タリバンが京都にやってきた(アフガン会議)
6月27日、What is necessary for Reconciliation and Peace Building? というテーマの国際会議を同志社で開催しました。グローバルスタディーズ研究科(GS)とCISMORの共催ですが、実行部隊の多くはGSから出されており、今回、私は最後に concluding remarks を述べるだけでしたので、比較的気楽でした(内藤先生は大変だったと思いますが)。
しかし、これだけの顔ぶれが一同にそろうことは、めったにないでしょう。アフガンから総勢8名(トルコから2名)が来られ、そこには政府側の方(大統領顧問)から、それに敵対するタリバン(Islamic Emirate of Afganistan)や Hezbi Islami の方々が一堂に会し、壮観な眺めでした。 私はアフガン事情に通じているわけではありませんので、どのスピーチも新鮮に聞くことができましたが、やはりそれぞれ自分たちの立場を強く打ち出しますので、「和解」がテーマとはいえ、一筋縄ではいかないことも、よくわかりました。タリバンに対しては、日本でも一定のイメージができあがってしまっていますが、そうしたイメージから大きくはみ出るタリバンの実情や素顔を知ることができたのは大きな収穫です。立場の相違があるとはいえ、ほぼ共通しているのは、強い反アメリカ感情でした。アメリカ軍に対する強い批判が何度も出されました。
カルザイ政権側の声を聞くことができたのも収穫でした。腐敗や汚職の問題などを追及されていましたが、現状をうまく説明されていたように思います。
7月初旬に、アフガン問題をテーマとする東京会議が開催される予定ですが、おそらくそこでは、同志社で会ったような率直な意見交換は期待できないでしょう。日本政府もアメリカ政府も国内問題で手一杯の状況ですので、長期的な視点をどのように確保するのかも大きな課題です。特に、アメリカ軍が撤退する2014年以降については様々な懸念が出されていました。
たくさんのメディア関係者も来られていましたが、即座に動画をアップロードしているところもありましたので。以下にご紹介したいと思います。タイトルは何と "When the Taliban Came to Kyoto"。様子の一部を知ることができます。
一番上の写真では、会議終了後の夕食会の様子が写っています。アフガンの人たちの鍋好きは、すでに経験済みなので、今回も和食中心に鍋料理を食べていただきました。とても喜んでくださいました。