本日、ようやく春学期科目の採点が終了しました。長い道のりでした。
宗教学6の期末レポートでは、学生たちの平和や戦争に対する理解に触れることができました。
もともと平和主義者であると自認していた人たちが、授業を聞くにつれて、その難しさを悟り、それ以外の立場(正戦論者等)へと転向していったことが、レポートを通じてうかがえました。
平和主義者をその道から脱落させるとは、けしからんと思われるかもしれませんが、やはり様々な角度から、その立場や考え方を鍛え直す必要があります。十分な思索を経ないで、ばくぜんと平和主義者であると思いこんでいることほど、お気楽なことはありません。
同じ平和主義者であるにしても、他の立場との批判的な比較考量を経て、納得いく信念として自らのものとしていく必要があります。
レポートの中で、その他、頻繁に取り上げられたテーマは「一神教と多神教」。これは、本当に多くの人が取り組んでくださったのですが、残念ながら、掘り下げがまだ十分ではないものが多かったように思います。
すでにできあがったステレオタイプを崩すのがいかに難しいかを痛感しました。
「一神教」にしても「キリスト教」にしても、非常に単純化して扱われているケースがあり、これは秋学期に克服すべき課題の一つであると強く思いました。
一般的に人は自分が知らないものを単純化してイメージしがちです。しかし、それが間違ったイメージを再生産することにもなりかねませんので、学問的には注意が必要です。
採点が終わって、やれやれなのですが、来週月曜日までに論文を二つ仕上げなければなりません。お盆休みも吹き飛ぶような気の重さです。(T_T)
夏ばてしている暇もありません。うっ、我ながら、クライ・・・