7月29日、寒梅館会議室で、CISMORの「一神教の再考と文明の共存」研究会を行いました。
テーマは「キリスト教における世俗化・近代化」ということで、カトリックの立場からマイケル・シーゲル先生(南山大学)にプロテスタントおよび宗教社会学の立場から三宅先生(同志社大学)に発表をしていただきました。私はまたもや司会。このところ司会業が続いています。フリーな発言をしたいところですが、司会者としては自己抑制しなければならないので、けっこうストレスがたまります。
コメンテーターとしては、ユダヤ学の立場から市川先生(東京大学)、イスラームの立場から中田先生にご発言をいただきました。
一般的に世俗化論は近代ヨーロッパを大前提にして議論されることが多いのですが、ユダヤ教やイスラームをかませることによって、その前提が相対化されていくのが興味深かったです。
世俗化・近代化はかなり大きなテーマなので、今回の議論だけでは何もまとまった結論を得ることはできませんでしたが、どういう問題点や認識のずれがあるのかの確認はできたように思います。息長くやっていく価値のあるテーマだと言えるでしょう。
CISMOR: 2006年7月アーカイブ
7月8日(土)午前中には、韓国からキリスト教倫理を専門とする先生方をお迎えし、私が同志社や日本での状況について説明をし、対話の時を持ちました。
彼らは「新世代教会倫理研究会」というグループを結成しています。なぜそういうもの作ったのか、と尋ねると、韓国の教会は成長の副作用として、いろいろな倫理的な問題を抱えているのだ、ということで、きちんとした教会内規範を回復させることが目的のようでした。
教会の世襲制が引き起こす問題など、私も部分的には聞き知っていましたが、あらためて聞くと、韓国ならではの課題が現れていておもしろいな、と思いました。
私が強調したことの一つは、倫理的な問題は国内的な次元のものもあるが、そこに還元されない東アジア的な課題を共有していく必要があるということでした。この点については、共感していただけました。
話し合いの後、寒梅館で一緒に昼食をしたのですが、その道すがら、ユン・ドンジュの詩碑を紹介しました。みなさん大感激で、写真を撮っていました。さすがに国民的に愛されている詩人のことだけはあります。
午後は、イスラエル大使講座に参加しました。公安や京都府警なども関わって、かなり物々しい雰囲気に包まれていました。金属探知機を使ったチェックも行われました。
また会場となった神学館前では、イスラエルに対する抗議運動が行われていました。
講演中も、会場の正面両脇には屈強なSPが二人仁王立ちになっており、かなりいかつい印象を与えていました。
話の内容は、だいたい想像の範囲内でした。昨今のガザ攻撃は、やむを得ない自衛行為であるということでした。また、ハマスはテロリスト集団として、頭から対話相手として見なされていませんでした。まあ、それがイスラエル政府の公式見解であるとはいえ、このままでは事態が拘泥化するだけではないかと思いました。
先日の亡命パレスチナ人のタミーミー氏の話では、イスラエルはハマスを対話相手として認めよ、ということが主張点の一つでしたから、両者の立場が大きくすれ違っていることをあらためて見せつけられた思いがしました。
関連の京都新聞記事を参考までお知らせいたします。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006070800159&genre=G1&area=K1B
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