KOHARA BLOG

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CISMOR研究会「道徳的価値から社会的価値へ──トルコにおける市民社会運動の人道的支援活動」(イディリス・ダニシマズ)

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 10月11日(土)、同志社大学 一神教学際研究センター(CISMOR)主催の研究会を行いました。今回は、イディリス・ダニシマズ先生に「道徳的価値から社会的価値へ──トルコにおける市民社会運動の人道的支援活動」と題して発表していただき、その後、密度の高いディスカッションを行いました。
 オスマン帝国の崩壊からトルコ共和国の成立、それに伴う世俗主義の導入、イスラームの位置づけをめぐる政治的葛藤などをわかりやすく話していただき、そのプロセスの中で、イスラーム的理念に基づいた市民社会運動について詳しく言及してくださいました。
 トルコの市民社会運動は、サイド・ヌルシィー(1878-1960)に起源を持ち、その影響を受けたギュレンが運動を展開し、現在ではヒズメット運動として知られています。その中でもトルコ国内だけでなく、世界で幅広く活動し、東日本大震災においても救援活動を行ったキムセ・ヨク・ムという団体が有名です。
 しかし、一連の政治汚職事件をめぐって、エルドアン政権とギュレン運動の対立が激化し、エルドアン政権は敵対勢力をかなり強く押さえ込もうとしています。
 今年3月、私はトルコとシリアの国境近くにあるキリスという街でシリア難民たちを支援するキムセ・ヨク・ムの活動を見てきました。政府ができない重要な仕事をしていることを実感しましたが、何とそのキムセ・ヨク・ムが数日前に政府により活動停止に追い込まれたという事実を、今回の研究会で知りました。
 この研究会には、トルコのエキスパートである内藤正典先生も参加してくださいましたので、私の知りたいことをを正確に教えていただき、実に濃密な時間を過ごすことができました。
 目下、トルコはシリア情勢からの影響をダイレクトに受けており、いろいろな意味で目が離せない国の一つです。

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