KOHARA BLOG

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グランド・モスク訪問、そしてワークショップ

20131123.jpg 今日は朝、オマーン最大のモスク The Sultan Qaboos Grand Mosqueに立ち寄り、その後、市街中心からはかなり離れたところに立地している German University of Technology in Oman (GUtech)で、オマーンの宗教関係の官僚、研究者、ジャーナリストの方々とワークショップを行いました。

 グランド・モスクは圧巻でした。金曜日の礼拝時には1万5千人の人々が集まるとのこと。このモスクの特徴は、礼拝の場所を提供しているだけでなく、図書館、レクチャーホールなど文化施設の機能も有していることです。また、建物の各所にイスラーム各地のモザイクを配しており、イスラームの多様性を体感できるようになっています。
 ワークショップでは、私が私自身の学問的関心やCISMORの活動についてスピーチし、それをめぐって質疑応答がなされました。アラビア語中心の世界なので、英語とアラビア語の間の通訳をしてもらう必要があり、いつもながら肩身の狭い思いをします。しかし、今回私たちの世話をしてくださっているカーハラン氏は非常に英語が堪能なので、丁寧に通訳してくださり助かりました。
 来年1月に安倍首相がオマーンを訪問予定なので、日本の3.11以降の事情についても時間を割いて話しました。宗教と科学の枠組みの中で、エネルギー問題についても触れました。イスラーム世界は一般的に原子力エネルギーに対する警戒心を持っていませんが、それは問題ではないか、ということを(少々勇気を出して)話しました。自国の問題をまだ解決できていない日本がトルコをはじめ、イスラーム世界に原発を輸出しようとしていることは倫理的に問題があるということも、あわせて論じました。
 専門家がずらりと並んで、まるで口頭試問を受けているような感じでしたが、うまくかみ合った議論をすることができたように思います。
 GUtechはドイツのアーヘン大学のオマーン分校のような位置づけで、アーヘン大学と緊密な関係を持つ技術系大学です。長時間のワークショップ終了後、記念撮影をし、記念品のハンジャル(半月刀)をいただきました。ハンジャルはアラブ人の伝統的シンボルとして、今も大切にされています。正装のとき、オマーンの男性はハンジャルを身につけると聞きました。

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