25年ぶりのマインツ大学
学生時代、2年間留学していたマインツ大学(正式名称はヨハネス・グーテンベルク大学)を訪ねました(マインツの後はハイデルベルク大学に異動)。
キャンパスを歩いている内に、25年前の記憶が徐々に戻ってきました。神学部のあった建物は変わらずありました。よく勉強した部屋も外から見ることができました。図書館、カフェ、文房具屋、本屋、メンザ(学生食堂)等々、懐かしいものばかりでした。
マインツ大学で学び始めた頃、楽しさ半分、授業で苦労した思い出もたくさんあります。ヘブライ語の授業には泣かされました。ヘブライ語をドイツ語にするのは当時の私にはかなり骨の折れることで毎時間ストレスの連続でした。
比較宗教学の授業では、禅についての発表をしたこともあります。その授業のSeminar Wochenend(ゼミ合宿のようなもの)では、山奥の宿舎に出かけ、アメリカからドイツに来ていた阿部正雄先生から禅のレクチャーと、坐禅の指南を受けました。
当時、ドイツの大学ではイスラームの授業が少しずつ導入され始めており、私もドイツで初めてイスラームとコーランの授業を受けました。トルコ人の友人がたくさんいたこともあって、イスラームを学ぶということは、私にとっては彼らのものの考え方を知るという点で、日常的な関心に根ざしていました。ユダヤ教・キリスト教・イスラームをばらばらにではなく、つなげて考えてみるという、今に続く発想の原点が、マインツ時代に形づくられたように思います。
あれから25年余。あっという間に月日が経ち、果たして成長しているのだろうかと自問しながら、青春時代の舞台を後にしました。