世界キリスト教情報

世界キリスト教情報

世界キリスト教情報 第920信(2008.09.01)

  • 北京司教が教皇の中国訪問を希望
  • 中国・昆明空港で米キリスト者4人の聖書押収
  • 米教会で北京五輪観客の追悼式典
  • 「死海文書」をネットで一般に公開へ
  • 「ヤハウェ」と声に出すな、とバチカン指示
  • インドで修道女自殺、教会は"州政府の陰謀"主張
  • 修道女のイメージ一掃、イタリアで美人コンテスト開催へ
  • 米福音ウェブサイト、ハッカーの攻撃受け閉鎖
  • 米で信者の個人情報盗んだ牧師に実刑
  • 《メディア展望》

◎北京司教が教皇の中国訪問を希望

 【CJC=東京】中国の公認カトリック教会北京教区のジョゼフ李山司教が8月20日、教皇ベネディクト十六世の中国訪問を希望し、バチカン(教皇庁)との関係は恒常的に改善が進んでおり、大きな展開があった、とイタリア国営RAIテレビに語った。AP通信が報じた。
 李司教はバチカンの評価も高く、昨年の北京司教就任の際は、中国側の意向にバチカンが同意する形をとっており、司教任命をめぐる長年の対立にも進展が見られた。
 ただインタビューで李司教は、「地下カトリック教徒の問題は存在しない」と述べており、地下教会を称賛する一方で公認教会との和解を勧めているベネディクト十六世との違いを明確にしてもいる。


◎中国・昆明空港で米キリスト者4人の聖書押収

 【CJC=東京】米キリスト者4人が中国に持ち込もうとした聖書300冊を押収され、入国を拒否されたが、聖書の返却を求めて出国を拒否する事件が雲南省昆明国際空港であった。
 米国に本拠を置く『対華援助協会』(CCA)の発表によると、4人はタイ経由で米国から8月17日午後3時に到着した。4人は中国の牧師のために各自が「スタディー・バイブル」75〜80冊を持ち込んだ。
 4人はワイオミング州シェリダンに本拠を置く『ビジョン・ビヨンド・ボーダーズ』会長のパット・クライン氏(46)の他、メンバーのインジアナ州のフォレスト・ヒッギンボサム氏(78)、同氏の孫でニュージャージー州のスティーブン・コンスタンチン氏(15)、ニューヨーク州のスティーブ・ニコルズ氏(60)。『ビジョン・ビヨンド・ボーダーズ』は、「迫害にさらされている教会を強めるため」聖書やキリスト教書を世界各地で配布している。
 クライン氏は、4人がそれぞれ重量超過分の小荷物持ち込みのため400米ドル(約4万3000円)の罰金を科された。中国の税関職員は4人に、持ち込みを図った聖書を「違法な宗教印刷物」として没収した、と通告した。
 クライン氏は、対華援助協会の傅希秋会長に空港から電話で「中国の指導者は、世界に、中国の人民は宗教の自由を持っていると言い続ける。聖書を受け取ることも出来ないのだ」と語った。中国当局は、聖書の数を制限し、しかも公認教会でだけ入手出来るようにしている。一般書店での聖書販売は禁止されている。
 傅会長は、「押収聖書を、中国の信者を思う4人に返却するよう中国当局に要求する。国際社会が4人の安全のために祈ることを要請する」と新聞発表の中で述べた。
 結局、税関当局は同日中に押収した聖書などを4人に返却した、と同協会は発表した。


◎米教会で北京五輪観客の追悼式典

 【CJC=東京】五輪の最中8月9日、北京で暴漢に殺害されたトッド・L・バックマン氏の追悼式が8月11日、同氏が会長を務める米ミネソタ州レイクビルのクリスチアニア・ルーテル教会で行われた。
 バーバラも襲撃の際、重症を負ったが、手術後の容態は安定しているという。令嬢のエリザベス・マカッチョンさんは無事だった。マカッチョンさんは2004年五輪の米女子バレー代表。


◎「死海文書」をネットで一般に公開へ

 【CJC=東京】イスラエル考古庁は8月27日、1万5000枚に上る「死海文書」の断片全部をデジタル画像化し、それをインターネット上で一般公開する計画を発表した。 
 「死海文書」は、現存する最古の旧約聖書写本とされるヘブライ語聖書(エステル書は見当たらない)の断片を含む、約900巻の写本の集まり。1947年にエルサレムの東方、死海付近の洞窟で、ベドウィンの羊飼いによって発見された。
 紀元前2世紀から紀元1世紀の間に、ヘブライ語のほかにアラム語・ギリシア語で書かれており、イエスの時代のユダヤ教セクトの儀式など外典も含まれている。
 羊皮紙を主体にパピルスにも記されている文字は、劣化が進み、肉眼では見えない状態にまでなっていた。ところが赤外線カメラやマルチスペクトラルカメラを使用すると文字が判読可能な状態になることが分かった。これまで撮影されていた赤外線の写真も新デジタル技術によって走査される。
 今後は写本の断片すべてを赤外線撮影し、その画像をインターネット上に公開する計画だと、考古庁は述べている。
 死海文書は、発見されて以来、一部の学者グループが研究自体を含めて独占状態にあり、学界での公開要求に応えて来なかった。ただこの20年は改善され、研究も進んでいる。


◎「ヤハウェ」と声に出すな、とバチカン指示

 【CJC=東京】バチカン(教皇庁)典礼秘跡省が6月29日、神を表すヘブライ語「神聖四文字=テトラグラマトン、ローマ字表記ではYHWH」は初代キリスト者は発音しなかったとして、典礼で発音しないように、と指示を発した。米司教協議会聖礼典委員会議長のアーサー・セラテッリ司教が8月8日、各司教に宛てて出した通知の中で「公式な典礼の文言にどのような変化も強制しない」ものの、「特定の聖歌やミサの式文などに影響が出てくる」と懸念している。
 モーセの十戒で、神の名をみだりに唱えてはいけないとされたことから、神を表すヘブライ語は「アドナイ」と読み替えられている。さらに四文字に「アドナイ」の母音符号をつけて、「エホバ」「ヤーウェ」と読まれることもある。
 日本では現在「主」とほとんど表記されているが、米国では聖歌や祈祷で「ヤーウェ」と呼び掛ける例が見られる。


◎インドで修道女自殺、教会は"州政府の陰謀"主張

 【バンガロール(印)=ENI・CJC】インド南部ケララ州コラム地区サンカッサリの修道院で8月11日、アヌパ・メアリー修道女(23)が自室で首をつって自殺しているのを発見された。司教館で調理士として働いていた父のM・J・パッパチャン氏が性的虐待による自殺だと訴えた。
 コラム教区の報道担当ジョージ・レベイロ新婦は「性的虐待との非難は根拠がない」とし、共産主義の州政府の教会に対する陰謀だ、と主張している。父親は警察の取り調べを受けた時には虐待について何も語っていない、と言う。
 メアリー修道女が属していた修道会『マリアの純心のフランシスコ修道女会』の上長シスター・ボニファティウスは、「修道女の自殺に衝撃を受け、当惑している。しかし教会全体の評判を悪くする性的虐待の主張はもってのほかだ。父親の主張は、教会をおとしめようとする人の示唆によるものだ」と語った。


◎修道女のイメージ一掃、イタリアで美人コンテスト開催へ

 【CJC=東京】AFP通信によると、修道女は高齢で暗いというイメージを一掃するため、イタリアで修道女による美人コンテストが初めて行われ、「ミス・シスター・イタリア」が決定される。同国のコリエレ・デラ・セラ紙が8月24日、報じた。
 主催するのはイタリア南部モッドラゴン教区のアントニオ・ルンギ神父、「修道女はすべての女性の上に立ち、美しさは神からの贈り物だ」と語っている。
 コンテストへの参加を希望する修道女は、ルンギ神父に写真を送り、神父がその写真を自身のブログで公開し、一般の人びとがオンライン投票で最も気に入った修道女を選ぶという。
 同神父は、約1000人がコンテストに応募すると見ている。


◎米福音ウェブサイト、ハッカーの攻撃受け閉鎖

 【CJC=東京】米福音専門ASSIST通信によると、40年以上にわたって伝道パンフレット4000万冊以上を出版した伝道団体『国際ACTS』のインターネット宣教が、スパムメールなどハッカーの攻撃を受け、閉鎖しなければならなくなった。
 『国際ACTS』は、ディック・イネス氏によってオーストラリアで設立され、1980年代初め以来、南カリフォルニアを基盤に活動している。
 イネス氏は、「米国スタッフは妻と私の2人だけだということを思うと、この宣教に神がなされ、また今もなしておられることは驚異的だ」と言う。これまで4000万冊以上の伝道文書は、数千の教会や牧師(従軍牧師、教戒師、病床伝道者)、各団体、ビジネスマンなどによって配布された。
 「10年前、非常に効率的で効果的なことが分かって、印刷物からインターネットと電子メール利用に替えた」とイネス氏は語る。「最初は小規模だったが、それでも2万3401人がキリストの救いを受け入れ、再献身をした。ACTSに寄せられた応答では今年に入ってからだけでも3507件に達し、地域も119カ国に達していることが分かった」と言う。
 イネス氏によると、ACTSは週日の祈りのための『デイリー・エンカウンター』を全世界18万4000人以上に、週刊の『ウイークエンド・エンカウンター』を1万人以上に送っている。「これらを合わせると、全世界に20万人もの読者がいることになる」。
 救いへの応答では『デイリー・エンカウンター』の読者が多いが、そのことはキリスト者でない読者が多いことを示してもいる。
 ところが夏に入って、ウエブ・サイトが悪意の攻撃にさらされるようになった。英語サイトの他にフランス語とスペイン語のサイトもあるが、そちらも同様だ。
 「昨年、フィッシャー(インターネット上の詐欺犯)が、ACTSの電子メールアドレスから来たように装ってスパムメール8万通を発信したことがあったが、今夏にも別のフィッシャーがポルノのスパムメールを発信するという攻撃を加えて来た」と、イネス氏は言う。結果として、応答を受けるページも、日刊・週刊の『エンカウンター』も停止せざるを得なかった。
 発信元のサーバー変更の準備を進めたものの、新サーバーに移動した最初の日に、またも攻撃を受け、再度閉鎖に追い込まれた。
 イネス氏は「可能な限り安全であることを確かめて、少しずつ再開するよう技術者が努力している。明らかに、敵は福音とキリスト教出版を憎悪しており、技術進歩と共に手口も巧妙になるのは確かだ」と語った。「神の働きを行っているサイトや電子メールサービスは、神の導き、備え、護りを求める、より多くの祈りが必要だ」と言う。


◎米で信者の個人情報盗んだ牧師に実刑

 【CJC=東京】米ペンシルベニア州中部マウントカーメル近郊のバプテスト系グレース・フェローシップ教会のレイモンド・クレイトン元牧師(44)が、自分の教会の信者の個人情報を盗み、禁固1年、弁償金2万8000ドル(約300万円)の実刑判決を受けた。AP通信が報じた。
 連邦検察官によれば、クレイトンはクレジットカードを取得するため、2006年11月から07年4月の間に教会員の個人情報を使用した。彼は3月、コンピューターへのアクセス詐欺で有罪になった。
 教会は解散されたという。


《メディア展望》

  =カトリック新聞(8月31日・休刊)=https://www.cwjpn.com

  =キリスト新聞(8月30日・休刊)=https://www.kirishin.com

  =クリスチャン新聞(8月31日)=https://jpnews.org
★「生きることはキリスト」=KGK60周年の記念集会開催=学生主体に全国180大学で展開=世代超え信仰の基礎築く
★8・15集会各地で開催=戦争への道を危惧
★兵庫=8・15平和祈念の集い=戦争罪責告白をし和解の福音を語る
★改革派西部中会 世と教会に関する委員会8・15集会=信仰の戦いは教会の課題
★クリスチャントゥデイ問題=張在亨氏CCK異端委と会見も疑惑は解けず

  =リバイバル新聞(8月31日)=https://www.revival.co.jp
★JEC「霊の戦い」指針作成へ=ナイロビ声明を基礎資料に
★レイクランドリバイバル=ベントリー夫妻が"離別"


           ●世界キリスト教情報●ご案内
 ☆活動のご紹介は ........................ https://homepage3.nifty.com/cjc-skj/
 ☆既刊号をご覧頂くには  .............................. https://cjcskj.exblog.jp/
 ☆記事検索は『教会と神学』(小原克博氏制作)をご利用願います。
             ........................... https://www.kohara.ac/church/

月別の記事一覧