復旦大学へ
3月18日の午後、復旦大学に出かけました。復旦大学は上海の中では一番の名門大学です。政府の重点大学にもなっており、かなり巨額の政府予算が投入されていることは、建物を見て、十分納得することができました。
右の写真は、様々な機能が入っている30階建てのツインタワーで、その前には広大な広場が広がっています。これほど巨大な建物は、大学のものとしては、世界中を探しても多くはないと思います(キャンパスには、他の建物もたくさんあります)。
中を見ても、びっくりするものばかり! 訪問前に少し時間があったので、コーヒーを飲みに喫茶店に立ち寄ったのですが、まるで高級ホテルの喫茶店のようでした。同様に、トイレも超高級。とても大学の施設とは思えないようなグレードです。
復旦大学には世界中から一流の研究者が訪問しますので、国家の威信をかけて、すみずみまでハイグレード仕様にしているのでしょう。いや~、本当に驚きました。
この大学の前身は、約200年前にカトリックの宣教師によって建てられました。後に国家に没収され、今は国立大学となって基本的に脱宗教化していますが、哲学系学部の一部をなす宗教研究や、キリスト教研究センターの充実ぶりは目を見張るものがあります。
キリスト教を専門とする張(Zhang)先生の研究室を訪ねました。そこに他の宗教研究の先生方が集まってきてくださいました。実に様々な議論を交わし、現代中国における宗教研究の一端に触れることができました。
とても印象に残った話が一つあります。上海では、急にリッチになった起業家がたくさんいますが、そうしたビジネスマン向けのキリスト教講座を大学が提供しているというのです。ビジネスと倫理(道徳)を問題に関心を寄せるビジネスマン、起業家はとても多く、こうした講座の需要があるそうです。金融工学や経済学を専門的に勉強してきて、実際にビジネスをしている人々の多くにとって、宗教の勉強はまったく初めてです。それが、その人々にとってはとても新鮮に、意味あるものとして受け止められているようです。
ビジネスと宗教が結びつくあたりに、現代中国の生き生きとした変化を感じました。