講演「ヒト・動物・自然の新たな公共性の模索──文化比較の視点から」(ICAC KOBE 2015)
神戸 すべての生き物のケアを考える国際会議2015(ICAC KOBE 2015)が神戸大学統合研究拠点で昨日と本日の二日間にわたって行われました。私は、最初の基調シンポジウムで話をしました。
下記のような内容ですが、発表要旨については次のページをご覧ください。獣医師や動物愛護運動家、行政の担当者など、いろいろな立場の方と出会えたのは、よかったです。
https://knots.or.jp/corporation/2015/06/key-note_abstract/
「阪神・淡路大震災の経験を人と動物の幸せな未来へ -- 護るべき大切な日常とは? 」
日時:7月19日(日)10:00〜13:30
会場:コンベンションホール
趣旨:阪神・淡路大震災から20年が過ぎた。私たちが震災から学んだもの、それは、「日常」 の大切さである。しかし、現在の社会の「日常」は、高齢化・単身化・少子化・グローバル化等により、これまでにない様々な課題を抱えている。IT等の技術の進歩により、情報や人のつながりの多様化・効率化・高速化が進むようになったものの、そのことが逆に孤独や社会的疎外感を導き、また社会からうける過度のストレスに悩む人は増えるばかり。「ヒトは動物であり、自然の一部である」という「人」の本来の姿を模索し、それに似合った日常の過ごし方を目指す時が来ていることを、誰もが漠然と感じているのではないだろうか。私たちが守ろうとしている自然の中の「幸せな日常」とはどの様なものであるべきか。震災から20年の月日を重ねた今だからこそ、もう一度「生き物としてのヒト」という出発点に立ち返って考察を進め、ヒトを含む動物の幸せな未来へ向けての礎を再構築出来たらと願う。それが、阪神・淡路大震災20年への私たちの貢献であり、希望である。
座長:位田 隆一氏(京都大学 名誉教授/同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科 特別客員教授/同志社大学生命倫理ガバナンス研究センター長/公益財団法人 国際高等研究所 副所長)
演者:
1.「ヒト・動物・自然の新たな公共性の模索 --文化比較の視点から」
小原 克博氏(同志社大学 神学部 教授/良心学研究センター センター長)
2.「家族愛の脳科学」
篠原 一之氏(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科神経機能学 教授/医学博士)
3.「常に変化し続ける生命の柔軟な営みに学ぶ」
森本 素子氏(宮城大学 食産業学部 ファームビジネス学科教授/日本獣医師会動物福祉・適正管理対策委員会委員/宮城県動物愛護推進協議会副会長/獣医師)