世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1003信(2010.04.12)

  • マレーシアが『宗教間委員会』設立
  • 教会は「困難な時」と教皇語る
  • ノルウェーの元司教、約20年前に性的虐待
  • イースター、米大統領一家はアフリカ系米国人主体の教会に出席
  • トリノの聖骸布公開に参観予約150万人
  • 《短信》
  • 《メディア展望》

◎マレーシアが『宗教間委員会』設立

 【CJC=東京】マレーシアで、『宗教間委員会』(IRC)が設立され、4月6日に初会合が開かれた。
 同国のベルナマ通信によると、同委員会は元コタバル選出の国会議員、イラニ・イサハク氏を委員長として、様々な宗教間での理解・絆を深めるためのもの、という。同委員会はこれまで構想されていた『信仰間委員会』(IFC)が政府に認められなかったことで、その代替案とも見られている。
 委員会は、イスラム開発局、マレーシア・イスラム理解研究所、マレーシア仏教・キリスト教・ヒンドゥー教・シーク教・道教協議会(MCCBCHST)の代表で構成される。
 各宗教信徒間の結婚や改宗、改宗者の子供の親権などの問題に関する意見を交わし、対話を行う枠組みを整備する。
 マレーシアでは、カトリック系週刊誌にイスラム教における神を表す「アラー」使用を認めた高裁判決を受け、異宗教間の理解を深める仕組みが必要との声を受け設立機運が高まっていた。ただイスラム教側には、イスラムを他の宗教と対等な立場に置くことに繋がるとの懸念から反対意見も出ている。


◎教会は「困難な時」と教皇語る

 【CJC=東京】教皇ベネディクト16世は4月5日、ローマ近郊のカステルガンドルフォで「復活祭の月曜日」の祈祷を行った。
 教皇は、復活祭前の受難週の間にもメディアをにぎわした聖職者の虐待を意識してか、聖職者の社会に対する特別な責任について述べた。
 教皇は、カトリック教会が「困難な時」にある、と認めたものの、性的虐待問題について直接言及はしなかった。


◎ノルウェーの元司教、約20年前に性的虐待

 【CJC=東京】ノルウェー・カトリック教会が4月7日発表した声明によると、ドイツ出身のゲオルク・ミュラー元司教(58)は、トロンヘイム教区の司祭だった1990年代初めに、聖歌隊の未成年の隊員に性的虐待を行ったことを認めた。同元司教は昨年6月、突然、辞任していた。
 トロンヘイム教区のベルンド・エイズヴィク司教に寄せられた電子メールが元司教を告発したものだったと言う。


◎イースター、米大統領一家はアフリカ系米国人主体の教会に出席

 【CJC=東京】バラク・オバマ米大統領はイースター(復活祭)の4月4日、首都ワシントン南東地区にあるアフリカ系米国人主体の『アフリカン・メソジスト・エピスコパル教会アレン・チャペル』の礼拝に一家で出席した。
 同地区は治安が悪く、3月30日には発砲で4人が死亡する事件が起きたばかり。同教会のマイケル・ベル牧師は、1000人を超す参会者に、事件にもかかわらず大統領が訪れたことで「地域に平穏と癒やしをもたらした」と称賛した。
 同教会は貧困者への食事・教育支援などを積極的に行っている。AP通信によると、南北戦争(1861〜65年)の直前に地域の黒人奴隷を解放する儀式を取り仕切った。
 オバマ一家はホワイトハウスそばの聖ヨハネ教会に行くことが多いが、殺人事件の弔問を兼ねての訪問となったと見られる。
 オバマ大統領とミシェル夫人、娘のマリアさん、サーシャさん、ミシェル夫人の母マリアン・ロビンソンさんは、礼拝開始時刻の午前11時より少し遅れて教会に到着。出席者の盛大な歓声と拍手に迎えられた。礼拝にはワシントンのエイドリアン・フェンティ市長やマリオン・バリー市議会議員も姿を見せた。
 大統領の礼拝出席は、一般教会員にとっては歓迎一色とはいかないようだ。長く待たされたり、身体検査されたり、遅く来た人は礼拝に参加出来ないといったことが今回も起きた。
 大統領一家は就任当初、ワシントン市内で礼拝を守る教会を決める、と報じられたものの、結局迷惑を掛けるというので、特定の教会で礼拝を守ることは断念した、と大統領自身がテレビに語っている。


◎トリノの聖骸布公開に参観予約150万人

 【CJC=東京】『トリノの聖骸布』が伊トリノのサンジョヴァンニ大聖堂で4月3日公開式典がセヴェリーノ・ポレット枢機卿の司式で行なわれた。
 聖骸布が公開されるのは、大聖年に当たった2000年以来のこととあって、イエス・キリストが磔にされて死んだ後、その遺体を包んだとされる布を見たい、と参観予約をした人はすでに150万人を超えている。
 実際の参観は1人3分から5分間がせいぜいで、しかも室温を制御された防弾ガラスの中の布を見るだけ。
 聖骸布は1353年、フランスのリレで発見された。1453年にサヴォイ家の所有となり、1578年にトリノへ移動された。1983年にサヴォイ家からローマ教皇に所有権が引き渡され、トリノ大司教の管理下に置かれている。通常は一般公開はされていない。
 聖骸布の真否に関する論議は絶えないが、同枢機卿は「教会の決めることではなく科学の問題だ」としている。
 教皇ベネディクト16世は5月2日、トリノを訪問する予定。


《短信》CJC通信Twitter速報から。

▽北朝鮮は、不法入国した米国人男性アイジャロン・マーリ・ゴメス氏(30)に強制労働8年の刑を言い渡した。朝鮮中央通信が7日報じた。
▽中国で09年2月から1年以上も所在不明の人権派弁護士、高智晟氏が活動を中止する。米国に滞在している家族との合流を希望している。
▽独週刊誌デアシュピーゲルが4月6日、「バチカンで孤立、ベネディクト16世の教皇施政は失敗」の記事掲載。
▽ウガンダ聖公会のヘンリー・オロンビ大主教が、米加を除外した各国聖公会指導者の会議開催を、カンタベリー大主教に要請。


《メディア展望》

  =カトリック新聞(4月11日)=https://www.cwjpn.com
★キリストなしに希望はない=教皇 復活祭メッセージ
★国際カリタス事務局長 来日="国境越える愛"に連携を=日本の貢献と義務語る
★「一致する姿」に恵み感じる=横浜=司祭年の聖香油ミサ
★「フランシスコとクララ友の会」=教派、宗派超えて集う=京都=修道会創立800年で開催 
★上智大、3大学と提携=清泉女学院大、東京純心女子大、東京音楽大=2種類の「学生交流協定」

  =キリスト新聞(4月10日)=https://www.kirishin.com
★東奥義塾高校=塾長を緊急動議で解任=日基教団教師らが理事長に抗議
★日本キリスト教連合会=来日中のイスラム教指導者と会談=「日本の宗教間協力に学びたい」
★日基教団神奈川教区=「平和フェスタ」で北村慈郎氏="慰められるより慰めること"
★日基・東京信徒会=信仰生活50年感謝礼拝=「先輩の信仰受け継ぐ」
★米聖職者の性的虐待でNYタイムズ紙=教皇の関与を指摘

  =クリスチャン新聞(4月11日)=https://jpnews.org
★新連載<竜馬をめぐる人々>=聖書と出合った侍の変革=初の正教日本人司祭若き日の過ち
★<逝去>イラストレーター・クリバリユミコさん=がんと闘い、神の愛描き続け...
★娘の死 乗り越え牧会=闘病1年半=田淵喜朗牧師死去
★米サドルバック教会3ヵ年トレニーング説明に54人=目的主導へ教会変革に期待=6月=東京・名古屋・福岡で導入セッション
★南北朝鮮の教会を覚えるイースター公式祈祷文=日韓併合100年で和解と平和を=南北の教会組織が共同の祈り


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