「読むことの昔と今──電子書籍の衝撃」
「読むことの昔と今──電子書籍の衝撃」(『京都新聞』2010年6月1日、夕刊)を追加しました。
日本でも5月末に iPad が発売され、電子書籍についての議論が本格的に始まってきましたので、比較的タイムリーな記事ではないかと思います。
もちろん、日本では Kindle や iBooks 対応書籍が存在していませんので、アメリカと比べるなら、まだ電子書籍は身近ではないかもしれません。しかし、これからの一年で事情はかなり変化してくるだろうと推測しています。
Kindle や iBooks 対応書籍はないのですが、日本語の本を読むことのできるアプリはすでに登場しています。私が一番よく使っているのは、i 文庫 HD という青空文庫を読むリーダーです(右写真)。インストールすると、最初から何十冊という青空文庫が書棚に並んでいます。
外国文学もいろいろ入っていますが、私のお気に入りは明治文学を中心とした文学作品ですです。芥川龍之介、太宰治、夏目漱石、宮沢賢治、森鴎外等々が、どっさりラインアップされています。高校時代にかなり読破していますが、今、それらを読み返し、違う感慨にふけっています。完全にはまってしまいました。
電子書籍でよく問題にされるのが「読みやすさ」ですが、このリーダーはとても読みやすく、また、iPadの液晶画面もさほど目に負担をかけているようには思われません。
右は画面サンプルです。芥川龍之介の「トロッコ」。小学生の時の国語の教科書に入っていた記憶があります。懐かしい!
電子機器が普及することにより、読書離れが懸念されています。しかし、実用的な電子書籍が普及することにより、読書への関心がかえって高まるのではないかと、明治文学を読みふけりながら考えている次第です。
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