世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第968信(2009.08.10)

  • 東西両独統一20周年に記念行事を、と教会指導者が呼び掛け
  • イラクのキリスト者攻撃は意図的、と世界学生キリスト者連盟
  • パキスタンのキリスト者殺害を教会指導者が憂慮
  • パキスタンのキリスト者殺害を教会指導者が憂慮
  • 英カトリック教会大司教がSNSに懸念
  • 米でカトリック教会堂がペンテコステ系に身売り
  • 豪で「エホバの証人」信者が救命措置拒否の権利認められる
  • 「主が忍耐心を教えようとした」と教皇が自らの骨折でジョーク
  • 《メディア展望》

◎東西両独統一20周年に記念行事を、と教会指導者が呼び掛け

 【ハノーバー(独)=ENI・CJC】ドイツ福音教会(EKD)は、1989年の東欧諸国の共産主義終焉とベルリンの壁崩壊につながった「平和革命」を憶えるよう呼び掛けた。
 「中東欧の様々な国で、教会は変革のための動力として重要な役を果たしてきた」とドイツ最大のプロテスタント教会連合組織であるEKDの指導者ウォルフガング・フーバー監督は、礼拝と記念式典のためのインターネット資料集の中で指摘している。
 共産党政権下の東独で「自由と一致への道を備えたのは特にプロテスタント教会だった」とフーバー氏は述べている。同氏はかつて東西を分ける壁のあったベルリン地区の監督。
 東独の1989年の平和的な蜂起は、「プロテスタント改革」と重なって来た。教会のメンバーが主要な役を果たし、平和と変革を求める祈祷会から街頭デモが続いたのだ。
 フーバー氏は、教会のメンバーが民主的構成への道を開く会談で果たした重要な役割について、さらに1990年に東独議会議員の最初の自由選挙で、キリスト者が選出されたことを指摘した。
 プロテスタント通信EPDは、記念のために次の三つの日付を挙げている。
 ▽10月3日=90年の東西ドイツ統一、▽10月9日=民主化への転機となった東独ライプチヒでの大衆デモ20周年、▽11月9日=ベルリンの壁開放20周年。
 インターネット資料集には、89年の事態に関する参考情報など、礼拝や記念式典の提案などが含まれている。

※参考
EKDのサイト(ドイツ語)=www.ekd.de/friedlicherevolution


◎イラクのキリスト者攻撃は意図的、と世界学生キリスト者連盟

 【ジュネーブ=ENI・CJC】この7月にイラクでキリスト教社会を襲った一連の事件は、意図的に組織されたものだが、同国政府は十分な注意を払わず、メディアの関心も引かなかった、とする声明を世界学生キリスト者連盟(WSCF)が8月1日発表した。声明にはホレイシオ・メソネス議長とマイケル・ウォレス総幹事が署名している。
 「7月12日、7教会が手製の爆破装置や爆薬を積んだ自動車などによる襲撃を受けたが、これは慎重に計画されたテロ攻撃だ。犯人は、信者たちがミサなどに出席している最中に攻撃して被害を最大にしようと計画していた。死者8人、負傷者32人を出した」と言う。
 襲撃された教会はハート・カルデア教会、聖ペトルス・ポルス・シリア正教会、聖ギルギス・カルデア教会、聖マタイ・シリア正教会など、教派もさまざま。13日には、北部モスルで「処女ファティマ・シリア・カトリック教会」も襲撃された。
 イラク警察は、教会警備を展開しているが、米軍の2003年侵攻以来、繰り返されて来た教会襲撃の一環、と声明は指摘している。


◎パキスタンのキリスト者殺害を教会指導者が憂慮

 【CJC=東京】パキスタン・パンジャブ州で8月1日、イスラム教過激派がキリスト者の40戸を焼き討ち、女性4人、幼児1人を含む8人が焼死した。イスラム教の聖典コーランを冒涜したからだ、と言う。
 英国国教会の霊的最高指導者カンタベリー大主教ローワン・ウイリアムズ氏は、パキスタン政府に、同国内の「小さく弱い」少数派キリスト者を保護するよう要請した。
 「パキスタンでのキリスト者に対する最近の残虐行為は、世界中のあらゆる信仰者にとって想像の外のものだ」と大主教は声明で指摘している。
 「パンジャブ州の司法責任者は、今回のような行動は真正のイスラム教徒の行動ではなく、本物の信仰を乱用し、普遍な人間性を冒涜するものであり、断固とした非難に値する。パキスタンとその市民を愛する人は、その信仰に関わらず、発生した暴力によって国全体が傷ついた、と感じている」と大主教は述べた。
 教皇ベネディクト十六世は、今回の殺害を「深く悲しんでいる」とし、パキスタンのキリスト者に哀悼の意を評した。
 パキスタン政府筋は4日、襲撃の背後にアルカイーダとタリバン関係者がいる、と語った。ロイター通信が報じた。
 パキスタンは人口1億7000万。イスラム教が圧倒的に優勢で、キリスト教を含む少数宗教者は約4%。


◎パキスタンのキリスト者殺害を教会指導者が憂慮

 【CJC=東京】パキスタン・パンジャブ州で8月1日、イスラム教過激派がキリスト者の40戸を焼き討ち、女性4人、幼児1人を含む8人が焼死した。イスラム教の聖典コーランを冒涜したからだ、と言う。
 英国国教会の霊的最高指導者カンタベリー大主教ローワン・ウイリアムズ氏は、パキスタン政府に、同国内の「小さく弱い」少数派キリスト者を保護するよう要請した。
 「パキスタンでのキリスト者に対する最近の残虐行為は、世界中のあらゆる信仰者にとって想像の外のものだ」と大主教は声明で指摘している。
 「パンジャブ州の司法責任者は、今回のような行動は真正のイスラム教徒の行動ではなく、本物の信仰を乱用し、普遍な人間性を冒涜するものであり、断固とした非難に値する。パキスタンとその市民を愛する人は、その信仰に関わらず、発生した暴力によって国全体が傷ついた、と感じている」と大主教は述べた。
 教皇ベネディクト十六世は、今回の殺害を「深く悲しんでいる」とし、パキスタンのキリスト者に哀悼の意を評した。
 パキスタン政府筋は4日、襲撃の背後にアルカイーダとタリバン関係者がいる、と語った。ロイター通信が報じた。
 パキスタンは人口1億7000万。イスラム教が圧倒的に優勢で、キリスト教を含む少数宗教者は約4%。


◎英カトリック教会大司教がSNSに懸念

 【CJC=東京】英カトリック教会の指導者、イングランド・ウェールズ・カトリック司教協議会のビンセント・ニコルズ会長(ウェストミンスター大司教)は、流行しているソーシャルネットワーキングサービス(SNS)への懸念を表明した。
 8月2日付の日曜紙サンデー・テレグラフに掲載されたインタビューのなかで、ネット上の人間関係は一方的に突然切られてしまい、衝撃を受けた若者が自殺する引き金にもなっている、と同大司教は述べた。
 「努力して築き上げた友情は長続きする」として、インターネットや携帯電話が「非人間的な社会を形成している」と警告した。
 フェースブックやマイスペースなどに関しても、「調和のとれたコミュニケーションではなく、円滑な社会を形成することはできない」と語った。


◎米でカトリック教会堂がペンテコステ系に身売り

 【CJC=東京】米マサチューセッツ州ウースターのカトリック聖マーガレット・メアリー教会は昨年閉鎖されたが、このほど教会堂がペンテコステ派の『アパルーム・ファミリー・インターナショナル教会』に譲渡されることになった。米紙ボストン・ヘラルドが報じた。
 聖マーガレット・メアリー教会は、ロバート・マクマナス司教が、司祭不足や信徒の居住事情が変化したことを理由に閉鎖した5教会の一つ。同教会の信徒は現在シュルーズベリーの聖アンヌ教会に参加している。ただ同教会も売却される予定。
 同司教は、教会堂が譲渡されてからも礼拝の場所として使われることに満足している、と語った。
 聖マーガレット・メアリー教会は、最初メソジスト教会だったが、1923年、カトリック教会が所有した。


◎豪で「エホバの証人」信者が救命措置拒否の権利認められる

 【CJC=東京】オーストラリア・ニューサウスウエールズ州で、瀕死の「エホバの証人」信者が、信仰を理由に救命措置を拒否する権利が認められた。同国のAAP通信が報じた。
 「A氏」とだけ明らかにされた男性は70歳台。7月1日にハンター・アンド・ニューイングランド地区ヘルスサービスの病院に敗血症で呼吸困難になり搬入された時は無意識状態だった。
 措置を受けたものの、患者は腎臓疾患が悪化、14日までには人工呼吸器を取り付けられ、腎臓透析を受けて生存状況にあった。
 同日、A氏が、透析を拒否する意思を示し、署名した2008年8月19日付けの書類が提出された。病院は州最高裁に、A氏の医療拒否を受け入れることが合法か判断を求めた。
 ロバート・マクドゥガル判事は、A氏の指示は「その意思によって、死ぬかもしれないかも知れないが」守られるべきだ、と判断した。


◎「主が忍耐心を教えようとした」と教皇が自らの骨折でジョーク

 【CJC=東京】この7月に手首を骨折した教皇ベネディクト十六世が記者団に、「主が私に堪え忍ぶことを教えようとした」と自らのけがについてジョークを飛ばした、とAFP通信が報じている。
 教皇は17日、休暇のため訪れたアオスタで転倒して右手首を骨折。記者会見した28日も腕はギプスで固定されていた。ただ担当医によると経過は良好だという。
 「私が転んだとき残念ながら守護天使がけがを防いでくれなかったのは、『上』からの思し召しに従ったためだろう」と教皇は記者団に語った。「主は私にもっと忍耐心と謙虚さを持つべきだと理解させ、もっと多くの時間を祈りと瞑想に捧げることを望んだのだろう」と語った教皇は、例年9月後半まで滞在する山荘があるカステルガンドルフォに向かった。


《メディア展望》

  =カトリック新聞(8月9日)=https://www.cwjpn.com
★カトリック障害者連絡協議会 新潟大会=生活から信仰見直す=全国の仲間が交流と学び
★08年 カトリック教会現勢 発表=信者数、4416人増=成人洗礼 5年前の9%減
★公式巡礼団 11月にバチカンへ=188福者の聖遺物=教皇に献呈
★患者の"声"聴く大切さ=7つの講演通して学ぶ=日本カトリック医療関連学生セミナー
★青年労働者連盟60周年=JOC=大阪で記念大会開く
★上智学院・聖母学園=合併協定を締結

  =キリスト新聞(8月8日)=https://www.kirishin.com
★信頼できる大人との出会いを=ひと特集=雑誌「VOICES」通して"声"伝える 橘ジュンさん
★青山学院=135周年で青山キャンパス再開発計画=文化創造し社会に発信
★東京キリスト教学園=教会教職養成へ新課程=基督神学校は募集停止
★司教協議会会長=平和旬間メッセージ=「核廃絶の努力に期待」
★南ア改革派教会指導者が語る=「カルヴァンの遺産、今も重く」
★英シンクタンクが提言=「非武装集団」にも従軍牧師を

  =クリスチャン新聞(8月9日)=https://jpnews.org
★内戦で傷つく子どもにマンガ聖書1千万冊を=新生宣教団=ウガンダ伝道プロジェクト
★8・15は「いのちありがとうの日」=終戦の日を新たな希望の日に
★精神科医・平山正実氏=「自死者の名誉回復宣言」発案=偏見捨て 遺族をケアの対象に
★神の愛と癒し 日本に届けたい=韓国のCCM歌手ソン・ジョンミさん
★聖学院大=1日牧会サマーセミナー=牧師自身の癒しと自己開示のために
★追い詰められる統一協会=被害総額20年で1千億円超=戦後最長の詐欺商法根絶を=霊感商法全国弁連が各省に申し入れ


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