションオブラブ
★神学教師、牧師、女性司祭、信徒らパネル討論=『牧師とは何か』を問う=多彩な働き、多様な視点で
★ヘイトスピーチに危機意識=「のりこえねっと」設立=宗教者との連帯に期待
★エヴァンゲリウム・カントライ40年=みことばを賛美にのせて


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