ブッダは、なぜ子を捨てたか
山折哲雄『ブッダは、なぜ子を捨てたか』(集英社新書)を読みました。実は、『京都新聞』社から書評を依頼されたのが、この本を読むきっかけだったのですが、読み終わって、多くの人にお薦めできる本だと思いました。
ブッダが、なぜ我が子ラーフラを捨てたのか、という疑問から始まり、ブッダの生涯、ブッダ没後の仏教の変転、日本仏教の特異性などが非常にわかりやすい言葉で綴られています。
ブッダの教えや日本の宗教史を大づかみに理解したい人は、きっと満足できると思います。
山折先生の著書の基調には、この本に限らず、「旅」が大きな役割を果たしていることを感じさせられます。山折先生と共に時空を越えた旅をする・・・ そんな読後感を与えてくれる書物です。