CISMOR研究会「エコロジー経済学とキリスト教神学との対話」(和田喜彦)
本日、和田喜彦先生(同志社大学 経済学部教授)を講師として招き、「エコロジー経済学とキリスト教神学との対話」をテーマにCISMOR研究会を行いました。
研究会の冒頭で、私が今回のようなテーマを企画した背景について説明しました。CISMORは設立以来、学際研究を特徴の一つとして研究活動を続けてきましたが、国際政治や地域研究との関係が圧倒的に強く、経済学やエコロジーと接点を持つことはありませんでした。私個人の研究課題としては、エコロジーや環境倫理があるのですが、それゆえに我田引水的なテーマ設定を遠慮してきたという経緯もあります。しかし、今後は遠慮せず、こうしたテーマを継続し、いずれはまとまった成果を出せるようにしたいと考えています。
和田先生は最初にエコロジー経済学について「永続可能性の達成を目指し、生態系全体の循環の一部としての人間経済活動を学祭的に研究する学問」であると説明されました。和田先生が学ばれたJohn Cobbの取り組みや北米におけるエコロジー経済学の展開について言及され、経済至上主義から地球主義(Earhism)への転換というCobbのビジョンを、経済学とキリスト教神学の接点として示して下さいました。
今回の研究会では、エントロピー、環境収容力(Carrying Capacity)、エコロジカル・フットプリントなど、これまでのCISMOR研究会では聞くことのなかった用語がたくさん出てきて、実に新鮮な刺激を受けることができました。