世界平和祈りの集い
8月4日、比叡山延暦寺で「世界平和祈りの集い」が開催され、私も参加しました。
1986年10月、イタリアのアッシジに諸宗教の指導者が集まり、世界平和のために祈りを合わせ、翌年の1987年8月、その精神を継承して「比叡山宗教サミット」が開催されました。今年は、比叡山宗教サミット24周年ということになります。
長く続けてきているのは立派なのですが、同時にマンネリ化をどのように脱却するかという課題もつきまといます。しかし、諸宗教の代表者や関係者が集まって、一年に一度、顔を合わせ、祈りを合わせることの意味は決して過小評価すべきではないでしょう。世界平和のための祈りが、具体的な実りを生み出すことを期待したいところです。
今回の隠れた目玉の一つは、高野山真言宗管長の松長有慶氏が、この集まりのために比叡山延暦寺を正式訪問したことかもしれません。天台宗の祖・最澄と真言宗の祖・空海は、学問的にも非常に近い関係にありながら、経典の貸し借りをめぐって、断絶状態になりました。1200年前の話です。それ以来、真言宗と天台宗の間は疎遠になり、座主が互いを訪問することはありませんでした。その意味では、2009年に天台座主の半田氏が高野山を訪ね、今回、松長氏が比叡山を訪ねたのは、かなり画期的なことであると言えます。もちろん、仲直りするのに1200年もかかったのか・・・と呆れることもできるでしょうけれど、まずは物事のよい面を積極的に評価したいと思います。これは長年続けてきた「世界平和祈りの集い」の成果の一つと言ってよいでしょう。
「世界平和祈りの集い」のプログラムは、いたってシンプルですが、その雰囲気を下の動画でご覧いただけます。