KOHARA BLOG

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CISMORの新しい研究会

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 同志社大学 一神教学際研究センター(CISMOR)は、5年間の21世紀COEプログラムに引き続き、私立大学戦略的研究基盤形成支援事業に採択され、向こう5年間、文部科学省の研究助成を受けることになったことは、すでにこのブログでもご報告しました。
 「一神教とその世界に関する基礎的・応用的研究拠点の形成」をテーマにして、新しい研究に取り組んでいく予定ですが、2月18日、その新しい研究会の第1回目を行いました。
 私が担当するのは「グローバル化する一神教の思想的研究」(第1プロジェクト)で、今日は、中田先生、三宅先生、手島先生に発表していただきました。
 急に寒さが戻ってきましたが、中田先生が頭を丸められ、また、手島先生がきれいにひげを剃られてきた様子を見て、妙に感動しました。気合いの入り方が違います(ということはなく、お二人とも自然体でした)。

 今日の研究会では、今後の研究のためのブレーンストーミングのようなものでしたが、ディスカッションは多岐にわたり、この分野の研究の難しさを再認識すると同時に、いくつか手がかりが得られたようにも思いました。

 以下、関心ある方のために、今後の研究会の概要を記しておきます。

(1)グローバル化する一神教の思想的研究(第1プロジェクト)
 研究代表者:小原克博
  ユダヤ学ユニット責任者:手島勲矢
  キリスト教神学ユニット責任者:三宅威仁
  イスラーム学ユニット責任者:中田 考

(2)多様なものの共存と社会統合(第2プロジェクト)
 研究代表者:森 孝一
  アメリカ部門責任者:村田晃嗣
  EU部門責任者:内藤正典

■第1プロジェクトについて
 三つの一神教は、従来、ユダヤ学、キリスト教神学、イスラーム学として個別に研究されてきた。この三つの一神教は特に近代以降、対立の歴史を繰り返してきた。三つの一神教を「同根の宗教」として把握し、対立ではなく共存を可能にするために、それぞれの神学、法学、哲学、思想を視野に入れた総合的な「一神教研究」の基盤を構築することが、本プロジェクトの研究内容である。その研究遂行のため、以下の三つのテーマを想定する。

(1)一神教内部における保守派とリベラル派の緊張関係
 一神教それぞれの内部において、どれほど多様で、また時として対立的な思想的特徴があるかを研究する。今日、一神教に関係する紛争は、一神教相互の軋轢や緊張感が要因となっているだけでなく、それぞれの宗教の内部における急進派・保守派と穏健派・リベラル派との激しい対立・抗争が問題の引き金となっていることが少なくない。そうした細部の思想構造が実際の紛争とどのように連関し、紛争解決の鍵がどこにあるのかを研究する。

(2)一神教世界と世俗化・近代化・ナショナリズムをめぐる諸問題
 一神教の変遷と一般社会との関係を考察しようとするなら、世俗化・近代化・西洋化の問題を政治思想のレベルにおいて研究することは避けられない。本プロジェクトでは、そうした課題を、1980年代以降、世界各地で再燃する宗教ナショナリズム(宗教復興)をも視野に入れながら、研究対象とする。

(3)日本社会と一神教
 一神教が、それと異なる宗教的背景をもった社会にどのように受容されるのかを考えるために、日本社会や日本宗教というローカルな文脈で、一神教が引き起こした思想的・文化的影響を検証する。またそれを通じて、日本社会が今後、一神教世界とどのように向き合っていくべきかの具体的提言を行う。

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