ローマ教皇庁立聖書研究所のノイデッカー教授が同志社を訪ねてくださいました。
保守的と言われている上記研究所の中では異色の人物だと思います。禅仏教とイスラームのスーフィズム(神秘主義運動)の発想を取り入れながら、旧約聖書の解釈をした本を書いています。近々、その第2版が出版されるとのこと。
バチカンでの反応はどうですか、と聞くと「沈黙だね」と応えていました。やはり、他の宗教を取り入れたような研究スタイルに対してカトリックは警戒心が強いようです。
カトリック司祭が京都に禅をしにやってくる、といった類の交流はありますし、また、ヨーロッパのカトリック世界でも禅仏教は比較的よく知られているはずですが、その一方、他の宗教とカトリック信仰との混合に対する警告の声も時々耳にします。
その急先鋒がラッツィンガー枢機卿でした。
そのラッツィンガー枢機卿、つまり、今の教皇ベネディクト16世とノイデッカー教授は旧知の仲とのこと。同じドイツ人同士ですから、交流も深いようです。「彼は実にシャイな人物だったんだけどね」と語っていました。今はそれほどシャイには見えませんけどね。
バチカンの空気に触れるよい機会となりました。
ノイデッカー教授はしばらく日本に滞在されます。