小原On-Line

神学部・神学研究科: 2006年3月アーカイブ

卒業式

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060320-1  20日は神学部・大学院神学研究科の卒業式・修了式でした。
 神学部の場合、全体で70名強くらいですから、だいたい顔と名前とが一致します。
 今日は多く語らず、写真を少し多めに載せたいと思います。
 右の写真は、モンゴルからの学生バオさんです。彼は大学院前期課程を修了し、後期課程に進学。モンゴルの民族衣装で修了式に臨みました。カラフルですばらしかったので、普段も着てきたらどうですか、と言うと、名古屋の友人から借りたものだということでした。

060320-2  左の写真は、インドからの留学生と一緒に写っているものです。サリーの着こなしも抜群です。
 インドからの・・・というのは冗談で、生粋の京都人の方です。こういう衣装が妙に似合うお方です。今年の学部・小原ゼミの一人です。

 あと、謝恩会ではたくさんのツーショット写真を撮ったのですが、選択して載せると、なぜこの人が載って、わたしが載らないのか・・・という疑心暗鬼を生むことになりかねませんので、ここでは安全なものだけを掲載することにします。

060320-3  ということで、このBLOGにもたびたび登場してきているKさん。彼女は、今日の謝恩会の司会も務めてくれました。京田辺キャンパスで新入生として出会ったのが、つい最近のことのように思いますが、6年間の学びを終えて、春からは同志社香里の聖書科の教師に。

060320-4  卒業といえば、以前にも紹介した野本先生、橋本先生も長い教員生活を終えて、「ご卒業」。最後のスピーチも、含蓄あるものでした。

 左が野本先生。右が橋本先生です。お二人の先生には、本当に、お疲れ様と言いたいです。

 まだまだお元気なので、これからも活躍して下ることでしょう。

060320-5 この日は、少し肌寒かったものの、晴天に恵まれた卒業式日和でした。

 ちなみに、3月下旬だというのに、わたしの家の周りでは昨日・昨晩と雪が降り、積もっていました。つくづく雪の多い年であったと思います。

060315 先日予告していました公開シンポジウム「日本宗教から一神教への提言」が本日行われました。
 開始の5分くらい前にすでに座席がほぼ埋まり、立ち見来場者が出てきたため、急遽、パイプいすを搬入して対応しました。神学館礼拝堂にこれほどの人が入ったのは久しぶりだと思いますが、およそ300名の方にお越しいただきました。

 山折先生は、昨年12月、パリで開催されたユネスコ主催の国際会議での発表内容を最初に紹介されました。そこでは、遠藤周作を取り上げて、西洋のキリスト教と日本のキリスト教は根本的に違うことを語り、また、しばしば徒労の終わりがちな宗教対話よりも、宗教的共存の現実を見るべきことを主張されたとのことでした。
 それに引き続き、隠れキリシタン、多神教とデモクラシーの関係、日中関係と道教、シンガポールでのMixed Religion Temple、イスラエルとインドの巡礼など、旅を中心に縦横無尽に山折節を発揮してくださいました。

 パネル・ディスカッションでは、森先生と手島先生にコメントをしていただき、それを片耳で聞きながら、わたしは集められた大量の質問用紙に目を通しながら、取り上げるべき質問をセレクトしていました。森先生の指摘はストレートで、日本における一神教バッシングの問題、また、多神教は本当に寛容で平和的なのか、という指摘でした。これに対して、山折先生は、一向宗などを例にあげながら、日本宗教の中にも非常に排他的な運動があったことを認め、一神教と多神教、それぞれにあるメリットとデメリットを考えなければならないと主張されていました。
 この点に関しては、一神教に対し多神教を優位に置こうとするかつての主張はかなり抑制されていたように思います。

 ディスカッションでは、宗教とデモクラシーの関係、政教分離の関係、天皇制の問題等々、多岐にわたるポイントを扱いました。まとまりがあったかどうかは別にして、随所で山折先生の日本宗教に関する造詣の深さを感じさせられ、その点では来場者の方々も満足できたのではないかと思います。

 最後に、日本宗教が一神教世界に提言できることとは何かと問われて、山折先生が応えた内容には二つありました。一つは、ガンディーの平和思想に対応させ、武家を平和的にコントロールした公家の思想を取り上げ、もう一つは、自然災害などで生き残りが問題となってくるときも、「無常」の感覚を持つことの大切さを説いておられました。

 これらが果たして、国際社会にどの程度理解されるかどうか、はよくわかりませんが、いずれにせよ、日本社会が貢献できる内容を紡ぎ出そうとする知的作業としては十分に意味があると思います。どのような提言がより効果的に問題解決に寄与するのかは、今後、私たちが検証していかなければならない課題であると思います。

 パネル・ディスカッションにかなりの時間を取ったのですが、それでも始まるとあっという間に終了時刻が近づき、司会者として議論の流れを作るのには苦心しました。どなたも、いったんしゃべり出すと、なかなか止まりませんので・・・(^_^;)

 歯切れの良い答えを見つけるのは簡単ではないことを、あらためて思わされましたが、それだけに、日本(宗教)から世界に対し何を提言できるのかは、やりがいのある研究テーマであると思います。

 3月15日に下記のように公開シンポジウムが開催されます。
 パネル・ディスカッションやフローからの質疑応答にも、たっぷりと時間を取ることができるので、かなりおもしろシンポジウムになると思います。
 日本基督教学会近畿支部会が主催なので、キリスト教神学の課題についても批判的に討議できればと考えています。
 欧米のリベラル派神学において流行の「多元主義」に基づいた宗教間対話は、うまく機能していないように思います。昨今の宗教がらみの騒動(ヨーロッパでのテロ、ムハンマド風刺画問題など)からわかるように、ただ「他者を尊重し、対話をしましょう」では何の問題解決にもなりません。
 では、日本からどのような問題提起や貢献ができるのか。山折先生が言うような多神教的な共存がその鍵となるのか、といった点が、今回のシンポジウムでも問われることになると思います。
 このところ、ほとんどすべての講演会で司会を務めていますが、今回もまたそのお役に・・・ たまには、フローでゆっくりと話を聞きたいとも思うのですが、今回は、場を盛り上げ、来場者に強烈な知的刺激を提供できるよう、その務めを果たしたいと、少々張り切っています。
 というわけですので、どうぞご都合のつく方は、お誘い合わせの上、ご来場ください。

公開シンポジウム
「日本宗教から一神教への提言」

日 時:2006年3月15日(水)午後2時~5時
場 所:同志社大学 今出川校地 神学館礼拝堂

■講 演
 山折 哲雄氏(国際日本文化研究センター名誉教授)

■パネル・ディスカッション
 パネリスト
  森 孝一氏(同志社大学神学部教授)
  手島 勳矢氏(同志社大学客員フェロー)
  山折 哲雄氏
 司 会:小原 克博氏(同志社大学神学部授)

※入場無料、事前申込不要

主催:日本基督教学会近畿支部会
共催:同志社大学神学部・神学研究科、一神教学際研究センター

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