「宗教の出会いがもたらす争いと豊かさ」、『同志社大学広報』No.434、2012年3月31日
「宗教の出会いがもたらす争いと豊かさ─ユダヤ教・キリスト教・イスラームの記憶から未来へ─」
多文化共生社会を実現していくための手がかりを求めて
2月18日、京都国際会館において、本学 一神教学際研究センター主催による標記国際シンポジウムが開催された。このシンポジウムは、本センターの研究プロジェクト「多文化共生時代における一神教コミュニティ間の相互作用と対話」が、日本学術振興会による「頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム」に採択されたことを受け、その研究の意義を広く社会に知ってもらうことを目的として行われた。
最初に八田学長より挨拶がなされ、京都の文化・宗教伝統と同志社のかかわりや、同志社の国際主義の近年における展開について紹介された。それに続き、小原克博センター長より、四つの海外研究機関と国際共同研究を進めていくことの目的と意義が説明された。その後、四つの海外研究機関より招待したヤフヤー・ミショット(米国、ハートフォード・セミナリー教授)、ジョナサン・マゴネット(英国、レオ・べック・カレッジ名誉教授)、ポール・メンデス=フロール(イスラエル、ヘブライ大学 名誉教授)、イブラーヒーム・ザイン(マレーシア国際イスラーム大学 教授)の各氏による講演がなされ、続けてパネル・ディスカッションがなされた。共生、寛容、価値、正義といった様々な角度から対話の重要性が確認された。また、自らを学ぶためのチャンスとしてマイノリティに耳を傾けることの大切さが強調された。
この冬一番の大雪であったにもかかわらず、250名もの来場者に恵まれた。
(一神教学際研究センター長 小原克博)