世界キリスト教情報 第890信(2008.02.04)
- アトランタでバプテスト集会、今後の統一に望み
- 香港教区協働司教に湯漢氏
- ベトナムのカトリック者が不動産返還求めデモ
- 中国雲南省で聖書焼却の説明求めた信者を警察が殴打
- ルワンダのコンゴ国境地域で地震、教会も崩壊
- 南ア警察が難民保護している教会に手入れ
- ナミビア高裁がカトリック教会の悪魔払い破門を有効と裁決
- 教会が選挙の投票所になったら...
- ギリシャ正教会のフリストドゥロス大主教死去
- モルモン教ゴードン・ヒンクレー大管長死去
- 《情報レムナント》
- 《メディア展望》
◎アトランタでバプテスト集会、今後の統一に望み
【CJC=東京】米国のバプテスト諸派の結集を目指す『ニュー・バプテスト・カベナント』が1月30日から2月1日までジョージア州アトランタで開催された。ただこれが将来に向けた偉大な「瞬間か単なる動き」か、は時を待たなければならない、と主催者は認めている。
催しは、ジミー・カーター元大統領の発想から生まれたもので、人種別、南北などの地域別、路線別な枠を超えて米国のバプテストを結集しようというもの。
約1万4500人が3日間にわたって説教、講演、音楽、ワークショップなどに参加、伝道、貧困、移住、平和、災害救援、信仰の自由といった問題に取り組んだ。
参加したバプテスト集団は、白人主体の『クーペラティブ・バプテスト・フェローシップ』、人種的には混成の『アメリカン・バプテスト教会USA』と黒人系の4団体など30に達し、信徒2000万人を代表するものとなった。
信徒数1800万人で米国第二の大教派『南部バプテスト連盟』は計画の当初から関与せず、参加も個人的なものに止まった。
カーター氏は集会閉幕にあたり、保守的な南部バプテストと他のキリスト者が、聖書や政治姿勢をめぐる分裂を終えるのに役立つことへの期待を語り、「死刑制度、同性愛、女性の地位などの問題で一致出来ないとしても、私たちの心は、共通、提携、寛大、友愛といった点で一つだ」と述べた。
◎香港教区協働司教に湯漢氏
【CJC=東京】教皇ベネディクト十六世は1月30日、香港教区協働司教にジョン・湯漢(トン・ホン)補佐司教(68)を任命した。ジョセフ・陳日君司教が76歳を迎え、引退を申し出ているのに対応したものと見られる。協働司教は、司教座が空位になったとき、直ちに後継司教として、教区司教に着任する。司教の定年は75歳とされている。
湯司教は、中国のカトリック教会に関する専門家。発表された声明で「中国のカトリック教会の様々なグループの間の一致と、関係者の間の建設的な対話」を促進したいと述べ、香港が「中国への教会の橋として不可欠な役割を果たしている」と指摘した。
「中国の教会に宛てた教皇の最近の書簡の指示に従って、全力を注ぐ」として「中国政府が本土の上のカトリック者のために完全な宗教の自由を保証することが私の大きな期待である。それが社会への貢献であり、そしてこの方法で母国が国際的な地位を強化することになる」と言う。
今回の司教任命は、カトリック教会としては香港の中国返還以来、初めてのこと。
湯氏は1939年香港生まれ。66年にパウロ六世によって聖職に叙階された。
教皇庁の発表によると、現在、香港の信者は34万4000人。司祭283人、終身助祭8人、修道会員811人。
◎ベトナムのカトリック者が不動産返還求めデモ
【CJC=東京】ベトナムのカトリック者が、50年以上も前に接収された教会所有不動産の返還を求め当局に圧力を掛けるという、これまでにはなかった行動に出ている。平和的なものだが、すでに抗議行動は数ヶ月にわたり続けられている。
ハノイの名所、聖ヨセフ大聖堂に隣接した家屋の前で1月25日には、抗議祈祷集会が開かれた。大聖堂は1954年にフランスが撤退して共産主義政権が成立するまでは司教座が置かれていた。抗議参加者は1500人から2000人に達したと教会側は見ている。
タン・グエンダン首相もヨセフ・ゴー・クアンキエト大司教と会談するなど異例な対応を見せているが、それはまだ抗議側を満足させるまでには至っていない。
◎中国雲南省で聖書焼却の説明求めた信者を警察が殴打
【CJC=東京】中国雲南省の『家の教会』(地下教会)の信者2人が昆明市西山区公安局(警察)に出向き、2007年12月初めに押収、焼却された聖書について説明を求めたところ、警官から逆に殴打されるという事件があった。米国に本拠を置く中国の宗教抑圧監視団体『対華援助協会』は、当局者は2人を強制的に退去させようとした、と伝えている。
警察を訪れた1人、女性信者リャン・グイハさん(梁桂華=54)は、壁に打ちつけられて、10分以上も意識を失い、病院で治療を受けた。警察署を去った後に、メンバーはその土地の病院に行った。その間の事情説明を求めに警察に戻った1人に、警察官は事件を目撃したが、説明しない、と語ったという。
◎ルワンダのコンゴ国境地域で地震、教会も崩壊
【CJC=東京】ルワンダ南西部、コンゴ(旧ザイール)との国境地域で2月3日朝と正午過ぎ、マグニチュード6・0と5・0の地震があり、両国で少なくとも40人が死亡、約550人が重傷を負った模様。
地元ラジオによると、ルシジ地区ではキリスト教会が崩壊して10人が即死した。
米地質調査所(USGS)によると、震源地は同国ブタレ西方約85キロで、震源の深さは約10キロ。
◎南ア警察が難民保護している教会に手入れ
【CJC=東京】南ア警察は1月30日、ジンバブエからの難民を保護しているヨハネスブルクの中央メソジスト教会に手入れを行った。警官隊500人が出動、麻薬、武器、不法難民の捜査に当たった。
教会のポール・ヴェリン主教は、警察の容赦のない捜査方法を厳しく非難した。
ジンバブエの経済破綻に伴い南アに流入した難民は300万人を超えたと推定される。最近まで、南ア当局は難民に寛容策をとっていたが、南ア自体の経済悪化に伴い、取り締まり強化に転じている。
◎ナミビア高裁がカトリック教会の悪魔払い破門を有効と裁決
【ウイントフーク(ナミビア)=ENI・CJC】ナミビア高裁は1月25日、悪魔払いに関与したとしてカトリック教会から破門されたことを不服とするゲルト・ペトリュス元司祭の告訴を棄却した。
ナミビア・カトリック教会は、ペトリュス氏が「トコロシズ」という小悪魔を追い払うためにジンバブエから悪魔払い師を教区内に連れてきたが、その行為が自分自身を教会から破門したことになる、と2004年に宣告した、と現地紙が1月21日報じた。
アーサー・ピカリング判事は、元神父が迷信深く、"ほとんど熱狂的に"トコロシズを信じており、犠牲者を苦しませたり殺す悪魔の目に見えない武器の存在を信じている、として「自分の行動と信仰によって、カトリックの信仰と教会の交わりから離脱した」と裁決した。
◎教会が選挙の投票所になったら...
【CJC=東京】米マサチューセッツ州ウエストボイルストンでは選挙の際の投票所に予定していた建物に構造上の問題が見つかった。代わりにカトリック教会を充てようとしたが、そこに大きな十字架像が掲げられていることは問題だから覆うように、という注文が一住民から寄せられた。
選挙管理委員会は教会側に十字架像を覆うようたのんだが、結局、投票所にある宗教的なイメージを隠す必要はない、ということで依頼を撤回した。
◎ギリシャ正教会のフリストドゥロス大主教死去
【CJC=東京】ギリシャ正教会の最高指導者、フリストドゥロス大主教が1月28日、アテネ郊外の自宅で死去した。69歳。大主教は数カ月前から肝臓がんを患い、数日前からは病院での治療を拒否していたという。
ギリシャ正教会は3日間の服喪期間を宣言するとともに、後任人事の手続きに入った。
大主教は10年間在位し、カトリック教会との和解を進めた。2001年には教皇ヨハネ・パウロ二世が、東西教会の分裂以来約1000年ぶりにギリシャを訪問、十字軍による略奪など、正教会に対する「カトリック教徒の罪」を認め、「神の許しを請う」た。
インターネット上に教会のサイトを開設するなど、意欲的な改革に取り組んだ。
◎モルモン教ゴードン・ヒンクレー大管長死去
【CJC=東京】末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)のゴードン・ヒンクレー第15代大管長が1月27日、米ユタ州ソルトレークシティーの自宅で老衰のため死去した。97歳。
ユタ州のジョン・ハンツマン知事(同派信徒)は「全世界における人道面でのリーダーシップはユタ州民としての尽力と共にあった。自主性、慈善、謙虚さでは顕著な存在だった」と語った、とAP通信は報じている。
《情報レムナント》
▽教会とツバキめぐりマップ完成 五島観光連盟が発売
五島観光連盟(長崎県五島市、柿森誠会長)は、五島の教会とツバキを紹介する新しいガイドマップ「五島列島教会と椿めぐりの旅」を製作。福江港ターミナル売店などで発売開始した。畳んだサイズは手のひらに収まる横八センチ、縦十一センチだが、広げると横五十七センチ、縦四十三センチの大きなマップになる。一部二百円で八千部用意した。
片面は、五島列島の教会五十カ所の場所と各教会の写真、概要を紹介。もう片面は、同列島のツバキ林、大木、つばき油製油所の位置、五島のヤブツバキの写真などを掲載している。(長崎新聞1月31日)
▽切り絵で殉教者たち描く
廿日市カトリック教会信徒の田村勝治さん(70)=廿日市市平良=は、キリシタンの殉教者たちを切り絵で描き続けている。1984年に殉教碑が建立された時、頼まれたのがきっかけ。殉教者たちをしのぶ数少ないよすがとなっている。廿日市は明治初期の長崎のキリシタン迫害事件、「浦上四番崩れ」ゆかりの地。田村さんの切り絵は独学。下絵は描かず、思い浮かべた場面をカッターナイフだけで刻む。(中国新聞2月4日)
《メディア展望》
=カトリック新聞(2月3日)=https://www.cwjpn.com
★教皇 メッセージで語る=「キリスト者の召命 愛の実践で深められる」=2月6日から四旬節
★カリタスジャパン="愛の献金"呼び掛け=新シリーズ『つなぐ』発行=四旬節キャンペーン
★カトリック中央協議会 『イヤーブック』創刊=『カトペディア』簡略化し年刊に
★日本語のミサ典礼=梅村司教ら バチカンと対話した5項目
★教皇 カトリック学校は「キリスト教的観点強調を」
=キリスト新聞(2月2日)=https://www.kirishin.com
★関口博国立市長 就任から8カ月=クリスチャンアカデミー新年の集い="「小さな声」が背中押した"
★イエズス会 新総長にニコラス神父=元上智大教授 日本にも長く滞在
★教皇、ローマ大学講演中止=ガリレオ裁判見解に批判受け
★梓会出版文化賞="貴重な民俗的記録"=教文館に特別賞
★"武力によらない平和"=NCCがQ&Aを作成
=クリスチャン新聞(2月3日)=https://jpnews.org
★社会へ新たな一歩=「成人の日」各教会・教団で祝福式=「伝道、教会に戻るきっかけに」
★ケニア=教会に放火、50人が死亡=大統領選挙に抗議 野党支持者が暴動
★「自分が市長になってよかった」=国立市長関口氏 新年に思い語る=クリスチャンアカデミー新年の集い
★聖書の基準に従い歩もう=若きいのちへのチャレンジセミナー
★韓国次期大統領 李明博氏の信仰とその所属教会=金持ち・有名人教会と見られているが説教中心の堅実な教会形成
=リバイバル新聞(2月3日)=https://www.revival.co.jp
★「神は普通の人を用いる」=GDOPコーディネーターが初来日=昨年は5億人以上が祈る
★VIP関内BC=皆で聖書を読んで感動=月に1回、超教派で学び
★多忙な人々に御言葉届ける『聴く聖書』=新約編に続き、旧約編も登場