同志社大学 学研都市キャンパスへ
今年4月から正式にオープンした学研都市キャンパスに初めて行きました。同志社大学大学院 脳科学研究科の科目「研究安全と倫理」の授業のためです。
近鉄の木津川台という駅で降りて、閑静な住宅地を通り抜け、徒歩15分ほどで巨大な建物が見えてきました。新島襄が若い日に乗って、海外への夢を膨らませるきっかけをつくった「快風丸」にちなみ、「快風館」という名前がつけられています。大学のページでは、以下のような説明がされています。
若き日の新島襄が初めて航海で江戸~玉島間を往復した際に乗船し、脱国を敢行した函館への途でも再び乗ったのが備中松山藩の洋式帆船「快風丸」でした。新島は玉島航海で見聞を広め、この航海を契機に精神的にも大きく視野が開かれたと後に回想しています。快風館は、同志社大学の新たな船出を支える研究拠点です。
快風館は、もともと、キャノンの研究所であったものを同志社が買い取り、新たなキャンパスとしました。キャンパスと言っても、この建物だけですが。
同志社らしさを強調するためか、建物の前方に「良心碑」が建てられていました。
建物の中に入ると、入ってすぐのところに「快風丸」とその説明がかかげられていました。
さらに奥に行くと、普通の教室等々はかなり様相の異なるユニークな構造が目に入りました。教室等というよりは、ラボという感じです。天井は鉄骨がむき出しのままで、簡素な蛍光灯がフロアーの半分ほど(節電のため?)を照らしていました。妙に新鮮な感動を覚えました。
授業が始まる前に、脳科学研究科の井原先生と少し話をし、その後、講義室に向かいました。脳科学研究科は、今年の4月に始まったばかりなので、学生さんはまだ5人しかいません。最初に、それぞれの研究テーマや背景などを中心に自己紹介してもらい、その後、関心のある倫理的なテーマについて話を交わしました。生殖医療、終末期医療などもあげられましたが、ほとんどの方が動物実験の倫理的問題に少なからぬ関心を寄せられていたことに、少し驚きました。
現状では、マウスやラットのような小動物しか用いていませんが、やはり心理的な葛藤があるとのこと。動物実験を動物福祉の中に位置づけ、さらに動物・人間関係の文化比較などをしながら、この課題を今後の授業中で深めていきたいと思っています。
すべてが始まったばかりの教育研究環境なので、まさに「快風丸」に乗り込んでいるかのような、すがすがしい気持ちにさせられました。