世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第902信(2008.04.28)

  • 正教会も4月27日にイースター祝う
  • エルサレムの聖墳墓教会内で乱闘騒ぎ
  • カトリック聖人ピオ神父の遺体初公開
  • 「氷の微笑」のポール・バーホーベン監督がキリスト伝を出版
  • バーでビールを飲みながら礼拝?
  • ブラジルで「風船飛行」の神父が行方不明に
  • 反中絶国際会議を主宰したロペス・トルヒリヨ枢機卿死去
  • 《メディア展望》

◎正教会も4月27日にイースター祝う

 【CJC=東京】正教会のイースターは暦の違いで今年は4月27日。エルサレムの聖墳墓教会には信徒数千人が、前夜に奇蹟的に現れると信じる「聖なる炎」を見ようと集まった。
 エルサレム旧市街もギリシア正教会、コプト教会、ロシア正教会、アッシリア正教会などの巡礼者約15万人で混雑した。
 正教会信徒であっても、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区住民は、通常イスラエルによってエルサレムへの立ち入りを阻止されているので、イエスの生誕地ベツレヘムなどでは、そこの教会でイースターも祝われる。ただイスラエル軍によると、宗教的祝典のためのエルサレム立ち入りには特別許可が出されるという。
 モスクワでは、ロシア正教会のアレクシー二世総主教が、救世主キリスト大聖堂で深夜ミサを捧げた。ウラジミール・プーチン大統領と後継者のドミトリー・メドベージェフ氏も出席した光景はテレビで生中継された。
 復活祭は太陰暦にしたがって決められるため、太陽暦では年によって日付が変わる。さらにグレゴリオ暦を用いる西方教会とユリウス暦を用いる東方教会では日付が異なる年が多い。


◎エルサレムの聖墳墓教会内で乱闘騒ぎ

 【CJC=東京】イスラエルのエルサレム旧市街にある聖墳墓教会で4月20日行われた東方正教会の「聖枝祭(シュロの樹の聖日の祭り)」の際に、アルメニア教会の司祭が、キリストの墓の前を歩き回っていたギリシャ教会の司祭を祈りの邪魔だ、と排除しようとしたことから、双方の数十人の間で乱闘が起き、警察が仲裁のために会堂内に立ち入る騒ぎとなった。
 聖墳墓教会はギリシャ正教会、カトリック、東方正教会、アルメニア使徒教会、コプト正教会、エチオピア正教会、シリア正教会の共同管理となっており、毎日いずれかの教派によるミサなどが指定された場所で行われているが、しばしば乱闘が起こっている。
 現場で仲裁に入った警官を、数人の礼拝者らが「聖枝祭」の儀式で手に持っていたヤシの枝葉で殴りつけるなどして、アルメニア人2人が拘束された。
 事件後、エルサレムのアルメニア人コミュニティーの住民数十人が、2人の拘束に抗議して、教会から旧市街の警察署までデモ行進した。


◎カトリック聖人ピオ神父の遺体初公開

 【CJC=東京】イタリア南部プーリア州サンジョヴァンニ・ロトンドのサンタ・マリア・デル・グラシエ教会で、カトリックの聖人、ピオ神父の遺体が4月24日、初めて公開された。死後40年ぶりに掘り起こされたもの。
 ピオ神父は1887年5月25日にカンパニア州ピエトレルチーナで生まれた。キリストが十字架にかけられた「聖痕」と同じ傷跡を両手足に持っていたとされる。カトリック教会の修道会カプチン会の修道士となり、数々の奇跡を行ったとされる。教皇ヨハネ・パウロ二世は1999年、ピオ神父を列福し、2002年聖人の称号を与えた。


◎「氷の微笑」のポール・バーホーベン監督がキリスト伝を出版

 【CJC=東京】オランダ出身で、「氷の微笑」「ショーガール」などの作品で知られるポール・バーホーベン監督が、20年以上の研究をもとに執筆したイエス・キリストの伝記を9月にアムステルダムのムーレンホフ社から出版することが4月23日明らかになった。同社では、2009年に英語版出版を目指し交渉中だという。
 イエスは、母マリアがガリラヤでローマ人の兵士にレイプされて身ごもった子だという説を、カトリックの同監督は唱えている。また、ユダはキリストを裏切ってなどいないとも主張する。
 ただ米カトリック系のフォーダム大学大学院のカーク・ビンガマン教授は同監督の主張は別に目新しいものではない、と言う。
 7月に70歳の誕生日を迎えるバーホーベン監督はライデン大学で数学と哲学博士号を取得している。キリストが起こしたとされる奇跡を疑問視していた、米国の聖書学者故ロバート・W・ファンクが開催するイエス・セミナーの常連でもあった。


◎バーでビールを飲みながら礼拝?

 【CJC=東京】米オハイオ州西部シドニーの合同第一メソジスト教会が、新たな信者を集めようと、地元のバーで『カントリー・ロック教会』を始めることにした。初日の4月20日の夜には約100人が集まった。地域のバンドの演奏もあり、ビールやピザを食べながら、人々は楽しい雰囲気の中で説教に耳を傾けたとか。
 バーでの礼拝は、自由な発想で伝道を進めようと教会が計画。ウェブサイトでも「一流の地域バンド、ピザ、手羽先、がやがや楽しく、そして短いメッセージ」と参加を呼び掛けていた。クリス・ヘッカマン牧師によると、この試みは非常に好評で、今後は毎週、開いていきたいと言う。


◎ブラジルで「風船飛行」の神父が行方不明に

 【CJC=東京】ブラジル・カトリック教会のアデリール・アントニオ・デ・カルリ神父(42)が、ヘリウムガスを詰めた風船による飛行の世界記録を目指して4月20日飛び立ったまま行方不明になった。
 神父は、主にトラックの運転手がゴスペルを聴ける休憩所を建設する資金集めのため、ヘリウムガスで膨らませた色とりどりの1000個の風船を取り付けた椅子に座り、ブラジル南部サンタカタリーナ州の港町パラナグアから、20時間の飛行時間を目標に、約750キロ離れた町ドラードスに向かう予定だったが、予想外の風により飛行コースから外れてしまったと見られる。
 救助関係者らは22日、海沿いの町の消防当局者が海岸線で何個かの風船を発見したと述べている。
 神父はGPSと衛星電話を持ち、ヘルメットと防寒着、救命胴衣を装着し、5日分の飲料水や食料を持っていた。しかし、かつて神父にパラグライダーを指導したというインストラクター、マルシオ・アンドレ・リヒトナウさんによると、神父は「向こう見ずで頑固、周囲を心配させるような人物で、いつもあわてていた。こんなことが起こっても驚かない」と言う。風船飛行の記録挑戦については、出発の数日前に電話で話を聞いた。その際、リヒトナウさんは、「風で南アフリカまで飛ばされてしまう」と忠告したが、神父は「注意深く計算したから大丈夫」と答えた。リヒトナウさんはこれを「まったくの冗談」と思っていた。
 ブラジル空軍当局は25日までに、捜索を中止したと発表した。発見の望みが薄くなったためとしている。


◎反中絶国際会議を主宰したロペス・トルヒリヨ枢機卿死去

 【CJC=東京】教皇庁家庭評議会議長アルフォンソ・ロペス・トルヒリヨ枢機卿は4月19日、治療先のローマ市内の病院で死去した。72歳。1935年コロンビア生まれ。ローマの大学で哲学を学んだ後、60年司祭叙階。83年、枢機卿に任命された。90年にバチカン(ローマ教皇庁)で家庭評議会議長に就任した。
 2003年、コンドームはエイズなどを予防できるとの誤った認識を広め、逆に性病をまん延させる、と主張、論議を呼んだ。07年にメキシコ市で反中絶国際会議を主宰した。
 ロペス・トルヒリヨ枢機卿の逝去により、全枢機卿数は195人となった。そのうち教皇選挙の投票権を持つ80歳未満の枢機卿は118人。


《メディア展望》

  =カトリック新聞(4月27日)=https://www.cwjpn.com
★教皇 米国を訪問=信仰に基づく希望説く=人間の尊厳擁護も呼び掛け
★教皇 国連総会で演説=政府・宗教は 人権を制限できない
★「世界広報の日」教皇メッセージ=メディアにも倫理必要
★パウロ年公開講座=司教協主催で6月に=大司教3人がパネルディスカッション
★修道女=「人身取引」考える=難民移住移動者委員会が研修会=被害女性の現状知る

  =キリスト新聞(4月26日)=https://www.kirishin.com
★山北日基教団議長ら協議会準備会=東神大・銀座教会で=「一致と再編」打ち出す=合同教会の歩みに転機 
★教皇が初の渡米=カトリック信徒激励へ=ブッシュ大統領夫妻ら出迎え
★9条世界会議=世界の市民にできること=5月に幕張で=YWCAも自主企画
★ウェスレアン・ホーリネス教団年会=信仰告白は次年度決議
★キリシタン文化と琵琶を語る=ジョージ・ギッシュ宣教師 来日50年

  =クリスチャン新聞(4月27日)=https://jpnews.org
★チベット暴動から1か月半=「チベットに祈りの手を」=南アジアの教会から緊急レポート
★宗教の自由委員会=ブッシュ大統領に五輪開会式欠席を要請
★米サンフランシスコ=聖火リレー時に抗議集会
★福祉施設などは痛手=原油・原料価格 広範囲に物価上昇=「値上げも心苦しい...」=菓子・パン製造業を直撃
★映画「靖国」上映中止に抗議=「表現の自由を放棄する行為」

  =リバイバル新聞(4月27日)=https://www.revival.co.jp
★信仰受け継ぐ若者たち=JEC主催J&Sキャンプ=中高生300人参加
★GDOP=世界とともに祈ろう=5月11日のペンテコステ
★渋谷で"宝探し"!=BSSM=東京で預言的アウトリーチ=「ごく自然に、超自然」


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              https://www.kohara.ac/news/

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