小原On-Line

CISMOR: 2011年2月アーカイブ

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 2月26日、石田訓夫先生を講師として「中東関係のはじまり──英国委任統治パレスチナと日本」というタイトルのCISMOR公開講演会を開催しました。
 中東関係というタイトルを見ると、どうしても、現在、中東で起きている抗議運動を連想してしまいがちですが、この講演では現代ではなく、現在の中東関係を規定した、その初期の頃の事情が、日本の関わりも含めて、論じられました。
 英国がパレスチナ問題に決定的な役割を果たしたことはよく知られていますが、その時代における日本外交については、この講演で多くのことを学ぶことができました。
 講師の石田先生は、外務省における長年の経験を踏まえながら、講演後の質疑応答にも丁寧に答えてくださり、満足度の高い講演会となりました。
 この後、場所を移し、研究会を行い、多数参加してくださった大学院生の方たちからも積極的な質問がなされ、さらに議論を深めることができました。
 講演のメモをつけておきますので、関心のある方はご覧ください。多少不正確な記述があるかもしれませんが、その点は、メモということであらかじめご理解ください。

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 本日、遠路サウジアラビアから来客がありました。イマーム大学の Center for Islamic Contemporary Studies & Dialogue of Civilizations の所長 A. M. Al-Sumih 教授です(私の左の人物)。このセンターは国王直属のような性格があり、かなりの資金力を持っている様子。
 このセンターとCISMORが共催する形で、共同シンポジウムを開催できないかとということで、少しずつプランを練っているところです。
 私が原案を出したのですが、政治的な問題(民主化など)はやはりかなり敬遠されました。サウジアラビアの現状や国王がスポンサーになっているということを考えると、あまり無理も言えませんので、妥協点を探ることになります。話していると、アラブ流のやり方が少しずつ見えてきて、おもしろいです。
 長時間の腹の探り合いとなりましたが、第一ラウンドとしてはお互い満足できる合意点を見いだせたと思います。細部の詰めはこれからです。

 その後も何だかんだと仕事が続き、結局、昼ご飯を食べ損ね、パンをかじったのはようやく夕方の4時頃という有様でした。

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 夕方からは大学院のゼミコンパ。四条河原町近くの「ゆずのしずく」というお店に行きました。この3月で大学院を修了する人もいますので、お別れパーティーも兼ねることになりました。この2年、3年を振り返って語る大学院生の弁には、過ぎし日の懐かしさと共に、月日の過ぎ去る早さを感じざるを得ませんでした。
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 2月12日、CISMORと日本オリエント学会共催の公開講演を行いました。講師は、中部大学の中野智章先生。古代エジプトがテーマとなりました。
 折しも、同日、現代のエジプトではムバラク大統領の退陣が表明され、エジプトの対する関心が高まっている中、100名を越す来場者に恵まれました。

 CISMORではエジプトを含む中東をテーマとしてこれまでも扱ってきましたが、時代的にはどうしても近現代の事象に集中していまいがちです。日本オリエント学会との共催によって、古代オリエント社会についての学びができるのは、本当にありがたいことです。
 話はとてもわかりやすく、建築上まったく異なるように見えるピラミッドと神殿には隠された共通点があることが説得力ある形で示されました。
 また、古代エジプト王たちの倫理観の高さ(死後も民のために奉仕する)と現代のファラオ(ムバラク大統領)のコントラストが予期せぬ形で立ち現れてきました。

 この講演会で話題となったピラミッドやルクソールの神殿には、私も20年ほど前に行ったことがあるのですが、そんな秘密があったのか!と感心することがばかりでした。同じモノであっても、やはり知識をもって見ると、まったく違う世界が広がってきます。
 ちなみに、私が20年ほど前に見たエジプトの風景は、Photo Studio の1990年のところにアップしています。
 ふとしたことから目にとまったDVD「研究室へ行こう! 小原克博研究室」をYouTubeにアップしました。全体で30分ほどありますので、二分割しています。
  これはベネッセにより作成され、2007年にスカイパーフェクTVで放送されたものです。もう賞味期限が切れかけなので、ベネッセから文句を言われることはないと思いアップした次第です。4年ほど前のものなので、今となっては懐かしい内容を含んでいます。ベネッセ作成なので取材番組としての完成度は高いです。
  撮影の日、寝癖で左の方の髪の毛が激しく跳ね上がっていました。当時はまったく気にしなかったのですが、今見ると結構恥ずかしいです(笑)。 
 
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 2月8日、東京からイサム・ブカーリ氏(サウジアラビア王国大使館 文化部 文化アタッシェ、写真の左の方)が CISMORを訪ねてくださいました。サウジアラビアのアブドゥッラー国王の提案によるイマーム大学(サウジアラビア)とCISMORとの共同シンポジウムの企画についての最初の話し合いをしました。まだ具体的なことは何も決まっていませんが、実現に向けて意見交換をしました。
 いくつかこちらのアイディアを出したところ、イマーム大学の責任者が直接に話をする用意があるということで、イサム氏はその場で携帯電話でサウジアラビアに電話をし、日程調整をしてくれました。来週にも来日の予定です。アップテンポな話の進め方に意欲を感じると共に、感心いたしました。「鉄は熱いうちに打て」がサウジ流なのだそうです。
 イサム氏は非常に温厚な方で、気楽に話すことができました。まだ話は始まったばかりですが、サウジアラビアと日本の交流のために何かできればと思っています。
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