KOHARA BLOG

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中国基督教協会本部へ

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 大幅に到着が遅れたため、休憩する間もなく、上海師範大学のゲストハウスを後にし、中国基督教協会本部に向かいました。渋滞のため1時間近くかかりました。

 右の写真は、その本部のチャペル祭壇の写真ですが、そこに書かれているように、中国基督教協会(China Christian Council, CCC)と三自愛国運動委員会(Three-Self Patriotic Movement, TSPM)という二つの名称は、いつでもセットで用いられます。おおざっぱに言えば、後者が中国政府との交渉の窓口となり(たとえば、没収された財産の返還交渉)、前者が教会内部の運営責任を持つという区分がありますが、両者はほぼ一体の組織です。


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 中国三自愛国運動委員会総幹事の徐先生と海外担当の欧先生と懇談の機会を持ちました。

 徐先生によれば、中国のプロテスタント信者は約1600万人、牧師が2000人、伝道師が1700人おり、18の神学校が存在しているとのことでした。また、これまで5000万冊の聖書を印刷してきたとのことです。

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 右の写真は、1階の専門書店に入りきらずに廊下に山積みにされている聖書の箱詰めです。

 

徐 先生は、近年、中国ではキリスト教信者が増えているが、特に、若者層の増加が著しいことを指摘していました。また、企業人と出稼ぎ労働者においても急増し ており、その両者が同じ教会に集っているというのは、中国の他の場所ではまず見られない光景なので、非常に興味深く感じました。

上 海だけ見ても、中国が豊かになっていることは一目瞭然です。しかし同時に、貧富の格差も拡大しており、これが現代の中国が抱える最大の問題であると言えま す。富める者と貧しい者が対等に出会う機会は、ほとんどないと言ってよいでしょう。それだけに、両者が場を共にすることのできる教会は、ある種の希望を提 示しているように思いました。

若者のキリスト教人口が増えていることの一例として、北京大学をあげていました。北京大学の約5パーセントがクリスチャンだとのことでした。

 

 三自愛国運動 の「三自」とは自治・自養・自伝のことを指し、かつてのように海外の宣教師に頼るのではなく、中国人が自分たちの力で教会を運営し、支え、伝道することを 目的としています。その意味では、キリスト教の土着化を目指した「本色化運動」は今も大きな課題として引き継がれています。

 中国5000年の歴史を踏まえた教会形成が必要だと語られた徐先生の言葉が印象的でした。

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