7月24日(月)、京都・宗教系大学院連合による第1回 「仏教と一神教」研究会が行われました。
高田信良(龍谷大学)、 ロバート・ローズ(大谷大学)、安永祖堂(花園大学)の各先生方が、設立記念シンポジウムでの議論を踏まえながら、宗教間対話の課題と可能性について、それぞれ20分程度の発表をしてくださいました。私は司会を務めました。
発表後、1時間強のディスカッションの時間を設けました。特に明確なテーマ設定をしているわけではないので、どのような議論になるか少々心配していましたが、活発な意見交換ができたと思います。
前半の方では、ローズ先生が紹介されたアメリカ仏教界における座禅(meditation)の問題、特に、座禅を「自力」として否定してきた浄土真宗の対応に関心が集まりました。親鸞は「他力」を説いたのであるから、その基本線から逸脱すべきではないという考え方と、中国仏教、日本仏教があるようにアメリカ化されたアメリカ仏教があってもよいのだ、という意見まで多様な見解が披露されました。
各宗教が現代的コンテキストにおいて、どのように適応していくのかは、今後もこの研究会の課題の一つになりそうです。
また、宗教間対話ということで、宗教内の対話だけに終始するのではなく、宗教と世俗社会との対話、あるいは宗教と自然科学との対話も必要だ、という意見もありました。
さらに、大谷大学のマイケル・パイ先生からは、宗教間対話においては、教義と体験の両方を通じた相互理解が必要だということが指摘されました。
K-GURSの今後の研究や教育のあり方を俯瞰する、よい議論がなされたと思います。
大学院生も10名強参加していくださいました。これから、大学院生レベルでの研究交流が徐々に展開していくことも期待したいと思っています。
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