アフガン報告会(中田先生)
7月5日、アフガニスタンから帰国された中田先生より、最近の様子をうかがう機会がありました。アフガン・センターとグローバル・スタディーズ研究科の共催プログラムです。
「アフガニスタン和平を目指して」と題する講演の案内文は以下のようなものでした。
米軍の侵攻によるアフガニスタン・イスラーム首長国(タリバン)政権の崩壊から10年が過ぎた現在、カルザイ政権と米NATO占領軍の失政により、一旦は壊滅したかに見えたタリバンは年を追うごとに支持を回復しつつあり、現在はアフガニスタン全土の70%がタリバンの支配下にあるとも言われる。米国外交もタリバンとの舵を切ったと言われる。ビン・ラーディンーがパキスタン国内で殺害され、和平への障壁の一つが消滅した本年はアフガニスタン和平の岐路となることが予想される。本発表は、アフガニスタンの現地報告を交えて和平への提言を行う。
今や、「タリバーン」は国民の抵抗の象徴と言えるまでに力を取り戻してきています。しかし、今なお、外部の世界からはタリバーンの実態はつかみずらいです。実際にタリバーンに属していない人までもが、タリバーンを自称して行動を起こしているとなると、かなり事態は複雑です。
しかし、はっきりとしていることは、明らかに力と信頼を取り戻しつつあるタリバーンを、いつまでもテロリスト集団として攻撃するのでは問題は解決しないということ、現政権も、またアメリカ政府もタリバーンとの交渉のチャンネルを開いて、和平の道を模索する必要があるでしょう。
政権の腐敗の程度もかなり深刻とのこと。道のりは長いですが、これ以上の死傷者を出すようなことは避けなければなりません。