宗教と公共性
9月12日、本願寺の聞法会館で、本願寺派総合研究所主催の第1回公開講座「宗教と公共性──自他共に心豊かに生きることのできる社会の実現に向けて」に参加してきました。
テーマに対する関心もありましたが、今回行こうと思ったのは、小林正弥先生(千葉大学)が講師であったというのが大きいかったと言えます。小林先生はハーバードのサンデル教授の紹介者であり、また、サンデル教授同様、コミュニタリアンとして政治哲学を論じる方です。7月に賀川豊彦学会で、やはり小林先生が講師として招待されており、そのときに初めてお会いしました。
小林先生が「宗教と公共性」をどのように整理されるかに関心を持ったわけです。コメンテータとしては、柴内先生(東京経済大学)が来ておられました。ソーシャル・キャピタルなどの専門家でパットナム『孤独なボウリング』の訳者でもあります。
小林先生は、宗教が公共性に関わる、よりポジティブな側面を中心に話を進められました。時折、参加者に意見を聞きながら、「白熱教室」風にディスカッションを展開されたのも新鮮でした。
内面性(信心・信仰)と公共性(社会性)の関係(特に出世間を重んじる仏教にとって)、共通善のあり方など、多様な議論が展開され、なかなか楽しむことができました。
この集会が終わってから、旧知の佐々木恵精先生と顔を合わせ、話をしました。よく考えると、佐々木先生が本願寺派総合研究所の所長をされていました。積極的な取り組みにエールを送りたいと思います。