Robo-Sexism in Japan
今日は、とてもおもしろい講演を聴くことができました。East Asia Center が主催したものですが、日本の人型ロボットの開発とジェンダーの関係を論じた、私のつぼにはまる講演でした。
鉄腕アトムから始まり、最新の人型ロボットを次々に紹介していくのですから、たまりません。知らないものも多く、あらためて、日本はロボット好きな国だなと思いました。
近未来においては、どの家庭にも家事ロボットが導入され、炊事洗濯・育児などの手伝いをしてくれるようです。アメリカ人にとっては、ロボットは何となく恐怖感を与える存在なので、なぜ、日本では人型ロボットが違和感なく受け入れられるのか、という質問も出ていました。
ロボットに命が宿っているような感覚を持つことを、講演者のロバートソン教授は神道の神との関係で説明していました。
このあたりは、私の関心に強く引っかかりましたので、詳細を質問してみました。あと、アンドロイドに魂が宿るのかどうかは、アニメ「攻殻機動隊」(Ghost in the Shell)のテーマでもあることを説明すると(オタクなコメント!)、即座に納得してくれました。ロバートソン教授はたくさんのロボット研究者を知っているのですが、若手の研究者はアニメ好きが多いとのこと。ガンダムの影響を受けている人も多いでしょうね、と言うと、その通りとの返答でした。
ロボットをどのようにデザインしていくかは、単に機能向上の問題だけではなく、男性らしさや女性らしさの表現とも密接に結びついています。今回の講演のテーマを含んだ本も刊行予定ということなので、楽しみです。
質疑応答も活発になされ、予定の時間を大幅に超過していました。案内文にあった講演要旨などを下につけておきます。
この East Asia Center のレクチャー・シリーズの一部として、私は5月に講演をすることになっています。テーマは目下思案中。もっと自由自在に英語を話すことができれば、楽なのですが、母国語でない以上、そうもいきませんね。
UCSB East Asia Center Presents a Free Lecture
Robo-Sexism in Japan: Gendering Humanoid Robots & the Limits of 'Freedom'
By Professor Jennifer Robertson
Anthropology Department
University of Michigan, Ann Arbor
In humans and humanoid robots alike, gender--femininity, masculinity--constitutes an array of learned behaviors that are cosmetically and sartorially enabled and enhanced. In humans, these behaviors are both socially and historically shaped, but are also contingent upon many situational influences, including individual choices. As amply demonstrated in Japanese cultural practices past and present, human female and male bodies alike can perform a wide variety of femininities and masculinities. What about humanoid bodies? Japan leads the world in the manufacture of humanoid robots designed for use in the home and workplace. The desirability of a robot-mediated society is more openly expressed in Japan than in other nation-states with advanced robotics industries. What can human (and specifically Japanese) gender dynamics tell us about how these humanoids are gendered, and vice versa? Among the relevant concepts explored are nature, non-dualistic thinking, contingency, degrees of freedom, and technology in the service of tradition.