日韓神学フォーラム(1日目)
日韓神学フォーラム2007が、宗橋教会(光化門)で始まりました。宗橋教会は、韓国で二番目に古いメソジスト教会です。
今年のテーマは「日韓両国のキリスト教受容」がテーマです。
第1セッションでは、同志社大学神学部の原 誠先生が「日本型近代化社会の成立におけるキリスト教の意義と課題」と題して話をされました。日韓の歴史問題に触れる場合、決まって突っ込まれるのが、日本の植民地時代の責任です。今回も、コメンテーターのチョン・ヒョンシク先生(ヨンセイ大学)からその点がコメントされました。
チョン・ヒョンシク先生のコメントに対して、私が二点質問しました。一つは、アフガニスタンでの人質事件以降、韓国ではキリスト教の宣教姿勢に対 する批判が高まっているが、これに対して、どのように対応しようとしているのか、という質問。もう一つは、韓国と日本が共同で取り組むべき課題として地球 温暖化などの環境問題をあげられたが、実際に韓国の神学および教会はどの程度取り組んでいるのか、というものでした。
第2セッションでは、 スォ・チャンウォン先生(メソジスト神学校)が「韓国におけるプロテスタントの伝統と受容に関する神学的な理解」と題して話をされました。日本と同様、韓国の場合も、近代化・開化とキリスト教が密接な関係を持っており、両者の関係をめぐって拒絶的な態度と受容的な態度の両方が最初期からあったことが語られていました。また、韓国では教会が解放の力として機能してきたことが指摘されました。
ただし、この点に関しては、女性の神学者から、韓国教会の問題点にもっと真剣に向き合うべきではないかという趣旨の批判が投げかけられていました。
第3セッションでは、キム・ソンジェ先生(在日大韓基督教会 名古屋教会)が「在日コリアン・ディアスポラ教会の福音信仰のアイデンティティと宣教の課題」と題して話されました。日本社会における在日韓国人が抱えている複雑な問題、ニューカマーの韓国人との関係、さらにはアメリカにおける韓国人の問題などを非常にわかりやすく説明してくれました。領土―国家―国民というアイデンティティ・イデオロギーをどのように克服していくかなど、私の関心に直接響く内容が盛りだくさんでした。
上の写真は第3セッションのものです。キム・ソンジェ先生は真ん中に座っています。左端から二人目は、私のゼミ生のキム・ジンヒ。通訳をしてくれています。
セッションの終了後、近くのホテルでレセプションを行いました。韓国風バイキングでした。
韓国でも、しゃぶしゃぶがあるということを今日初めて知りました。
最初は調子よく食べていたのですが、途中からいろいろ話しかけられることが多くなり、結局、デザートまでたどり着くことができませんでした。まあ、これは仕方ありませんね。でも、十分おなかいっぱいになりました。
宿泊先への帰路、久しぶりにお会いした辻 学先生と、互いの近況を話すことができました。関西学院大学から広島大学に移られ、広島の印象や新しい生活の苦労をお聞きすることができました。
明日は、私が司会する第4セッションと総合セッションが予定されています。